Kis-My-Ft2、15年分の“ありがとう”と愛に溢れたデビュー記念日ライブ ファンとともにドームへ繋ぐ熱狂の夜
Kis-My-Ft2がデビュー15周年の記念日である8月10日、全国アリーナツアー『Kis-My-Ft2 LIVE TOUR 2026 fan IS・・・・・・』の神奈川・横浜アリーナ公演を開催した。ここでは昼公演の模様をレポートする。
2011年2月12日。ライブ本番中に届いた一通の茶封筒によってデビューが発表された、Kis-My-Ft2とファンにとって決して忘れられない“茶封筒の日”。その光景を、筆者は今も鮮明に覚えている。長年追い続けてきた悲願の“切符”を手にし、心の底から歓喜する彼らの姿。客席は歓声と涙でぐちゃぐちゃになり、会場中が感動の波に包まれていた。あの日から15年余り――。同年8月10日に「Everybody Go」でCDデビューを果たし、ひたむきにアイドルの道を歩んできた彼らが、ついに15周年の記念日を迎えた。
記者会見ではまず、デビュー記念日の“当日”にライブを開催できる喜びをメンバーが口々に語った。二階堂高嗣が「8月10日に横浜アリーナに立てるのがうれしい」と言えば、宮田俊哉も「何よりデビュー日にライブができるっていうことが幸せ」と続ける。玉森裕太は「デビュー発表のタイミングとか、いろんなエモい気持ちになりますね」と感慨深げ。二階堂の「(15年前の)この日は恵比寿ガーデンプレイスにいたね」という言葉から、デビューイベントの思い出話も飛び出し、藤ヶ谷太輔が「そこからスタートしたね。懐かしいな」と言えば横尾渉が「その後に『SMAP×SMAP』さんにお邪魔して」、千賀健永が「お花もいただいて」と回想。「濃い1日でした」(横尾)という言葉に、15年前の時間がふっとよみがえるようだった。
今回のライブタイトルに込めた思いを聞かれると、演出を中心となって担当した二階堂が「ファンの方とこれからもいろんな景色を見たいですし、ファンの方が思い描くライブにもしてほしいですし。ファンの方を第一に思ったタイトルになっています」と説明。演出面での注目ポイントには、Kis-My-Ft2初となる“インタラクティブモード”を挙げ、「その場でファンのみんながスマホでQRコードを読み込んで、お客さんがセットリストを選ぶっていう。何が来るか分からないので、毎回、結構シビれます」(二階堂)と明かした。
衣装を担当した玉森は、そのこだわりを披露。「(会見時の)この衣装で言うと、“装飾品”をしっかり衣装に当てたいなと」と言い、宮田はベルトのバックル、二階堂はジップ、藤ヶ谷はハトメ、玉森はチェーン、千賀はスナップボタン、横尾はタグピンをモチーフとして採用したことを説明。細部までそれぞれの個性を際立たせた衣装に、報道陣も前のめりとなって注目していた。
そして、Kis-My-Ft2からの“fan IS・・・・・・”として、6人がファンへの思いを伝える。宮田が「(ファンが)いてくれないと僕らはステージ立つこともできないし、活動することができないので。『本当にいつもありがとう』っていう感謝の気持ちが一番強い」と語ると、二階堂も「みんながいないと何もできない。15周年でライブができて、直接ファンのみんなに『ありがとう』もそうですし、エンタメを届けられるこの機会がすごくありがたい」と続けた。
藤ヶ谷は「『いつもありがとう』っていう気持ちと、より多くの色濃い思い出をこれからも作っていきたいなという(思い)。常に『Kis-My-Ft2に出会ってよかった』と思ってもらえる存在でいなきゃというのは変わらず、『今後ともよろしくお願いします』っていう気持ちです」と笑顔を見せ、玉森は「一番は感謝の気持ちですかね。その思いを今回は特に乗せて、このツアーをやっています」と明言した。
千賀は「今まで僕たちを応援してくれて、一緒に楽しい時間を作ってくれた皆さまへの感謝と、これからも一緒に楽しい思い出を作ろうよっていう気持ちを込めてライブをしていけたらなと思います」と前を見据え、横尾は「感謝しかないです。ともに先を一緒に歩けたらなっていうのと、『今後もKis-My-Ft2をよろしくお願いします』という気持ちです」と締めくくった。
ライブのオープニングでは、Kis-My-Ft2を見守り続けてきたファンの代表としてスペシャルナビゲーター「fan(ファン)くん」がモニターに登場。彼が大切に保管してきた、Kis-My-Ft2がファンとともに歩んだ15年の軌跡がスライドショーのようにビジョンを彩った。さまざまな節目のシーンや各ツアーのハイライト映像を観ているだけですでに胸が熱くなる。
そしてメインステージの巨大LEDモニターが上に向かって開くと、オールブラックの衣装に身を包んだKis-My-Ft2が登場。二階堂が〈Hello〉とささやいて始まったオープニング曲「SILENCE」でクールに会場の視線をさらい、「Kiss魂」では早くもトロッコで会場を隅々まで巡る。「C’monova」ではリフターで上階のファンともコミュニケーションをとるなど、序盤から矢継ぎ早に熱量を着火していくような攻めたブロックが圧巻だった。
デジタルと和を融合した妖艶な世界観で魅了したのは「HEARTLOUD」。赤い光が印象的な映像を背負い、今のKis-My-Ft2だからこそ出せる大人の色香と艶めきを放つ。一転、「Rainy Days」「Luminar」では会場全体がしっとりとした空気に。こういう曲でこそ伝わる、それぞれの歌声の表情や細かなニュアンスーー。彼らの歌の力と表現力をじっくりと味わえる時間だった。
Kis-My-Ft2初の試みとなる“インタラクティブモード”は、ここで登場。観客のスマートフォンによるリアルタイム投票で歌唱曲が決まり、3パターンのセットリストから1曲が選ばれる仕組みだ。この日はジュニア時代の楽曲「Endless Road」を、Kis-My-Ft2の代名詞ともいえるローラースケートでダイナミックに披露。さらに、デビュー15周年を記念した再録バージョンとしてこの日リリースされた「祈り (15th ver.)」もエモーショナルに歌い上げた。“特別な日”に聴く過去の曲は、やっぱり強い。そこには今の彼らだからこそ表現できる重みがあり、これまでのさまざまな景色がファン一人ひとりの胸に広がる時間は、本当にかけがえのないひとときだった。
MCでは15年前の思い出話にも花が咲き、「みんなで『おめでとう』と『ありがとう』を言い合えたらいいよね、という思いを込めて作った曲です」と宮田が曲振り。結成日の7月26日に配信リリースした新曲「HB2U」を歌おうとした――その瞬間、サプライズケーキがステージに登場。“15”周年ということで、“イチゴ”がたっぷりトッピングされたケーキにメンバーも大興奮だ。客席をバックに記念撮影も行われ、会場は一気に華やかなパーティームードに。笑顔があふれる、なんとも幸せな時間だった。
さらにここでは、10月28日に通算12枚目となるアルバムがリリースされることを発表。もちろん場内は大歓声に包まれた。
後半戦は、玉森主演ドラマ『マイ・フィクション』(ABCテレビ・テレビ朝日系)の主題歌「My Affection」からスタート。切なくも伸びやかな歌声で描くラブソングに、客席は静かに聴き入る。Kis-My-Ft2が誇る名バラード「Luv Bias」はスタンドマイクを使った演出で披露し、都会的で大人っぽい「夜の向こうへ」とつなげた。
そして、ここからが近年のKis-My-Ft2ライブの真骨頂ともいえる怒涛のラストスパート。会見時の衣装でファッションショーのように魅せた「Couture」に続き、「Rebirth Stage」ではゴリゴリのHIP HOPで攻める。さらに熱量を上げたのは、複数の楽曲をマッシュアップしたブロックだ。Kis-My-Ft2名物の特効が次々と炸裂し、メンバーはガシガシに踊る。藤ヶ谷が「まだまだ騒げー!」とシャウトすると、会場の熱もさらに跳ね上がった。
「A.D.D.I.C.T.」では、オーディエンスも一体となって深く激しいうねりの中へ。メンバーとファンが一緒になって押し上げていくような熱気は、とにかく凄まじい。そして本編ラストの「King King」へ。炎と花火が交錯するド迫力の演出に、静と動を使い分けたダンスも相まって、最後の一瞬までファンの心を揺さぶり続けた。
アンコールは「UNISON」で始まり、「Everybody Go」をはじめとする人気ナンバーで最後まで完全燃焼。メンバーが姿を消したあと、まだまだ興奮の冷めない会場に「fanくん」からさらなるサプライズが届けられた。スクリーンには、東京ドーム、京セラドーム大阪での『Kis-My-Ft2 DOME TOUR 2026-2027 fan IS・・・・・・』開催決定の文字が。その瞬間、再びライブが始まったかのような爆発的な歓声が会場を包み込んだ。
15周年の記念日に開催した今回のライブには、15年分の“ありがとう”があちこちに詰まっていた。15年という時間は決して平坦ではなかったはずだ。それでも、いくつもの変化や荒波を乗り越えながら、Kis-My-Ft2は歌を増やし、ライブを重ね、積み上げてきたものをちゃんと今につなげている。それが、今の彼らの強さとして確かに息づいているのが伝わる。
そして何より印象に残ったのが、『fan IS・・・・・・』というタイトルが、ただの言葉では終わっていなかったことだ。ファンがいるからライブができる、ファンと一緒だから新しい景色を見に行ける。そんな当たり前でいて、とても大切なことを、6人はこの日、心からの言葉で伝えてくれた。次に待っているのは、東京と大阪の2大ドーム。ファンとともに大切に積み重ねてきた15年は、これから先の景色もきっと鮮やかに描いていく。