THE BACK HORNの“ど真ん中”を貫く「刹那と悪天」 新曲で解き放つ原点、揺るぎないバンドの情熱

 「これぞTHE BACK HORN!」と思わず叫びたくなるニューシングル「刹那と悪天」がリリースされた。シングルとしては2024年10月に出た配信曲「光とシナジー」以来であり、アルバム『親愛なるあなたへ』からも約1年半ぶりの新曲だ。“光と影”をテーマに人間の本質をえぐるような楽曲を変化に富んだサウンドで聴かせた『親愛なるあなたへ』とは対照的に、THE BACK HORN自身の原点を見直すかのような「刹那と悪天」。生々しいほどに自分たちの青春期を歌にしたこの曲は、THE BACK HORNの新たなアンセムになるかもしれない。山田将司(Vo)、菅波栄純(Gt)に話を聞いた。(今井智子)

30周年に向け原点回帰、熱き初期衝動の証明

ーー『親愛なるあなたへ』以来、約1年半ぶりの新曲ですね。

山田将司(以下、山田):なんだかんだ経ったね。

菅波栄純(以下、菅波):でも頑張って活動してたよな。

山田:アルバムのツアーやって、『マニアックヘブン』やって。

ーー精力的にライブに集中してた時期だったんですね。そろそろ新曲を出したいと?

菅波:ツアーが先に決まって。夏のツアーだから“何かアツいやつ”みたいな。そんなことを将司が言ってた気がする。

山田:前作が“光と影”というテーマだったから、今回は何も考えずに「THE BACK HORNといったらこれでしょ!」みたいな、ど真ん中の歌詞とメロディを狙って作るのはどうか、みたいな提案はしてた。

菅波:ちょうどツアーも夏にやるし、アツい感じが合うんじゃないか、みたいなね。もう、それに懸けました(笑)。

ーーここまでストレートにTHE BACK HORNらしい手応えを感じさせる曲は久しぶりな気がします。4人がひとつになったアツさとスピード感が溢れてます。

菅波:自分たちでも新鮮な印象があるね。『親愛なるあなたへ』の楽曲の“光と影”シリーズは、結構変化球だった。頭の使い方もかなり違って、テーマに向かって作っていくのが大変だったよね? 必死だったよね?

山田:良くも悪くもなところもあったけど(苦笑)。まあ、狙ったというのは、このシングルもど真ん中を狙ってるけど、前回はもっと意図的な狙い方をしてたから。今回は逆といったらあれだけど、自然とど真ん中を狙うようになった感じ。

THE BACK HORN「刹那と悪天」MUSIC VIDEO

ーー確かに『親愛なるあなたへ』はテーマがはっきりしたコンセプチュアルな作品で、大きなテーマに向けて楽曲を膨らませていくというものだったかと思います。今回は逆に、ギュッと焦点を絞ったところに進んでいく1曲かと。その焦点になるのが、菅波さんの原点回帰的なことになるのかなと思いました。自分の青春を振り返るというか。

菅波:そうですね。今回のはツアーというタイミングもあったけど、「30周年に向かっていく」という部分もあって。10代の時にTHE BACK HORNを結成してるんで。10代の頃からやり始めて、「今も俺たちずっとやってんだ!」みたいなことを表明したいというか。変わらずアツいぜ、ってことを伝えたかった感じですね。

ーー10代の頃も今も自分たちの持っているパッションは変わらないぞ、と?

菅波:うん、変わんねえぞって。歌詞の中での“情熱”とかは、情熱は変わらねえ、ロックでやりたい、人を力づけたいとか、そういう思いがある。あと自分を鼓舞したいというのも、THE BACK HORNとしてはあって。人とうまく関われなかった10代を過ごした、全員そんな奴らだから(笑)。

山田:20代でも変わってない(笑)。

菅波:俺と将司の20代は人との関われなさが、さらにもっととんでもないことになって(笑)。そういう自分たちを鼓舞することで、誰かの力になってたTHE BACK HORNだと思うんですよ。いまだに、その音楽に対する情熱は変わらないってのを見せるシングル。

ーー確かに初期の楽曲には、二人の混迷した10代、20代が詰め込まれているように感じます。それと今回の曲は繋がっていますね。

山田:あの頃は本当に混沌としてました(笑)。

菅波:本当にそう、人と関わるのが難しすぎるみたいな(笑)。

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