ACEesが示した“伝統”を受け継ぐ覚悟ーー大階段やフライング演出、ルーツを辿る圧巻のエンターテインメント

 5人組アイドルグループ・ACEesが全国アリーナツアー『ACEes Arena Tour 2026 “V”』を開催中だ。5月26日の福岡公演を皮切りに5都市21公演を巡るこのツアー。グループの結成から二度目となる今回は、STARTO ENTERTAINMENTのアイドルとしての誇りと覚悟が感じられる、エモーショナルなステージとなった。本稿では、7月12日に開催された東京・有明アリーナ公演の模様をレポートする。

サックス、エアリアル、和太鼓、ブレイクダンス……磨かれた特技の競演

 今回のステージはツアータイトルである“V”から始まるキーワードを軸に、各セクションがテーマに沿って展開されていく。はじめは“VENTURE[冒険/企て]”として「PROLOGUE」が始まる。曲の開始とともに赤い幕が降り、それが左右に割れるとメンバーが登場。ラスサビではモニターに大きく5分割で5人の顔が映し出され、高揚感のある幕開けとなった。

 続く“VERSUS[対峙/競演]”では、佐藤龍我がサックスの演奏を披露。激しいダンスの後で息を切らしながらもセンターステージで堂々と音色を響かせ、拍手喝采を浴びた。また、浮所飛貴と作間龍斗はエアリアルと呼ばれる、命綱なしでのシルクフライングを披露。体に布を巻き付け下に転がり落ちる技など、見ているだけでも手に汗握るような緊張感のあるパフォーマンスを見事にやり遂げた。「君と…Milky way」(timelesz)では作間がピアノを演奏し、浮所がフライングを行うという異種のハーモニーを奏でる。浮所がセンターステージを蹴り出して宙に飛び立つ姿は、月にも届くような力強さと、爪先から星が尾を引くような圧倒的な輝きが溢れ出した。

 “VIRAL[拡散/中毒性]”のコーナーでは、今回のツアーで初披露となる「Say it えいし~♡」をパフォーマンス。「ねえねえ、言って♡? 言って♡言って♡」とお茶目にグループ名やメンバーのニックネームのコールを誘う自己紹介ソングで、ACEee(ACEesのファンネーム)の大きな声に佐藤は「よくできました」の歌詞で頭を撫でる仕草を見せた。

 そして、このツアーの目玉とも言える“VEIN[血縁/DNA]”のコーナーへ。「Let’s Go To Earth」で一度捌けたかと思うと、バックスクリーンが前方に90度倒れて大階段が出現し、その頂上に全身スパンコールのスーツに身を包んだ5人が再登場した。思わず帝国劇場にいるのかと錯覚するような演出に、記憶の中の“思い出の冬”に引き戻されたファンも多いのではないだろうか。その後も5人それぞれが思い入れのある楽曲をメドレーにして歌唱したり、「Bounce to Night」(King & Prince)でワイシャツのボタンを全開にしたりと、会場にいる全員の記憶に手を伸ばし、自身や事務所が積み重ねてきた過去を抱き締めるようなセクションとなった。

 ラストを飾る“VORTEX[渦/熱狂]”では、深田竜生が和太鼓、那須雄登がブレイクダンスを披露。ラストスパートに拍車をかけるような2人の勇ましく熱いパフォーマンスに、会場の熱はさらに高まっていった。そして本編最後には、深田と浮所が出演するドラマ『夏色の雲が恋と嵐をまきおこす』(テレビ朝日系)の主題歌となった新曲「真夜中のZOO」をパフォーマンス。〈君がうなずいてくれんなら夢夢夢じゃない今〉と大切な人への愛や絆を再確認するようなロマンチックな楽曲となっており、疾走感のある爽やかさとともに、コンサートが終わる切なさを携えて歌い上げた。最後はメンバーが大階段の頂上に立ち、セットごと後ろに倒れていく形で捌けていき、まるで宝箱を閉じるように幕を下ろした。

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