松田聖子、薬師丸ひろ子、中森明菜、小泉今日子……輝き続けるレジェンドアイドルの今

 来年デビュー45周年を迎える中森明菜は、新曲「ごめんと、すきと、」を収録した約10年ぶりのCDシングルを7月1日にリリースし、同日から20年ぶりのライブツアー『AKINA NAKAMORI LIVE TOUR 2026』を開催する。

 オーディション番組『スター誕生!』(日本テレビ系)を機に1982年にデビュー。低音で囁くようなボーカルから、パンチの効いた迫力あるボーカルまで、レンジの広い表現力豊かな歌声を武器に、「少女A」をはじめ「DESIRE -情熱-」や「飾りじゃないのよ涙は」など、インパクトの強い楽曲を次々とリリースし、そのたびにセンセーションを巻き起こした。長い活動歴のなかで活動休止時期もあるが、そのたびに復活を望む声を受けて不死鳥のようによみがえってきた。

【公式】中森明菜『FANCLUB LIVE「ALDEA Bar at Tokyo 2025」』 トレーラー映像 (2026年1月14日 Blu-ray/DVD発売) AKINA NAKAMORI

 近年は活動も活発で、2023年には林哲司のデビュー50周年記念トリビュートアルバム『Saudade』に「北ウイング-CLASSIC-」で参加、2024年には香取慎吾のアルバム『Circus Funk』に収録された中森のカバー曲「TATTOO(feat. 中森明菜)」でコラボレーションを行った。また昨年は、『ジゴロック2025 ~大分”地獄極楽”ROCK FESTIVAL~ supported by ニカソー』に出演し、デビュー以来初の野外音楽フェス出演で話題に。同年12月にはおよそ8年ぶりとなる新曲として、自身が作曲を手掛けた初の楽曲「Merry Christmas, My Heart」を配信リリースした。

 アイドルの枠を越え、“歌うま”としてZ世代からも認知される中森。昭和を代表するそのカリスマ性は、今も健在。いつの時代でも世のなかから常にその歌声を渇望される、非常に希有な存在だろう。

【公式】中森明菜「飾りじゃないのよ涙は -JAZZ-」 AKINA NAKAMORI

 そして今年、14年ぶりとなるシングル「バディ」をリリースした小泉今日子は、全31公演におよぶ近年では最大規模となる全国ホールツアー『KK60 〜コイズミ記念館〜 KYOKO KOIZUMI TOUR 2026』を開催し、5月10日のファイナル公演をもって2026年いっぱい休養期間に入ることを発表した。中森と同じく『スター誕生!』をきっかけに、1982年に「私の16才」でデビューし、中森らとともに“花の82年組”と呼ばれた小泉。デビュー当時こそアイドル然としていたが、秋元康が作詞を手がけた「なんてったってアイドル」ではアイドルである自身をパロディしたほか、刈り上げヘアや奇抜なファッションをはじめ、自身の写真集『小泉記念鑑』(音楽専科社)で魚拓ならぬ人拓を披露したことも。アイドルという概念を覆したアーティスティックな活動で、常に世間を驚かせてきた。

小泉今日子 - なんてったってアイドル (Live at 中野サンプラザホール 2022.3.21)

 90年代以降は時代の先を行くサブカルのアイコン的な存在としてカルチャーシーンを牽引し、ハウスミュージックなど、クラブ/ダンスミュージックを積極的に取り入れたアルバム『KOIZUMI IN THE HOUSE』などをリリース。CDセールス全盛の90年代にはアナログ盤を多数リリースし、イギリスのユニット 4Heroがリミックスを手がけたこともあった。

 2010年代以降は大ヒットドラマ『あまちゃん』(NHK総合)の天野春子役など女優としても知られるが、上田ケンジとユニット「黒猫同盟」を結成して2024年にツアーを開催。近田春夫とのイベント『近田春夫×小泉今日子プロデュース BAD MORNING! CLUB』は7回を数える。また、安野ともこらと「東京 VintAGE Girls」を発足、さらにZINEの発刊など活動は多彩。彼女の自己プロデュース能力の高さは群を抜く。そのセンスと先見性で、激動の芸能界を生き生きと謳歌してきた。その自由な発想と行動力こそが、小泉の魅力であり、原動力なのだろう。

小泉今日子&中井貴一 - ダンスに間に合う (Official Video)

 彼女たちはなぜこれだけ長く活動を続け、愛され続けるのか。もちろん近年の80年代ブームによる後押しや、もともと持っていた歌や音楽に対する素養もあるだろう。しかし年齢を重ねて物を言うのは、やはり経験だと言っていい。歌番組全盛の時代において、毎日のようにどこかの生放送で歌うという日常のなかで、厳しく揉まれ鍛えられた喉と培われた経験は、現代ではどんなに願ってもなかなか手に入れることのできないものばかりなのかもしれない。そして早い段階で確立された唯一無二の個性をもって、トップアイドルの座を、しっかりとものにすることができた。そしてその個性はたゆまぬ努力で今も磨かれ続けている。時代を経ても決して色褪せることなく瑞々しい輝きを放ち、新たなファンを生み出し続けている。

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