松田聖子、薬師丸ひろ子、中森明菜、小泉今日子……輝き続けるレジェンドアイドルの今

 今年、歌手活動45周年を迎えた薬師丸ひろ子が、9月より全国18都市21公演のコンサートツアー『薬師丸ひろ子 Concert Tour 2026 〜明日が来る〜』を開催する。彼女のコンサートツアーは、2022年の40周年ツアー以降、5年連続で開催されており、6年ぶりのアルバム『Tree』をリリースした2024年は、3つのツアーで合計26公演を開催した。昨年のツアーでは20公演を行っており、今年はそれを上回る21公演を予定。ひとつのツアーで21公演という公演数は、1987年の『トーク・ファーストツアー「星紀行」元気を出して!コンサート』と並んで最多となる。

 アイドル全盛の1980年代において女優を軸にしながら、その透き通ったウィスパー調のボーカルで、アイドル的な人気を博した薬師丸。彼女の歌声の輝きは今も失われることなく、むしろ年月を経てさらに輝きを増している。

薬師丸ひろ子 - 薬師丸ひろ子 2024 コンサート (Trailer)

 そもそも彼女が歌う楽曲は、それまでの王道であったポップで軽快なアイドルソングとは異なっていた。彼女のディスコグラフィは、たとえば「探偵物語」や「メイン・テーマ」、「Woman“Wの悲劇”より」など、二十歳前後の女性が歌うには少し大人びた、儚さを孕んだミディアムナンバーが主流だった。当時の楽曲を今も無理なく自然に歌えているのは、楽曲の多くが、彼女独特の美しく延びやかで透明感あふれるボーカルを活かすために作られていたからだろう。また歌詞や世界観の面では、当時はまだ無垢な少女が大人の恋愛へと足を踏み入れる、その恐れや初めて経験する甘美な空気といったものが多く表現されていたが、その少女が年齢を重ね、当時を懐かしく振り返りながら時代を愛おしく抱きしめる。そんな包容力を感じさせる。まるで熟成するほどに豊潤さと深みを増す、ワインのようだ。

薬師丸ひろ子 - セーラー服と機関銃 (Live at 東京国際フォーラム ホールA 2023)

 薬師丸を筆頭に、レジェンドと呼ばれる80年代アイドルの活躍が今再び注目を集め活発になっている。

 昨年デビュー45周年を迎えた松田聖子は、デビュー以来ほぼ毎年コンスタントにコンサートツアーを開催。昨年から続いた45周年ツアーの千秋楽として、今年2月に初の韓国公演『45th Anniv. SEIKO MATSUDA CONCERT TOUR 2025–2026 “Sing! Sing! Sing!” in KOREA』を開催したほか、この6月には『Seiko Matsuda Concert Tour 2026 “Seiko’s Fairyland”』をスタートさせた。

松田聖子 / 45th Anniversary Seiko Matsuda Concert Tour 2025 "Sing! Sing! Sing!” ダイジェスト・トレーラー

 近年の世界的なシティポップブームも追い風となり、韓国では1980年代の歌謡曲が注目を集め、2024年にNewJeansのHANNIが東京ドーム公演や『THE MUSIC DAY 2024』(日本テレビ系)で「青い珊瑚礁」をカバーしたことが記憶に新しい。また2月には神奈川・ぴあアリーナMMで開催されたBIGBANGのG-DRAGONのファンミーティングでも、「SWEET MEMORIES」がカバーされたといい、松田の韓国公演でも、「青い珊瑚礁」の大合唱が会場に響いたという。

 松田の魅力は甘くピュアな歌声と、おとぎ話から飛び出してきたようなフェアリーな存在感だろう。大ブームを巻き起こした“聖子ちゃんカット”をはじめ、フリフリの衣装や天然の言動など、当時の一挙手一投足は現代アイドルのバイブルとなっている。現在は、デビュー当時の甘さはそのままに、深みを加えた歌声でファンを魅了している。

松田聖子 / Shapes Of Happiness

 「赤いスイートピー」を始め、1980年代にリリースした楽曲はほぼ全てがチャート1位の大ヒット。1990年代には全米進出を果たしたほか、名曲「あなたに逢いたくて〜Missing You〜」を生んだ。そして2010年代にはジャズに挑戦。45周年を迎えた昨年末には5年ぶり通算25回目となる『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)出演を果たすなど、音楽性の変遷とともに、時代ごとさまざまなトピックを打ち立てて来た。

 45年以上人気が衰えることがなく、むしろファン層を拡大し続けているのは異例。親子二世代や三世代で、会場に足を運んでいるファンも多い。文字通り“永遠のアイドル”。松田自身もそれを自負し、ライブのアンコールではペンライトを手に法被を羽織って登場するなど、自身も楽しみながらファンの期待に応えている姿がある。

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