安達祐人×Aile The Shotaが語るオーディションシーン 唯一無二性や“編集と素顔”、ソロ活動の矜持に迫る

「コミュニケーションが一番」ーートライアンドエラーで育む信頼関係
ーーおっしゃるとおりです。そして、お二人の共通点として、ソロアーティストであることも挙げられます。ソロは自由度があるぶん、責任もひとりで負わなければいけないですよね。お二人はどんな矜持をお持ちなのでしょうか。
Aile The Shota:たとえば、自分が会社だとしたら、僕自身がボスになる。Aile The Shota本人ではあるのですが、一歩引いた目で見る自分もいなきゃいけないと思っています。主観で物事を考える部分が多い中で、人の意見もちゃんと取り入れていく。思いやりを持つことが大事だなと思っています。人と人とで成り立つ仕事なので、コミュニケーションが一番ですよね。
安達:本当にそう。自分で物事を決められるぶん、迷うことも多いんです。だから、ある程度は信頼できる方にお任せして、それを受け入れる心が大切。正直、「俺はこう思う」と発信すれば、その意見が通って決まるんですよ。でも、そればかりやっていると自分でもわからなくなってきてしまうので、スタッフさんと一緒に安達祐人を作り上げていけたらいいなと思っています。

ーーお二人はもともと人に何かを任せることに抵抗がないタイプですか?
Aile The Shota:あります!
安達:事細かくあります!
ーーでも、それを乗り越えて今がある?
Aile The Shota:トライアンドエラーですね。「今回は10あったら4任せてみようかな」と。しかも、分野によっても違うんですよ。この分野は任せてもいいけど、こっちは全部自分でやらなくちゃ、とか。任せてみて気づけることもあるので、ずっと正解を探しながら試行錯誤しています。でも、それもコミュニケーションですよね。コミュニケーションを取って、トライアンドエラーができる環境を作っていくという。祐人くんは? すごく優しい印象があるけど。
安達:僕はホリプロ、STAR BASEに所属する前、1年間フリーの期間があって。その期間は自分で請求書を作ったり、関係者の方とやり取りをしたりしていたんですが、そうすると音楽にかける時間がなくなっちゃうんです。だったら、その部分を誰かにお願いして、自分は違うことをしようと。あの1年はすごく学びがありましたし、その期間があったおかげで今は柔らかくなれたなと感じています。
ーーそれぞれ試行錯誤しながら活動されているのですね。お二人はステージに立つ時、楽曲を世に出す時など、自分らしさを感じるのはどんな瞬間なのでしょうか。
Aile The Shota:常に自分らしさを逃さないようにしていますね。たくさんいるアーティストの中でAile The Shotaとしてデビューして1、2年目は音楽面でアイデンティティを確立しなきゃと思っていましたが、メロディにしても、歌詞にしても、ファッションにしても「Aile The Shotaっぽいね」と言われ始めてからは変に意識することはなくなりました。素の自分でいることが“らしさ”なんだと思うんですよね。ステージングもそうで、今一番ナチュラルにやっています。
安達:僕も素ですね。
Aile The Shota:その方がいいよね。まさに、着たい服を1枚だけ着ている状態。

ーー素の自分とやりたいこと、見せたいものが近しい状態。
Aile The Shota:そうですね。それに僕はグループもやっているし、プロデュースもやっているので、アウトプットの出口を複数持てていることも大きいのかなと思います。
安達:器用ですねえ。
Aile The Shota:たしかに(笑)。
安達:僕、最近初めて演技レッスンを受けさせていただいたんですよ。その時に、他人を演じることで、逆に本当の自分が出るんじゃないかと思って。役との共通点が見つかって演技も楽しいと思ったし、違う自分が見れて、もしかしたらこれも本当の自分なのかもと思いました。
ーー実は、これまでアーティストも楽曲の世界観を届けるためにある種ステージ上で演技をしていると思っていたんです。でもお二人の話を聞くと、そうではない部分もあるのだとわかりました。
Aile The Shota:演じている方もいらっしゃると思います。でも、僕は難しい。最近のライブMCで言っているのですが、ちょっとカッコつけるくらいが一番しっくりくるんですよ。対人関係と一緒ですよね。誰かと遊ぶ時に「こういう経験をしてもらおう」とか「こう思ってもらおう」と考えるのと同じ感じで、アーティストとして必要な服を着ているくらいで、他はめっちゃ素(笑)。今からこのままライブできるくらいのスイッチの軽さなんです。
安達:わかります。すぐ押せるところにスイッチがある、みたいな。僕もステージに立つのが好きなので、このままの自分で立てます。
ーーなるほど。アーティスト活動だけではなく、普段から目線が周囲に向いていらっしゃるんですね。
Aile The Shota:そうかも。めっちゃ気にしいで、超相対的な人間なんですよ。だからめちゃくちゃ悩む。多分グループだったら辞めていますね。
安達:優しい子だなあ。
Aile The Shota:誰が言ってんの(笑)!? でもグループみたいにすぐ近くに人がずっといる状態で活動できているのは本当にすごいなと思いますよ。

待望の初タッグ、ラフなセッションから完パケへ
ーーそんなお二人が今回、新曲「Hate to LOVE YOU」でコラボをされました。もともとお互いの音楽は聴かれていましたか?
安達・Aile The Shota:もちろんです!
Aile The Shota:僕はグループ時代から知っていましたよ。ソロ活動を始めた後は、プロデューサーのMatt Cabさんと別の制作をしていた時に、「今、祐人くんと曲を作っていて」という話になり、曲を少し聴かせていただいたんですね。そこで祐人くんの曲に対するアプローチを知ったので、今回声をかけてもらってすぐに「やりたい」と返事をしました。
安達:僕は、Shotaくんが出てきた時に、「ついに、こういう子が現れたか!」と思いました。
Aile The Shota:それ、めっちゃ嬉しい!
安達:歌って踊れるソロアーティストってそんなにいないなと思っていて。音楽の知識がしっかりあって、音楽をめちゃくちゃ愛している男だと思っていたので、今回一緒に制作できてすごく学びがありました。「音楽はこうあるべきだよね」と改めて教えていただきました。
ーー「こうあるべきだよね」の「こう」とは?
安達:裏でもずっとメロディを考えていて、音楽愛がとにかく強いんです。ファッションとしてバズることを目的にするのも今の時代にはあると思うのですが、そうではないんですよね。無音でも踊っていたし。
Aile The Shota:怖いでしょ(笑)?
安達:(笑)。でも、それがShotaくんの素晴らしさだなと感じましたね。
Aile The Shota:嬉しいですね。僕はK-POPがめっちゃ好きだったので、韓国を拠点にしてグループで活動されている方をよく見ていて。祐人くんは同世代だし、「カマしてるな」と思っていました。いざお会いしてみると、甘えがないんですよね。それでいて、人に対する優しさやコミュニケーションの取り方などから「ちゃんと人間だ!」という感じがして嬉しくなりました。スターなのにちゃんと人間味があるって、魅力的ですよね。「こういう人が増えたほうがいいな」と思いました。
ーーお話を聞いていると、お二人とも優しいというのは伝わってくるのですが、他にもアーティストとしてのマインドで共通点を感じていそうです。
安達:共通点というか刺激になってしまうのですが、アイドルって作られた音楽をいかに自分たちのものにして届けるかなんですよね。僕はずっとそれをやってきた人間なので、自分で音楽を作ることはあまりやってきませんでした。でも、Shotaくんを見ていると、音楽を愛する人が音楽のカルチャーを広げていくんだなと感じて。もっと勉強しなきゃと、セッションをした時に自分に喝を入れていました。
Aile The Shota:それで言うと、ピュアかつラフにセッションできるのは共通点なのかも。コライトで入ってくれたMatt Cabさん、BBY NABEさん含めた4人でピュアかつラフな空気感を出しながら音楽が作れたのは良かったなと思います。2人ともいいアーティストだから、いいセッションができたんでしょうね。
ーーそれを踏まえると、「Hate to LOVE YOU」がこのテイストになったことに納得するというか。最初「実らない恋」というテーマだけ見た時に、重めの曲なのかと思っていて。
Aile The Shota:そうですよね(笑)。
安達:セッションで生まれた曲なので、「こういう曲を書こう」と思って作ったわけではないんですよね。その空間で作られた、その瞬間の音楽を、Shotaくんが書いてくれたDメロで包み込んでくれました。いいチーム感でした。
ーーセッションで0から作り出したのですか?
安達:先にCabさんとビートやメロディを考えていて、宇宙語でレコーディングしていたんですね。そこから歌詞を書いて、次のセッションの時にShotaくんがその場でDメロを書いてくださって。
Aile The Shota:レコーディングの日、僕はサビを歌うと聞いていたんですよ。自分で書かずに歌うことがあまりなかったので、楽しみにしていたらブリッジを作るという流れになって。「俺、今から作るヤツ!?」と(笑)。
安達:いやあ、申し訳なかったです(笑)。
Aile The Shota:いやいや。僕はその日に書いて、完パケするのも大好きなんです。アルバムでも半分くらいそう。なので「好きなヤツだ」と思いました。それに、Dメロを書けたおかげでより自分事として曲を受け取れたので、嬉しかったです。


















