旅の中で見つけた、EXILEが存在する理由 LDHの“祭り”――スペシャルゲスト満載の東京ドーム公演1万字レポート
賑やかに歌い踊った先輩達から一転、SHOKICHIプロデューサーに呼び込まれたLIL LEAGUEとKID PHENOMENONは、大人びた表情で観客を魅了。繊細なボーカルと高いダンススキルで、“Z世代の勢い”を見せつけるKID PHENOMENONが披露したのは、胸に秘めた本音を吐露するような最新曲「Mirror」。一足先にデビューし、『EXILE LIVE TOUR 2022 "POWER OF WISH"』のオープニングアクトを務めていたこともあるLIL LEAGUEは、すっかり逞しくなった歌声で、ミディアムバラード「15分」に等身大の想いを込めた。
そして「Ti Amo」のMVを連想させる劇場の映像を挟み、TAKAHIROが加入したEXILE第二章から第三章までの名曲メドレーが幕を開ける。ステージに華やかなストリングスの音色が舞い込むと、色とりどりの花で飾られたオブジェを背にして、自らもブーケを手にしたATSUSHI、TAKAHIRO、MATSU、ÜSA、MAKIDAIが寄り添いながら登場。そこに他のメンバーやキッズダンサーが続々と集まり、2011年よりも仲間が増えた“旅の先”で「Each Other's Way ~旅の途中~」を届けた。次の「Flower Song」は、レジェンド3人が勇退直前にリリースしたアルバム『19 -Road to AMAZING WORLD-』にも収録されており、2014年から世界や佐藤といった新メンバーを迎えて第四章に突入したEXILEにとって、グループの転換期を印象付ける1曲。2021年には、EXILEデビュー20周年を記念した企画「EXILE TRIBUTE」で、FANTASTICSが「Each Other's Way ~旅の途中~」と「Flower Song」をカバーしたこともあり、過去と未来を同時に体感するステージとなっていた。
それはその後の楽曲も同じく、TETSUYA、陣、岩谷、浦川、藤原が踊る「Lovers Again」にはÜSAが参加。世界、佐藤、木村が踊る「ふたつの唇」にはMAKIDAIが。橘、NAOTO、山本、神谷が踊る「Ti Amo」にはMATSUが加わり、懐かしさもありながら一段とパワーアップしたダンスで、楽曲をドラマティックに彩った。個人的に特に気になったのは、「Lovers Again」。同曲を踊ったメンバーが、「Someday(こどもバージョン)」でTAKAHIRO役を務めていた藤原や、キッズ時代からEXILEのMVに多数出演している岩谷・浦川といった“生粋のJr.EXILE”だからだ。当時のEXILEが夢を託した“子ども達”が、17~18年後、ATSUSHIとTAKAHIROの歌声を纏いながら、哀愁を帯びたラブバラードを表現していると思うと、グッとくるものがある。しかも、「Lovers Again」を共に踊ったTETSUYA、岩谷、浦川と、『ふたつの唇』を踊った木村は、「ダンスと音楽で子どもたちの夢を応援する」をテーマに掲げるユニット EXILE B HAPPYとしても活動中。彼らを通して、次世代へ脈々と受け継がれていくEXILE魂を実感した。
また、しなやかな指先の表現でNAOTOが「Ti Amo」を締め括ると、「響 ~HIBIKI~」ではAKIRA、小林、澤本、堀という高身長のメンバーが、長い手足を活かしながら、映像とリンクした幻想的なパフォーマンスを披露。TAKAHIROが「みなさん、この曲と共に素敵な思い出をたくさん作っていただき、何よりもこの曲を育てていただき、本当にありがとうございます!」と叫び、ATSUSHIが「みなさんで一緒に歌ってみませんか?」と呼びかけた「道」では、ATSUSHI、TAKAHIRO、MATSU、ÜSA、MAKIDAIと観客1人ひとりの“道”が再び重なり、大きなシンガロングに。その歌声を満足そうに受け止めると、ATSUSHIは歌詞を〈溢れ出した“みんなへの愛が”止まらない〉にアレンジして感謝を伝えた。
2001年、EXILEは歌に特化した踊らないボーカルと、ダンスに特化したパフォーマーという構成で始動した。そのため大きく分けると、メッセージが静かに心に染み入るメロディアスな楽曲と、ダンスが映えるアップテンポな楽曲という2つの顔を持つ。そのうち“歌心”を象徴しているのが、第一章からEXILEを牽引してきたATSUSHIと、第一章からのEXILEファンとして歌い続けているTAKAHIRO。この日はATSUSHIが「愛燦燦」(美空ひばり)をゆったりと歌い上げ、パフォーマーによるダンスショーケースに繋いだ。そこからはもう、一瞬たりともステージから目を離せない。EXILEは節目となるタイミングで神殿や神をモチーフにしたMVを発表する傾向があると思うのだが、パフォーマーが出揃った背後にも“神殿”のような映像が……。思わぬ演出で期待が煽られる中、ダンスソロのトップバッターを務めたのは、アクロバットやフットワークを得意とする浦川・岩谷と共に現れた、TETSUYA。サポートダンサーを引き連れてセンターステージに駆け上がった澤本は、観客の視線を全身に浴びて東京ドームを独占。憧れのドームを嬉しそうに満喫している澤本とは対照的に、小林とAKIRAはスタイリッシュなサングラス姿でメインステージに立つ。その雰囲気はターミネーターのようで、まさかあんなに激しく暴れ倒すとは。“THE RAMPAGEの参謀”山本を、“ダンスの申し子”ことFANTASTICSのリーダーも務める世界が迎え撃つ展開も白熱していたが、やはり『PERFECT YEAR Special』ではレジェンド3人の熟練技がトリを飾った。
そんな幸せな時間をさらに盛り上げるべく、後半戦は、ATSUSHIが“再会の喜び”をテーマに書き下ろしたポップチューン「Get-go!」で会場をひとつに。「VICTORY」からはフロートに乗り込み、「Someday -House Mix-」「BOW & ARROWS」「WON'T BE LONG」を手に観客のもとへと進んでいく。ドームということで座席からメンバーまでは距離があったが、どんな時でも一生懸命に踊る佐藤のダイナミックなパフォーマンスは健在で、望遠でもしっかりと伝わった。2014年に史上最年少の19歳でEXILEに加入した新星は、12年経っても変わらずに、全力で輝き続けている。それでも、本編最後の「銀河鉄道999」で先陣を切って花道に歩き出した佐藤の表情には、彼がこれまでのキャリアで得た自信と、次世代のEXILEを背負っていく覚悟が滲んでいるように見えた。
「銀河鉄道999」では、ラップで会場の熱気を掻っ攫っていったVERBAL(m-flo)を皮切りに、アンコールもスペシャルゲストが続々と登場した。中でも驚いたゲストが、トップシークレットで出演したB’zのギタリスト 松本孝弘。満を持してコラボ曲「24karats GOLD LEGACY feat. 松本孝弘」を演奏し始めると、場内はすぐにヒートアップ! 以前発表した「RED PHOENIX」でも、NESMITHがギターを弾き、SHOKICHIがドラムを叩くというバンドスタイルのパフォーマンスがあったように、EXILEとロックとの相性の良さを再確認する。その勢いに乗って、旧友 DOBERMAN INCもステージに乱入。EXILE TRIBEが大事に受け継いできた“24karats”(本物)としてのプライドを掲げて、「24karats Special Medley」(「24Karats Gold Diggers」「24Karats STAY GOLD」「24Karats TRIBE OF GOLD」「24Karats GOLD SOUL」)を駆け抜けると、いつの間にかメンバーの多くが上裸で拳を突き上げていた。意気揚々とジャケットを脱ぎ捨てる、肉体自慢達――。その鍛え抜かれた肉体はもちろんカッコいいのだが、彼らの自信に満ちた勇姿を見ていたら、開演前、このレポートで何を伝えればいいのかとあれこれ考えていたのが嘘のように、なんだか笑えてきた。自分がこれまでやってきたことに対して、もっと自信を持ってもいいのかもしれないなぁと、ぼんやり思う。
そこに流れ込むのは、オープニングの問いかけに対するアンサーを綴ったメッセージ。「笑っていてほしい、それがEXILEが存在する意味――THE REASON」。スクリーンに映し出されたその言葉が、それで良いのだと後押ししてくれた。
締めのMCでは、レジェンド3人がライブの感想や年末に控える『"EXILE 25th ANNIVERSARY BEST LIVE" ~LDH PERFECT YEAR 2026~』への意気込みを語り、ÜSAが「また帰って来てもいいですか?」と呼びかけると、客席からも温かいエールが。その様子を見守っていたTAKAHIROは、「年末は、お三方にももっとたくさんの曲に出ていただいて、懐かしい曲もやっていただいて……きっとエモいライブになると思います」とニッコリ。すかさず「セットリストもほとんど出ていただいて」と畳みかけると、“EXILE初代プリンス”の無茶振りに、レジェンド達も「は、はい(笑)」とたじたじになっていた。また、STARTING MEMBERからは陣と澤本が指名され、「EXILE好きですか!? LDH好きですか!? 僕もです!」(陣)、「みなさん、“サワ”って呼んでもらっていいですか?……ありがとうございます。嬉しいです」(澤本)と、観客とのやりとりを楽しむ。ATSUSHIから無茶振りをされた堀は、動揺しながらも、バラエティで鍛えられた無茶振り対応力を発揮して「僕の夢がこうして形になって、本当に幸せだなと思っています。この幸せな気持ちをみなさんにもたくさん届けていけるように、FANTASTICSも頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします」とコメント。最後はATSUSHIが、不安定な世界情勢や日本で起きている震災に想いを馳せて「こんな時代をEXILEと一緒に、こうして愛の波動で、どうにかしてみんなと乗り切っていけたらと心から願っています」と熱弁し、ラストナンバー「Rising Sun」へ。2011年に東日本大震災の復興支援を目的としたチャリティーソングとして制作された同曲が、約15年の時を経て、『EXILE LIVE 2026 “THE REASON”~PERFECT YEAR Special~』の夜に打ち上がった。
EXILEは、5月20日にアルバム『24karats GOLDEN BEST』のリリースを予定しており、前述した通り、年末には『"EXILE 25th ANNIVERSARY BEST LIVE" ~LDH PERFECT YEAR 2026~』(MATSU、ÜSA、MAKIDAI、ATSUSHI、AKIRA、TAKAHIRO、KENCHI、TETSUYA、NESMITH、SHOKICHI、NAOTO、NAOKI、SEKAI、TAIKIが出演)が決定している。この歌で、このダンスで、自分達の生き様で目の前にいる1人ひとりを笑顔にしたい――。そう願いながらEXILEは、25周年の集大成と、明るい未来に向かって『LDH PERFECT YEAR 2026』を突き進んでいく。
※1:https://realsound.jp/2022/01/post-949911.html
※2:https://realsound.jp/2022/09/post-1138601.html
※3:https://realsound.jp/2021/08/post-833915.html