日向坂46、『ひな誕祭』はなぜ“特別”なのか? 事前動画から地域連携まで、会場全体を巻き込む仕掛け

 日向坂46が4月4日、5日に横浜スタジアムで開催する『日向坂46 7回目のひな誕祭 ~Welcome to HINATAZAKA ROCKESTRA~』(以下、『7回目のひな誕祭』)は、グループの“今”を映し出す2日間になりそうだ。『ひな誕祭』は、もともとデビュー日を祝う周年ライブとして始まった公演だが、今では単なるアニバーサリーイベントにとどまらない。東京ドームや横浜スタジアムといった大舞台での開催を重ねながら、その年の日向坂46の到達点と、この先の可能性を示す場へと発展してきたからだ。だからこそ、『ひな誕祭』はファンにとって祝祭の場であり、グループにとってはその時々の現在地を示す重要なステージでもある。

楽曲が生み出す一体感、事前動画から始まるライブ体験

 その“特別さ”を支えているのが、日向坂46のライブの強さだ。日向坂46のライブの魅力としてまず挙げたいのは、楽曲が生み出す明るさと幸福感である。「キュン」「ドレミソラシド」「君しか勝たん」といった表題曲は、イントロだけで会場の空気を変える力を持っている。耳に残るメロディ、一度見ただけで真似したくなる振り付け、思わず声を出したくなるコールやクラップ。そうした要素が重なることで、ライブは“観るもの”から“参加するもの”になっていく。

日向坂46 『キュン』

 象徴的なのが、事前に公開されるコール動画の存在だ。たとえば『7回目のひな誕祭』に向けても「Surf’s up girl」のコール動画が公開されているが、こうした施策は単なる予習用コンテンツにとどまらない。観客に向けて、「このライブは一緒に作るものだ」と示しているからだ。日向坂46のライブは、完成されたステージを見せるというより、会場に集まった全員で空気を作り上げていく感覚が強い。近年は観客参加型の盛り上がりを武器にするアイドルグループも増えているが、日向坂46はその参加性や祝祭の空気をライブ当日だけ膨らますのではなく、開催前から育てていくのだ。その“助走”の段階からすでにライブが始まっているから、『ひな誕祭』が毎年特別なものになっていくのだと思う。

【コール動画】四期生と一緒に波に乗ろう🏄🩵ひな誕祭盛り上がっていくぞ〜!☀️【Surf's up girl】

 しかも、日向坂46のライブの魅力は、それだけではない。2025年の『ひな誕祭』は、2日間で日向坂46名義の楽曲を全曲披露し、けやき坂46時代の楽曲も含めて全114曲を披露する大規模な公演だった。

日向坂46 Blu-ray&DVD『6周年記念MEMORIAL LIVE ~6回目のひな誕祭~ in 横浜スタジアム -DAY1 & DAY2-』ダイジェスト映像

 ただ、このライブが特別だったのは、曲数の多さだけではない。DAY1には佐々木美玲の卒業セレモニーと五期生の初お披露目、DAY2には佐々木久美の卒業セレモニーに加え、卒業した一期生のサプライズ登場まで重なり、過去、現在、未来がひとつのライブの中で交差していた。情報量の多い内容を“『ひな誕祭』らしさ”として成立させたところに、この公演の意義がある。日向坂46のライブは、楽曲だけでなく、グループの時間そのものをエンターテインメントにしてきた。その集大成のひとつが、『ひな誕祭』なのだ。

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