ロックンロールで景気を良くする3ピースの新星 THE DO DO DO's、“楽しいこと”を信じ続けてきた結成からの歩み

 ロックンロールの魔法を信じてないと鳴らせない音楽だ。このサウンドとこのルック、そして1stアルバムに『MIRACLE』と名付けるセンスーーTHE DO DO DO'sの音楽は眩しい。

 THE DO DO DO'sは、N'夙川BOYSへの憧憬から生まれた男1・女2のスリーピースバンドだ。メンバーはヒノ・ヨーコ(Gt/Vo)、クハラディ・クハラダ(Gt/Vo)、アオイマジン(Dr)の3人。「はるか800光年先Sgt.Pepper‘s(サージェントペパーズ)星から千葉県に不時着したベースレスの3ピースバンド」を自称し、「ロックンロールで地球侵略!」を掲げて活動中。飛躍の一年となったのが2025年である。「Hold me baby,kiss!kiss!kiss!」のMVがあれよあれよと伸びていき、50万回再生を突破。ロッキング・オン社主催のRO JACKオーディションで優勝を果たし、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025』への出演を果たすなど、いよいよ加速していきそうな気配である。

 THE DO DO DO'sは2月にアルバムをリリースし、初のワンマンライブを含むツアーに乗り出した。「未来は明るいと思えるようなライブがしたい」ーーその志は正しい。だって昨日までの人生が全部ゴミだったとしても、明日は輝かしい未来が待っているのかもしれないのだから。(黒田隆太朗)

THE DO DO DO's、音楽体験の原点から結成に至るまで

ーー人生で一番衝撃を受けた音楽体験を教えてください。

ヒノ・ヨーコ:私は高校生の頃に聴いた、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのラストライブでの「世界の終わり」の映像です。高校生の頃の自分の気持ちって誰にもわかんないものだと思っていたけど、それをしっかり捉えたような音楽がちゃんとあるんだと思ってびっくりしました。それでTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのコピバンをやりたいと思い、ギターを買いました。

アオイマジン:私は吹奏楽をやっていたんですが、YouTubeで同世代の人のとんでもないプレイを発見した時に、私もこれを極めようという気持ちになりました。それが山崎大輝さんという打楽器奏者の方なんですが、たまたま知り合いの知り合いだったので、彼に師事してお師匠になっていただいたという経緯があります。

クハラディ・クハラダ:僕は中学校2年生の頃にYouTubeで見たLed Zeppelinのライブ映像です。ずっと邦楽を聴いてきた人間だったので、ギターが主体になってる音楽を聴いたことがなくて。リフもそうだし、J-POPにはない音だったから、「なんだこれは!?」と思いましたね。今の音楽性をやりたいと思ったきっかけです。

ヒノ・ヨーコ(Gt/Vo)

ーーそれで音源でも魂のギターソロ! と言っているんですね。

クハラディ・クハラダ:そうかもしれない(笑)。

ーーギターはLed Zeppelinを見て始めたんですか?

クハラディ・クハラダ:いや、それよりも前です。小学校6年生の時に始めたけど、その時は邦楽や親が聴いてる音楽をかじる程度でした。『こち亀』(『こちら葛飾区亀有公園前派出所』)にエアギターで金を取る回があるんですけど、その時にLed Zeppelinの名前が出てくるんですよ(笑)。それで調べてみたらハマりました。

ーーTHE DO DO DO'sの前には何かやっていたんですか?

クハラディ・クハラダ:地元でバンドをずっとやってたんですけど、喧嘩してやめました。

ーーこのバンドを結成した経緯は?

クハラディ・クハラダ:千葉にQiballという場所があって。

ヒノ・ヨーコ:プラネタリウムとかがある公共施設なんですけど。

クハラディ・クハラダ:でっかい公民館みたいな感じのところですね。それが千葉市にあって、高校生や軽音部の人たちが練習できる無料のスタジオがあるんですよ。そこで時々高校生がライブをやっているんですけど、僕がたまたま見に行ったイベントにTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのコピバンでヒノが出てて。

ヒノ・ヨーコ:それが高校3年生の夏なんですけど、その一年後にクハラが「去年の夏に見たミッシェルのコピバンのガールズバンドがめっちゃよかった」みたいなツイートをしてて。これ私じゃない? と思って声をかけたら、友達になろうって言われて。それからいきなりバンドやろうって誘われました。

クハラディ・クハラダ(Gt/Vo)

ーー結成時のドラマー、アカリンゴスターが帰還(脱退)されて、アオイさんが加入する。

アオイマジン:帰還される前からサポートでちょくちょくライブは一緒にやっていたんですけど、アカリンゴスターがバンドを離れてから、去年の12月に入りました。サポートを始めた経緯は友人の紹介です。

ーー打楽器を極めたいというところから、バンドでドラムを叩く方に変わっていくんですね。

アオイマジン:自分の経歴が結構ややこしくて。ドラムは小学生の時からやっていたんですけど、中高は吹奏楽で。その後は二年間音大受験をしたんですけど受からず。結局専門学校に二年間通って、その専門学校でドラム専攻だったんです。それで、専門学校を出て何をしようかというところで、友人の紹介で女の子のドラマーを探しているバンドがあると聞いて「やります」と。

ーーなんで女性のドラマーが良かったんですか?

クハラディ・クハラダ:構図として女1で男2のバンドはいっぱいいるけど、逆はいないから狙い目だなと。

ーーそういう打算的なとこもあるんですね。

クハラディ・クハラダ:実はあります(笑)。

アオイマジン:でも、友人から紹介を受けた時に、「女の子のドラマーを探してる」って言われたのは結構でかくて。コンセプトがあってちゃんと考えてやってるバンドなんだな、というのが紹介の段階でわかったというか。「女の子の」とついてなかったら違ってたかもって思います。なんか呼ばれた感じがしたんですよ。

アオイマジン(Dr)

N'夙川BOYSへの憧れから生まれた数々のこだわり

ーーN'夙川BOYSを彷彿させる音楽ですけど、実際に影響を受けているようですね。

クハラディ・クハラダ:もう初めから、N'夙川BOYSをやりたいからこのバンドを始めました。僕が日本のバンドのライブで一番衝撃を受けたのが、高校生の時に見たKING BROTHERSで。年始のイベントだったんですが、人の上に乗って「あけましておめでとうございます!」って言いまくってるマーヤさんを見て「やば、この人」と思って。KING BROTHERSをめっちゃ好きになった流れで、N'夙川BOYSを知ったんですよね。

ーー好きな曲を1曲挙げるとしたら?

ヒノ・ヨーコ:私は「The シーン」。

クハラディ・クハラダ:その時々で変わるかもしれないですけど、僕は「ひとりぼっちのマイクロフォン」。

ーーあと、The Beatles愛も暑苦しいぐらい出してますよね。プロフィールには「はるか800光年先Sgt.Pepper’s星から千葉県に不時着したベースレス3ピースバンド」と書かれていて、クハラディ・クハラダというアーティスト名も「Ob-La-Di, Ob-La-Da」(オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ)をもじったものだと思います。

クハラディ・クハラダ:そうです(笑)。ただ、あんまりThe Beatlesに詳しくないんですよ。でも、なんかいいかなと思って。N'夙川BOYSもメンバーの名前をちょっと変えたりしてるんで、そういうひねりがあったらおもしろいかな、みたいな感じでつけています。

ーービジュアルの雰囲気もそうですけど、ロックンロールをやる上でステージ上のペルソナを作っている感じがしました。

クハラディ・クハラダ:やっぱり聴いてきたロックンロール系のバンドにそういうのが多かったから。N'夙川BOYSもそうだけど、例えば50回転ズも「大阪府富田林にあるとされるロックンロール少年院にて結成された奇跡の3人組」という設定がちゃんとあるんで。

ーー改めて聞くとやばいですね。

一同:(笑)。

ヒノ・ヨーコ:やばいよ(笑)。大の大人がさ、真面目にやってるのがいいよね。

クハラディ・クハラダ:そういうコテコテな設定があるバンドは今あんまりいないからおもしろいかなって。このバンドをやる上ではそういう設定的なところが欲しかったとは思います。

ヒノ・ヨーコ:たぶんクハラが元々やっていたバンドでは、結構ストレートにクハラの好きなロックンロールをやっていて。(THE DO DO DO'sは)その裏バンドみたいな、ちょっとおふざけバンドっぽいニュアンスで始まったところはあるのかな。マーヤさんがKING BROTHERSであんなブチギレたライブをしてるのに、N'夙川BOYSではマーヤLOVEでやってるみたいな、そういうユーモアから始まったところがある気がします。

ーーベースレスであることへのこだわりもあるんですか?

クハラディ・クハラダ:そうですね。元からベースは入れないつもりでバンドを始めたので。やっぱN'夙川BOYSもベースがいなかったし、The White StripesとかThe Jon Spencer Blues Explosionとか、僕が好きなバンドはほとんどベースがいないんです。

ーー珍しいですね。音楽好きは低音が好きな人が多い気がします。

クハラディ・クハラダ:俺、低音あんまり好きじゃないのかも。既存のことをしたくなかったというか。普通の編成はみんなやってるし、ベースがいないことをできるのはここら辺じゃ自分しかいないんじゃないか、みたいなところもあったかなと思います。

ーールーツと別にこの1、2年でのめり込んでるロックンロールはありますか?

ヒノ・ヨーコ:Carsick Carsという中国のポストパンクのバンドがめっちゃいい。あとは久しぶりにジェームス・チャンスを聴いたらかっこいいと思った。結構パンクとジャズの境目みたいなバンドが好きです。

アオイマジン:私はThe Whoです。ずっと聴いてきたわけではなかったんですけど、最近聴いてカッコいい! って思いました。ドラマーのキース、やっぱカッコいい。

ヒノ・ヨーコ:キース・ムーンいいよね。

クハラディ・クハラダ:僕は逆にロックンロールにあまりのめり込まなくなったかもしれない。今K-POPにめっちゃハマっていて、Red Velvetを聴いています。あとはaespaとかILLITとか、割とそこら辺ですね。

ーーK-POPからの影響が、ご自身の音楽に反映されているところはありますか?

クハラディ・クハラダ:いっぱいあります。最近の楽曲には要素としてめっちゃ入ってますね。ギターでコピーしてみるんですよ。K-POPにはギターがないサウンドもあるけど、意外とコードは単純だったりして、基本ループみたいな感じなのでロックと相性いいやんけ、みたいな。シンセベースはギターのフレーズっぽかったりするのがあるので、それをギターで弾いてみたりするんですよね。

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