嵐、Mr.Children、BLACKPINK、ASIAN KUNG-FU GENERATION、ヨルシカ、STARGLOW……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は嵐「Five」、Mr.Children「産声」、BLACKPINK「GO」、ASIAN KUNG-FU GENERATION「おかえりジョニー」、ヨルシカ「千鳥」、STARGLOW「Green Light」の6作品をピックアップした。(編集部)

嵐「Five」

 3月13日から始まるツアー『ARASHI LIVE TOUR 2026 「We are ARASHI」』をもって活動を終了する嵐の、約5年ぶりとなる新曲。作詞作曲はHIKARIと石塚知生。過去にいくつもの名曲を担当してきたこのタッグは、てらいなくJ-POP王道をまっすぐ提示することでグループへの餞としたのだろう。歌をメインにした爽やかなアレンジも、軽やかで明るく、切ないけれど前向きなメロディも、まさに嵐らしいとしか言いようがない。度肝を抜く音楽的変化球は控えめ、常に万人に開かれたポップスがこれまでも多かった印象があるが、それこそが5人が見せてきたエンタメの美学だったことを今改めて思い知る。別れをテーマにした歌詞も、ストレートだが、あくまで前向きな余韻を残している。(石井)

Mr.Children「産声」

Mr.Children「産声」MUSIC VIDEO

 3月25日にリリースされるニューアルバム『産声』のタイトルトラック。二拍三連の心地よいリズム、大らかに広がるサビのメロディとともに描かれるのは、生まれては消えていく命の繋がりを描いた歌詞。“輪廻転生”という言葉が頭をよぎるが、そこに理屈っぽさや大げさな感じはなく、「自分は大きな生命の連なりのなかにいる」という感覚がナチュラルに伝わってくる。それを象徴しているのが〈君がここにいるってこと/それだけで奇跡なんだよ〉というラインだろう。ホーンセクションを取り入れた華やかなバンドサウンド、抑制の効いた平歌からはじまり、一気にテンションを高めていくボーカルを含め、現在のMr.Childrenの躍動がダイレクトに感じられる楽曲だと思う。(森)

BLACKPINK「GO」

BLACKPINK - ‘GO’ M/V

 近年はメンバーそれぞれのソロ活動が目立っていたが、昨年からワールドツアーが始まり、なんと3年5カ月ぶりのカムバック。3rdミニアルバム『DEADLINE』は、もはやK-POPクイーンという枠を超えて世界に君臨する女帝の貫禄が漂う内容である。中でもタイトル曲「GO」はEDMとHIPHOPをベースとしたナンバーで、強さと可愛らしさ、まさに“BLACK”と“PINK”が混ざり合う4人特有の世界観。英語オンリーの歌詞も難しいものではなく、繰り返される〈BLACKPINK’ll make ya〉と〈GO〉のコールは世界中のファンを鼓舞する合言葉になりそうだ。宇宙への航海を思わせるMVも凄まじいスケール。船を漕ぐ道具である櫂を、ここまでカッコよく描いた映像は見たことがない。(石井)

ASIAN KUNG-FU GENERATION「おかえりジョニー」

ASIAN KUNG-FU GENERATION『おかえりジョニー』Music Video

 後藤正文(Vo/Gt)を中心とするNPO法人「アップルビネガー音楽支援機構」が作った静岡県の音楽制作スタジオ「MUSIC inn Fujieda」。そこで制作された『フジエダ EP』からの先行配信で、クラムボン・原田郁子がコーラス参加する一曲。「ジョニーって誰?」と思うが、歌詞を見れば〈エリー〉や〈笑ってもっとベイビー〉などの言葉が散りばめられており、かつて『サーフ ブンガク カマクラ』で見せたようなサザンオールスターズオマージュなのだろう。穏やかなミドルテンポ、ひりついたところのない演奏、困難も飲呑み込んでささやかな希望を描き出す歌詞など、全体に大人ゆえの余裕と慈愛を感じる。デビュー当時のアジカンが青春だった、そんな主人公の今を描くMVも切なくて最高。(石井)

ヨルシカ「千鳥」

ヨルシカ - 千鳥(OFFICIAL VIDEO)

 n-buna(Gt/Composer)執筆による書簡型小説『二人称』(講談社)を音楽として昇華した同名ニューアルバム。“詩を書く少年”と“文学を教える先生”の2人の文通のやりとりを軸にした小説に出てくる詩を一つひとつ楽曲にしていくというのが本作の基本的な構造なのだが、一方でこのアルバムはn-bunaの音楽的志向、もっとシンプルに記すと「こんなサウンドが好き」という純粋な衝動も反映されている。その2つが絶妙なバランスで合わさったのが、リード曲の「千鳥」だ。どこまでも晴れやかで、ロマンティック。しなやかなファンクネスを感じさせるサウンドと歌うことの楽しさを全開にしたsuis(Vo)のボーカルも相まって、聴く者の心と身体を揺らしてくれる。この曲がアルバムでどんな役割を果たしているかは、ぜひあなた自身で確かめてほしい。(森)

STARGLOW「Green Light」

STARGLOW / Green Light -Music Video-

 BMSG主催オーディションから誕生したダンス&ボーカルグループの新曲「Green Light」は、彼らを生んだオーディションプロジェクト『THE LAST PIECE』の課題曲で、90年代オルタナティブロックを想起させるギターのリフレインを軸にしたナンバー。サビではドラムンベース的なビートが鳴り響き、一気に疾走感がアップ。きわめてシンプルなトラックだが、何度聴いても発見があり、ずっと聴いていたくなる中毒性がたっぷり込められている。5人のボーカル、ハーモニー、ラップが自在に飛び交う構成も魅力的。メンバー全員の個性を強調しつつ、グループとしての総合力をアピールする機能もあり、〈僕だけの未来が/もうそこにあるんだ〉というラインにしっかりと説得力を持たせている。「Green Light」を含む2ndシングル『USOTSUKI』は4月1日リリース。快進撃のスピードはさらに上がっていくことになるだろう。(森)

嵐、“ラストツアー”で松本潤は何を届けるのか 最後だからこそメンバーの希望を汲み取り叶えるという信頼

いよいよ嵐の5大ドームツアー『ARASHI LIVE TOUR 2026 We are ARASHI』の開幕が3月13日に迫るな…

嵐はギリギリでもドダバタでも“楽しい” ラストライブに向けて多忙な日々を駆け抜ける姿

2026年3月から始まる嵐のラストツアー。着々と近づいているツアーに向けて、多忙さが極まっている印象すらある嵐のメンバーたちの直…

関連記事