TOMORROW X TOGETHER、変化を受け入れる強さ、明日へ贈る永遠の歌 2度目の東京ドームで見せた“幸せ”とは何だったのか

 TOMORROW X TOGETHERの初の日本5大ドームツアー『TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR <ACT : TOMORROW> IN JAPAN』。1月22日の東京ドーム公演、スクリーンに映る時計の針が巻き戻っていき、明るくなったステージにはナポレオンジャケットをまとったSOOBIN、YEONJUN、BEOMGYU、TAEHYUN、HUENINGKAIが立っている。そこから歌われたのは、バラード調にアレンジされた「ある日、頭からツノが生えた (CROWN) [Japanese Ver.]」。2019年に発表されたデビューミニアルバム『The Dream Chapter: STAR』のタイトル曲の日本語バージョンで、バックにはデビュー初期のあどけない彼らの映像も映し出される。一方で、ステージにいる5人の眼差しはとても凛々しい。大人になった、と思う。

 本ツアーは、グループ4度目のワールドツアーの日本公演にあたる。遡ること約5カ月前、昨年8月22日に韓国・ソウル高尺スカイドームにてワールドツアーは幕を開けた。その初日公演では、5人全員がBIGHIT MUSICと再契約をしたことがメンバーの口から語られた。今回のツアータイトルの『ACT : TOMORROW』には、「約束した明日に向かって一緒に進む」という意味が込められているという。つまり、TOMORROW X TOGETHERとMOA(ファンの呼称)が一緒に過ごす時間がこれからも続いていくことを伝えるツアーなのだとも解釈できる。

SOOBIN

 公演では、そんなふうに彼らが永遠の約束を交わすような瞬間が何度もあった。1曲目の「LO$ER=LO♡ER」で、メンバーは二手に分かれて左右からトロッコで登場。大歓声で彼らを迎え入れるMOAたちに近い距離で挨拶をし、センターステージに降りたあとは「きっとずっと (Kitto Zutto)」、「5時53分の空で見つけた君と僕[Japanese Ver.]」と続いていく。〈魔法よ解けないで〉のフレーズが、今日の特別な時間がずっと続いていくことを願うように響きわたっていた。

YEONJUN

 TOMORROW X TOGETHERが約7年間でリリースした作品は、タイトル曲だけでも日本と韓国をあわせて19曲におよぶ。ライブはグループの歩みを集約したようなセットリストで、「Danger」、「Upside Down Kiss」といったクールなダンスパフォーマンスが際立つブロック、「Growing Pain」、「Farewell, Neverland」、「0X1=LOVESONG (I Know I Love You)feat. 幾田りら [Japanese Ver.]」といった、大人になる過程で抱える葛藤、不安、傷みといった心情を歌ってきた楽曲群が披露されるブロックと続いていった。こうして見ていくと、彼らが多岐にわたる音楽ジャンルの楽曲を通して表現力を磨いてきたことがよく分かる。

BEOMGYU

 そして、その集大成を見せたのが、メンバーのソロステージだろう。4thアルバム『The Star Chapter: TOGETHER』より、TAEHYUNは「Bird of Night」で会場を幻想的な空間に包み、SOOBINは「Sunday Driver」を軽やかに届け、HUENINGKAIは「Dance With You」でダンサーとともに魅惑的なステージを作り上げる。YEONJUNは同作収録の「Ghost Girl」に加えてソロアルバムより「Talk To You」をエネルギッシュに歌い上げ、BEOMGYUは昨年3月に配信リリースしたソロ曲「Panic」をあたたかく歌唱。“五者五様”のステージが、メンバーそれぞれの成熟を感じさせた。また、東京ドーム公演ではHUENINGKAIが大好きなアニメだという『ハイキュー!!』(毎日放送/TBS系)より『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』の主題歌「オレンジ」(SPYAIR)をカバーするサプライズもあった。

TAEHYUN

 少年から大人へと成長した5人が、ライブの終盤で届けたのが「Where Do You Go?」だ。昨年リリースの日本3rdアルバム『Starkissed』の収録曲であり、〈行けるよ どこでも/これは君の story〉と歌うエールソング。TOMORROW X TOGETHERはこんなにも明るいメッセージを歌うようになったのだ。何が彼らを強くさせたのかと言えば、それはMOAの存在にほかならないだろう。筆者がこの曲の生パフォーマンスを観たのは昨年11月の『MUSIC EXPO LIVE 2025』、本ツアーの埼玉公演に続き3度目だったが、当時より会場の掛け声も一体感が増していた。その事実が、彼らとMOAの強い絆を感じさせる。MOAにとってTOMORROW X TOGETHERが救いになるように、5人にとってもMOAの存在が救いになってきたに違いない。

HUENINGKAI

 “名前を呼ぶこと”を通じてともに互いを救い合い、世界を救うストーリーを描いた『The Star Chapter: TOGETHER』のタイトル曲「Beautiful Strangers」の日本語バージョンを経て、本編のラストに披露されたのは「星の詩 [Japanese Ver.]」。歌唱前に、BEOMGYUは「僕たちがどこにいても、5人とMOAが一緒だという事実は変わりません」と語った。〈呪文〉や〈誓い〉といった過去曲も想起させるフレーズが散りばめられたこの曲を、5人はMOAに寄り添うように歌い届ける。客席では、無数のMOA棒(ペンライト)がきらきらと輝いている。まるで星空のようだ。メンバーが「一緒に!」と客席にマイクを向けたのを合図に、5人とMOAは〈一緒に歌う僕ら〉になる。同じメロディを奏でることで、離れていても繋がっていることを互いに分かち合う時間だった。

 アンコールの曲目は日替わりとなっており、この日は「Thursday's Child Has Far To Go」、「Force」「Happily Ever After」、「Heaven」、「MOA Diary (Dubaddu Wari Wari) [Japanese Ver.]」、「Miracle」と続いていった。いよいよ終幕――といったところで、MOAからの止まらない歓声に5人は顔を見合わせる。話し合いの結果、日本オリジナル曲「Ito」を急遽追加でパフォーマンス。最後の最後までMOAからの愛を受け取り、自身も返していくのがなんとも彼ららしい。

 アンコールを終え、ステージから去る前にSOOBINは「幸せすぎる2日間でした」と語り、YEONJUN、BEOMGYU、TAEHYUN、HUENINGKAIも誇らしげな笑みを浮かべていた。MOAの近くで、互いに名前を呼び合う時間。それが彼らにとってかけがえのない幸せなのだろう。明日を超えて、TOMORROW X TOGETHERとMOAによる永遠のメロディは紡がれ続けるのだ。

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