UVERworld、25年経っても変わらない音楽への想い TAKUYA∞・真太郎、ドーム公演や忘れられない出来事を振り返る
UVERworldが2025年、結成25周年・デビュー20周年のアニバーサリーイヤーを迎えた。夏にはアルバム『EPIPHANY』をリリースし、6年ぶりとなる東京ドーム公演『UVERworld LIVE “EPIPHANY” at TOKYO DOME』では熱気あふれるライブパフォーマンスで進化を続けるバンドの現在地を堂々と鳴らしてみせた。そんなドーム公演や、オーストラリア・シドニーでのMV撮影の模様を映したドキュメンタリーライブフィルム『UVERworld THE MOVIE: 25 to EPIPHANY』も現在公開中。同作を皮切りにしながら、改めて25年間のUVERworldの活動を振り返るべく、TAKUYA∞(Vo)と真太郎(Dr)に話を聞いた。(編集部)
UVERworld、“原点”を大切に駆け抜けたアニバーサリーイヤー
――ライブフィルム『UVERworld THE MOVIE: 25 to EPIPHANY』は、2025年の東京ドーム公演(『UVERworld LIVE “EPIPHANY” at TOKYO DOME』)の模様を臨場感たっぷりに楽しむことができます。一方で、いろんな葛藤を抱えながらここまで歩んできたこともわかります。特に劇中、2019年の東京ドーム公演について振り返り、クオリティが高かったことから「やめること」も考えたとおっしゃっていましたね。
TAKUYA∞:2019年の東京ドームは準備もしっかりしていたので、それが結果としてついてきたものでした。一方で、自分の好きなアーティストは大体、一番いい状態で解散していたので、当時は自分もそれを重ねていました。ただ、それから自分たちが外に打ち出したい楽曲が何曲もできていったので、「これからもいいライブができる」と思いながらステージに挑むことができるようになりました。
真太郎:2019年の東京ドームは「この先、これをどう超えたらいいのか」というくらい、素晴らしいライブでした。自分たちのモチベーションもすごくよかったので、当時のTAKUYA∞くんがそう思ったのも納得できます。でもTAKUYA∞くんはそう言いながらも、きっとまた気持ちが盛り上がってくるはずだと感じていました。
TAKUYA∞:シンプルに音楽が大好きだし、バンドも大好き。誰かに言われて始めたわけでもなかったものだし、もともとはライブハウスでライブをするためなら、自分たちでお金を出したいくらいでしたから。音楽に対する捉え方は今も昔も変わっていないです。たとえば次のライブで、「ライブをやりたかったらお金を払わなければいけない」と言われたら、払います。それくらいライブは楽しい。こっちがチケット代を払ってでもやりたいです。
真太郎:2019年の東京ドームのあと、コロナ禍でライブができなくなる時期が来たのも「またライブがやりたい」と強く思うきっかけになりました。お客さんを通常の半分にしてライブをしたり、配信ライブをしたり。そういうなかで、「これまでライブをしていたことが、こんなに貴重だったんだ」という気持ちになりました。それを乗り越えて今がありますから。
――『UVERworld LIVE “EPIPHANY” at TOKYO DOME』では、各メンバーが初めて手にした楽器を持ち寄って演奏する印象的な場面も見られました。
TAKUYA∞:ライブでは初めて買った自分のマイクを使いましたが、あれは本当にどこにでも売ってるもの。当時はそれをレコーディングやライブで使っていました。久しぶりにそれを見つけて持っていって、演奏をした瞬間になんかドラマチックな演出になりました。そのドラマチックさは狙ったわけではなく、ステージで歌いながらなんとなく気づいたんです。
真太郎:僕は父親からもらったドラムの一部を使いました。自分たちで昔作ったUVERworldのロゴが貼ってあったものを、うちの母親が残していたんです。「いつまでこんなん取ってんの?」とずっと言っていたんですけど、母親は「どう捨てたらいいかわからへん」って。まさかそれを引っ張り出して、東京ドームで使うことになるとは思ってもいませんでした。ただ、TAKUYA∞くんが言うように、あの当時も今も音楽をやる楽しさはまったく変わらないです。ライブ前はやっぱり緊張するし、でも楽しいだけじゃないから余計におもしろい。
――原点を忘れないという点で、2025年は印象的な出来事もありました。6月の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で生中継ライブを披露されましたが、その中継先がバンドの地元・滋賀県のライブハウス B-FLATでした。集まった観客の熱気もすごかったですし、なによりUVERworldの原点や初期衝動を忘れない姿勢が感じられました。
TAKUYA∞:番組出演とちょうどタイミングが合って、自分たちとしてもよかったです。ファンのみんなも緊張気味でしたね、『Mステ』に出るから。
真太郎:デビューしてからもB-FLATでライブをさせてもらっているし、やるたびにあの熱い雰囲気になります。だからB-FLATでライブをやるのが好きなんです。そういう場所でライブをやるタイミングと出演がたまたま重なり、全国のお茶の間に届けることができたのは本当によかったですね。
――しかし一方で、ライブ時にTAKUYA∞さんは孤独を感じながら活動していたことも話していらっしゃいましたね。
TAKUYA∞:今はそういう孤独感は全然ありません。ファンのみんなの気持ちも伝わってくるので、ライブの後で一人でいようとなんとも思わないです。でもデビュー当時は孤独をよく感じていたかもしれません。結局、考え方一つだったんです。自分が孤独を感じている瞬間も、ファンのみんなはサブスクやYouTubeでUVERworldの曲を聴いて、想いを馳せてくれていたことに気づけてからは、孤独感はなくなりました。
真太郎:たしかに曲やアルバムを作っているときは、カンヅメ状態になることも多いし、孤独と言えばそうなのかもしれません。制作期間が長くなると、ライブでもらったエネルギーやみんなが喜んでいる姿をどうしても忘れがちになるんです。でも制作が終わって音源も完成し、そしてツアーやライブへ行くと「こうやってみんなが待っていてくれていたんだな」と思い出せるんです。