“素の稲垣吾郎”が現れる場所 クールでお茶目で愛される人柄が大爆走――ラジオでの無防備な姿

 そんな濃厚なワークショップの翌日、演出家のエリック・ローマスから「『ハリー・ポッター』の世界について、何か感じたことはありますか?」と感想を求められたのだそう。子どもの頃から『ハリー・ポッター』シリーズファンだったという松井玲奈をはじめ、共演者みんなが瞳を輝かせながら順番に言葉を紡いでいく。その流れに乗って関町もなんとか思いを語ることができたのだと振り返る。

 そして、いよいよ最後に稲垣が発表する番に。何を話すのかと注目していたら、「『あ、僕は大丈夫です』って断ったんですよ!」と大笑い。すると、稲垣が「あれ、面白かったでしょ?」となぜか得意げに。関町から「めちゃくちゃ面白かったです」と言われると、さらに「だってさ、ない場合があるじゃん。人によるじゃん!」と強気に主張を続けるのだった。

 驚きと戸惑いに包まれた現場を「めちゃくちゃ面白かった」と振り返った関町。無理して自分をよく見せようとしたり、その場しのぎで頑張るのではなく、嘘のつけない自分をさらけ出す。そんな稲垣らしい言動に、関町は心のなかで「うわー! 行けー! これぞ吾郎さん!」」と思っていたのだと笑った。

 一方で、稲垣は共演者たちと「もっと喋りたい」という気持ちを抱えていることも打ち明ける。人見知りな性格ゆえに「ぐいぐい行けない」と苦笑するが、それもまた彼の素直な一面だ。準備運動の話題になると「やらなきゃダメだよ」と語りつつ、実際には一度も参加していないことを関町から暴かれる場面もあり、「大丈夫、通じ合ってる!」と強がって笑いに変えてしまう。この軽妙さは、ラジオだからこそ光る魅力だ。

 そんなクールな佇まいの奥に、実はとても細やかな気遣いがあることもラジオから感じ取れる。実際に関町は「セリフの時に稲垣さんが表情を作って付き合ってくれた」と語り、本番前にはハグや円陣にも参加していたと明かした。一見すると他者と距離を置いているように見えて、実際はしっかり仲間の輪に加わっている。そんなバランス感覚のよさも、彼の人柄を物語っている。

 『THE TRAD』の稲垣は、役を背負っていないありのままの反応が随所に覗く。ちょっとした読み間違えで笑いを生み、茶目っ気ある反応で場を和ませ、時に人見知りな素顔を自分から明かしていく。アイドルとしての華やかさ、俳優としての円熟した佇まいとはまた異なる、聴いている人の心を不意に掴む“素の稲垣吾郎”がそこにいる。

 7年目に入った『THE TRAD』は、ますますリスナーにとって彼の人柄に触れられる場となるだろう。クールさとユーモア、人懐っこさとマイペースさ。そのすべてを自然体で見せる稲垣吾郎のラジオに、これからも期待している。

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