SB19、フィリピン発の5人組が生み出す圧倒的な熱気 日本公演で届けたA'TINへの感謝
4月にリリースされた3rd EP『Simula at Wakas(シムラ・アット・ワカス)』を携えたワールドツアー『Simula at Wakas World Tour』を開催中のSB19。その日本公演が、9月24日に東京・Zepp Haneda (TOKYO)にて行われた。
SB19は、パブロ、ジャスティン、ケン、ジョシュ、ステルから成る、フィリピン発の5人組ボーイズグループ。2018年のデビュー以降、フィリピンの母国語であるタガログ語と英語を織り交ぜた多彩な楽曲、確かなパフォーマンススキルで人気を集めてきた“P-POP”の立役者的な存在である。2019年には楽曲「Go Up」がSNSで拡散されバイラルヒットとなり、グループの名を一気に世界中に知らしめた。本公演で、昨年4月に行われた『PAGTATAG World Tour : Japan』に続く、自身2度目の来日を果た。
開演前のスクリーンには砂時計の映像。その砂が完全に落ち切ったところでライブがスタートし、白いローブをまとった人物が大勢ステージに現れる。全員がフードをかぶっているため、顔はよく見えない。『Simula at Wakas』の1曲目に収録されている「DAM」が鳴り響き、荘厳な雰囲気が増していったところで、ステージにメンバーと思しき5人の人物のみが残る。そのまま「DAM」の披露に移るかと思いきや、5人も一度ステージを去り、「What?」を歌いながらメンバーが1人ずつ再登場するという意外性のあるオープニングだった。
「Mana」でダンサーとともに躍動感のあるステージを届けた後、SNSでダンスチャレンジが大流行した「GENTO」へ。全身のエネルギーをぶつけるかのような力強い歌唱、迫力のあるダンスに圧倒される。メンバーが「Everybody, say!」と呼びかけると〈Gento〉のフレーズをA'TIN(ファンの呼称)が高らかに叫び、序盤にして会場は大盛り上がりとなった。
「Moonlight」はR&B調のアレンジが施されており、5人は伸びやかな歌声で原曲よりゆったりとしたメロディを紡いでいく。スクリーンには星空が浮かび、幻想的な光景が広がっていた。ピンク色の照明が甘い雰囲気醸し出した「I WANT YOU」、JVKEの大ヒット曲にリミックスバージョンで参加した「golden hour」に続き、「WYAT」はステルが曲中のフレーズを1人歌い上げる形で幕開け。原曲と異なるアレンジや演出と、ライブならではの魅せ方で楽しませてくれたブロックだった。
『Simula at Wakas』収録の「DUNGKA!」を皮切りに、ライブは再びアグレッシブなモードに突入。「Bazinga」「8TonBall」「CRIMZONE」と次々にアッパーチューンを展開し、A'TINを熱狂の渦に巻き込んでいく。
映像を挟んで、ブラックの衣装に着替えた5人は椅子に座り「Nyebe」を歌唱。緩急あるセットリストが観る者を飽きさせない。また、その後も「Time」とバラードが続き、静かながらも熱のこもったボーカルが、あらためて5人の歌唱力の高さを感じさせた。本当の自分を追い求めるようなメッセージに胸が打たれる「ILAW」、ケンが手掛けたロックナンバー「Quit」を経て、「GENTO」とともにYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』出演時にも歌唱した「MAPA」へ。どこか懐かしいメロディが親しみやすい、家族への感謝が詰まったバラードだ。〈La-ta-ra-ta-ra〉のシンガロングも発生し、会場はあたたかな雰囲気に包まれていた。
ポップチューン「Shooting for the Stars」をダンサーと一緒に披露し、まぶしい笑顔を見せた5人は「FREEDOM」でサインに応じたり、言葉を交わしたりと、A'TINとの特別な時間を楽しんでいく。そして、最後に届けられたのは「SLMT」。曲のラストを5人は日本語で歌い繋ぐ。“ありがとう”“あなたがいてくれるから” ――A'TINへの想いを歌に乗せて届け、5人はステージを後にした。
スクリーンに流れ始める映像。ライブのなかでも映像が随時挟まれていたが、それが巻き戻っていくようなものだ。そして再び、「DAM」のイントロが鳴り響く。ライブの冒頭でお預けとなっていた「DAM」が、ついにここでパフォーマンスされたのだ。『Simula at wakas』は英語で“beginning and end(始まりと終わり)”を意味する、新たな物語の始まりと終わりをテーマにした作品である。そんな作品にちなんだ、始まりと終わりを繋げるような演出でライブは幕を閉じたのだった。
統一された世界観で没入させ、多彩なテイストの楽曲を巧みなラップから伸びやかなボーカルで聴かせる、SB19の高いパフォーマンス力が示されたライブだった。これからもSB19は進化を遂げながら、世界の音楽シーンへ存在を高めていくことだろう。彼らから今後も目が離せない。
東京公演セットリスト プレイリスト:https://smji.lnk.to/SB19SawWTTokyoSetlistRE
東京公演ハイライト:https://www.instagram.com/reel/DPF3gP2kbeN/
■リリース情報
【国内盤情報】
SB19『Simula at Wakas | シムラ・アット・ワカス』
発売中:https://smji.lnk.to/SB19SimulaatWakasJPNCDRE
【初回仕様・特典】
通常盤1CD / 2,600円(税抜)/ 歌詞対訳・メンバー直筆の各曲説明&メッセージ付き / ボーナス・トラック/フォトカードランダム封入(全5種のうち1種ランダム封入)
収録曲
1. DAM | ダム
2. Time | タイム
3. 8TonBall | 8トンボール
4. Quit | クイット
5. Shooting for the Stars | シューティング・フォー・ザ・スター
6. DUNGKA! | ドゥンカ!
7. DAM (Extended) | ダム (Extended)
8. GENTO (SAW CONCERT VER.) | ゲント (SAWコンサートバージョン)
■関連URL
YouTube:https://www.youtube.com/@officialSB19
Instagram:https://www.instagram.com/officialsb19
TikTok:https://www.tiktok.com/@officialsb19
X:https://x.com/SB19Official