BE:FIRSTとSKY-HIとの戦いを経て選ばれたファイナリスト10人　笑顔と涙を抱えて『THE LAST PIECE』最終審査へ

　BMSGの新たなボーイズグループ結成へ向けたオーディション『THE LAST PIECE』Ep.11が、9月5日に公開された。

　6次の「VS プロアーティスト審査」では、憧れの存在であるBE:FIRSTと真正面からぶつかり合った候補生14人。彼らが次に挑むのは、「At The Last」with SKY-HI――。常に自分たちの行く道を照らし、その背中を追いかける存在でもあったSKY-HIと肩を並べ、本オーディションの主題歌を同じステージでパフォーマンスするのだ。

　このパフォーマンスは、審査にはほとんど影響しないとされているが、候補生たちはもちろん本気で挑む。振り付け担当のTAIKI、REN、YUTA、KANTAは、SKY-HIが綴った歌詞の意味を丁寧に汲み取り、オリジナルの振り付けに落とし込んでいく。さらに、過去の合宿での思い出の場所である“海”の要素も振り付けに取り入れられ、まさにオーディションの集大成となるパフォーマンスが完成していくのだった。

　一方、選ぶ側であるSKY-HIの苦悩は、審査を経るごとに深まっていた。年少組のAOI、HAL、RYOTOには「新しい世代の何かができそうだと感じる」と想像を膨らませ、GOICHI、TAICHI、RAIKI、REN、YUTA、KEIも「実力だけじゃなくてプロ意識が目に見えてついてきている」と評価。そして、TRAINEEとして長い期間育て、ともに過ごしてきたRUI、TAIKI、KANONについては、「頭ひとつ抜けてるのは事実だけど、必ずしも（3人が）同じタイミング、同じグループでデビューすることだけが本当にゴールなのかを考えないといけない」と、あくまでもフラットに評価を下す必要があることを、あらためて自分に言い聞かせる。

　そんななか、本番前日には“SKY-HI流ぶつかり稽古”がスタート。「一緒に歌うならば喰いにきてほしい。俺の曲で、俺からマイクを奪う。俺から主役を奪う。リスペクトし合ったうえで、自分のエゴを100％出してほしい」と伝え、一人ひとりと至近距離で向き合い、一対一で気持ちを引きずり出していく。SKY-HIの気迫に満ちた視線や表情、声が候補生たちの胸を熱くする。候補生たちは、目の前のSKY-HIに食らいつくような勢いで、感情をさらけ出す。最高潮に熱量の高いパフォーマンスに仕上がったところで、「明日、伝説を作りましょう！」というSKY-HIの宣言でレッスンは締めくくりに。たしかな手応えと期待感を残して、本番を迎えることとなった。

　そして、14人で過ごす最後の夜。SKY-HIを待っていたのは、候補生からのサプライズの手紙だった。

「今まで味わったことない成長を感じられたし、もっと音楽が好きになりました」（ADAM）

「吃音症を関係なく人間性や音楽だけで評価してくださって、今までの人生が救われたと感じてます」（KANTA）

「TRAINEEになって何もかも変わり、音楽を純粋に楽しめている感じがしました。今この瞬間も夢のようです」（TAICHI）

「社長が僕の人生を色鮮やかに変えてくれました。こんなに最高の人生はほかにありません。もらった恩は、倍以上で返します」（REN）

「命を懸けて僕たちを導いてくださる日髙さんの想いに必ず応えたいし、日髙さんのように受け取った愛を何倍にも大きくして誰かに届けられるアーティストになります」（KEI）

「嫌いだった自分のことを愛せるようになったのは、間違いなく日髙さんがいつもくれる言葉や環境だと思います」（YUTA）

「毎回の審査や練習の時に相談に乗ってくれたり、アドバイスをくださってありがとうございます。日髙さんからの嬉しい言葉にいつも感謝しています」（AOI）

「新しい自分をたくさん見つけて、自分に自信が持てるようになりました」（HAL）

「自分もひとりのラッパーとして本物のアーティストになります。前ではなく横でともに歩いてくださっているような感覚があるので、置いていかれないように走り続けます」（GOICHI）

「AAAさんのライブ映像を観て始まった夢が、今では日髙さんのもとで追う夢になっていることが嬉しいです」（RAIKI）

「僕が最後に成し遂げなければならないことは、SKY-HIを超えることです。僕は日髙さんの誇りになりたいです。これからもかまし続けます。愛してます、日髙さん」（TAIKI）

「絶対にデビューを勝ち取って、たくさんの恩返しと愛を倍にして返したいと思います。日髙さんとは思い出がありすぎて、本当にパパです」（RUI）

「今までいただいた日髙さんからのお褒めの言葉が、ステージでの僕の自信になりました。明日は主役を全力で取りにいくのでよろしくお願いします」（RYOTO）

「BMSG TRAINEEになってたくさんの経験をさせていただいたからこそ、今も成長したパフォーマンスを見せられていると思います。『MISSIONx2』当時の状態でMAZZELに選ばれなくてよかったとさえ思っています」（KANON）

　忙しいレッスンの合間を縫って綴った手紙を、涙ながらに読む候補生。それを見つめるSKY-HIの目もまた潤んでいた。全員の思いを受け止めると、「『人生飽きちゃったな』『もうやめちゃおうかな』っていう人に、『この人たちを見てると人生捨てたもんじゃないかも』って思わせるのが君たちの職業だと思うけど、すでに僕にとっては世界一、夢を見させてくれるアーティストです。君たちと会えた人生っていうだけで本当に幸せだと思います」と、彼らへの最大級の愛と感謝を示すSKY-HI。師弟関係を超えた深い絆で結ばれた15人によるステージは、いよいよ明日に迫っていた。

　見事な晴天で迎えた翌日。伝説のパフォーマンスを刻み込む舞台は、河口湖ステラシアター。4年前、BE:FIRSTを生んだ『THE FIRST』の合宿最終審査が行われた会場である。『THE FIRST』出身のAile The Shotaも応援に駆け付けるなか、円陣を組んで「ショーエイ！（Show it！）」と叫び、気合いを入れる候補生。SKY-HIも本番直前まで振り付けを確認し、万全の状態でステージへ臨む。1カ月におよぶ合宿オーディションの集大成となるステージが、ついに幕を開けた――。

　特別な思いのこもった場所で、15人が叩きつけたのは、まさに魂のパフォーマンス。SKY-HIも含めた全員の感情がぶつかり合い、今までにない熱量と勢いが放たれる。その気迫は、画面越しにも十分伝わるものだった。見守っていたAile The Shotaも満面の笑みを浮かべて、大きな拍手を送る。ともにステージに立ったSKY-HIは、終わった瞬間に「すげえな！」「めっちゃくちゃいいステージだったんじゃないの？　最高！」と絶賛し、合宿で成長した姿が濃縮されたようなパフォーマンスについて、一人ひとりにコメントを送るのだった。

　すべてを出し切った候補生は、結果を待つのみ。ここからはSKY-HIの孤独な戦いが始まる。当然今回の選考も悩みに悩んだ様子だったが、最終審査に進めるメンバーは10人と発表。つまり、4人が脱落となってしまう。