2025.07.02 18:00

TOMOOが救われてきたある言葉とは　「LUCKY」にも反映された“変わらないもの”と“変わっていくもの”への眼差し

「変わらないもの」として「エバーグリーンであること」を大事にしている

ーーこのところ活動の規模もどんどん大きくなっていますが、表現の仕方などにも変化はありますか？

TOMOO：ここ最近は、書き下ろしの楽曲が続いていたこともあり、「自分自身の表現」というよりは、既存の作品に寄り添って曲を書くことが多かったんですよ。毎回、登場人物や世界観を自分の中に取り込んでいく感覚があって。たとえば、色水に浸けた花がその色を吸って少しずつ染まっていくような。自分の「核」は変わらなくても、表現は毎回その作品によって変化している気がします。

　なので、自分が本当に変わっているのか、それともその都度ただ目の前の世界に染まりながら生きているだけなのか、その境界が自分でもはっきりしない。前作の「コントラスト」もアニメ『アオのハコ』のエンディングテーマとして書き下ろしたのですが、十代のキャラクターたちの瑞々しさとか、作品の空気感を意識して作ったぶん、自分の気分やいつもの趣味だけではない部分も多くて。そういう意味で、自分の「変化」を俯瞰するのは、まだ難しいなと感じていますね。

ーーでも、そうやって染まりながらも、結局にじみ出てくる「TOMOOさんらしさ」はやっぱり変わらないのでは？

TOMOO：それはそうかもしれません。「変わらないもの」として、やっぱり「エバーグリーンであること」を大事にしているんだと思います。もともとそういう人間なのかもしれないけど、「トレンドに合わせてこういうのを作ってみよう」と思っても、結局うまくできなかったりして（笑）。メインの部分は、やっぱり変わらない。それは自分でも感じます。とはいえ、まだまだ遊びたいというか、挑戦したいこともたくさんあって。たとえばダンスミュージック寄りの曲みたいな、もっとエレクトロ要素の強い楽曲も作ってみたい。

ーーそれは確かに新たな試みですね。

TOMOO：あまり口に出してはいないけど、ずっと考えてはいるんです。私はどちらかというと、四季のように起伏のある風景が浮かぶような曲を作りがちで。コード進行や構成にもドラマ性を持たせてしまう傾向があって、いわゆるループ系やミニマルな洋楽的な作り方にはなかなかたどり着けていない。だけど、たとえばコード3つとか4つでずっと展開していくような曲にもすごく憧れがあって。作ってみたいんだけど、どうやって作るのかはまだわかっていない（笑）。悩みですね……いや、伸びしろです！

ーー5月には初の武道館ワンマン『TOMOO Live at 日本武道館』も控えています。

TOMOO：会場が広くなるぶん、勢いやパッションだけじゃなくて、音や演出など、冷静に設計された「満足できるライブ」をちゃんと用意しなきゃいけないと思っています。遠い席の方にも「来てよかった」と思ってもらえるように、編成も少し欲張って、いつも以上に練っているところです。

　小さな会場での距離感をそのまま持ち込むのではなくて、どの席からでも「TOMOOがちゃんとそこにいた」と感じてもらえるライブにしたい。「豆粒みたいな人が遠くで歌ってた」じゃなくて、「自分のところに歌いに来てくれた」と思ってもらえるような。そんな時間にしたいと思っています。

ーーこれまでTOMOOさんは、『Estuary』や『Puddles』などライブのタイトルに自身の「現在地」を投影してきた印象があります。それに比べて今回の武道館公演は、至ってシンプルなタイトルですよね。

TOMOO：実は、今回はあえて意味のあるタイトルをつけないことにしたんです。最初はこれまでの「水系」タイトルの流れで、「武道館で一度完結させようかな」と思っていたんですが、意味と響きの両方でしっくりくる言葉がどうしても見つからなくて。前だったら無理やりつけていたかもしれないけど、今回はやめました。なぜなら、武道館という場所そのものに意味がある気がしているから。「武道館だから行ってみよう」とか、「久しぶりにライブに行きたい」とか、いろんな想いで来てくれる人がいるはず。だったら私が「これは集大成です！」と提示するより、それぞれが自由に観て、それぞれの思い出を持ち帰ってくれたらいいなと。

ーーなるほど。

TOMOO：私自身は、ただ丁寧に、いいライブをする。それで十分かなと思っています。そこからまた「どこにでも行ける」という気持ちもあるし。つけるとしたら、「空っぽの器」や「白いパレット」みたいに、何でも描ける余白のある言葉がいいなと思っていて。だから今回は「タイトルなし」という選択にしました。

ーー中身の「ごった煮」とは対照的に、ジャケットを真っ白にしたThe Beatlesの『ホワイト・アルバム』にも通じるタイトルですね。あれも正式名称は『The Beatles』じゃないですか。

TOMOO：ああ、たしかに！　私ももっとシンプルに『TOMOO』だけにすればよかったかな（笑）。

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■リリース情報
「LUCKY」
2025年7月2日（水）配信リリース
配信リンク：https://TOMOO.lnk.to/LUCKY
※TVアニメ『CITY THE ANIMATION』エンディング主題歌

■タイアップ情報
『CITY THE ANIMATION』概要

＜イントロダクション＞
この街、ただの街にあらず。
笑いあり（プププッ）　ラブあり（キュンキュン）　ホロリあり（ホロリホロリ）
住人たちが織りなす予測不能な平凡ライフ！
ワクワクが連鎖する　CITYへようこそ。

＜放送情報＞
ABCテレビ、TOKYO MX、テレビ愛知、BS11、AT-Xにて7月6日より放送開始
TOKYO MX　7月6日より毎週日曜日 24:00～
ABCテレビ　7月6日より毎週日曜日 24:40～
テレビ愛知　7月6日より毎週日曜日 25:20～
BS11　7月7日より毎週月曜日 23:00～
AT-X　7月7日より毎週月曜日 20:00～　リピート放送毎週水曜日 8:00～／毎週金曜日 14:00～
※放送日時は変更になる場合あり

＜配信情報＞
2025年7月7日（月）0時30分よりプライムビデオで見放題独占配信
https://www.amazon.co.jp/dp/B0F2GYZBJV

＜スタッフ＞
原作：あらゐけいいち『CITY』（講談社「モーニング」所載）
監督：石立太一
キャラクターデザイン・総作画監督：徳山珠美
美術監督：山崎詩央里
色彩設計：宮田佳奈
撮影監督：植田弘貴
3D監督：加瀬達規
音響監督：鶴岡陽太
音楽：ピラニアンズ
音楽制作：ポニーキャニオン

オープニング主題歌：Furui Riho「Hello」
エンディング主題歌：TOMOO「LUCKY」
アニメーション制作：京都アニメーション

製作：CITY THE ANIMATION 製作委員会

南雲美鳥：小松未可子
にーくら：豊崎愛生
泉わこ：石川由依
真壁鶴菱：川原慶久
真壁立涌：入野自由
真壁まつり：七瀬彩夏
雨飾えり：田所あずさ
泉りこ：和久井優
安達太良博士&安達太良の父：子安武人
安達太良の母：浅野まゆみ
安達太良達太：KENN
安達太良良太：猪股慧士
安達太良かもめ：林鼓子
安達太良うみ：福嶋晴菜
安達太良そら：天麻ゆうき
オババ：山本和臣
鬼カマボコ：宮崎遊
轟：鈴木崚汰
いい人：水内清光
タナベ菫桜子美：後藤邑子
穂高：土門仁
光岳伸晃：福山潤
帯那林道：金子誠
黒金大和：髙坂篤志

ナレーション：大塚芳忠

公式サイト：https://city-the-animation.com/
公式X：https://x.com/city_anime_info
公式Instagram：https://www.instagram.com/city.anime.info/
公式TikTok：https://www.tiktok.com/@city_anime_info
推奨ハッシュタグ：#アニメCITY
英語用ハッシュタグ：#animeCITY
©あらゐけいいち・講談社／CITY THE ANIMATION 製作委員会

■ライブ情報
『TOMOO HALL TOUR 2025-2026』
2025年11月21日（金）【栃木】栃木県総合文化センターメインホール
2025年11月30日（日）【神戸】神戶国際会館こくさいホール
2025年12月12日（金）【北海道】札幌市教育文化会館
2025年12月14日（日）【宮城】東京エレクトロンホール宮城
2025年12月26日（金）【愛知】愛知県芸術劇場大ホール
2026年1月10日（土）【広島】上野学園ホール
2026年1月24日（土）【福岡】福岡サンパレスホテル&ホール
2026年1月31日（土）【石川】本多の森北電ホール
2026年2月10日（火）11日（水・祝）【大阪】フェスティバルホール
2026年2月27日（金）28日（土）【東京】東京国際フォーラムホールA

チケット料金
全席指定：8,800円（税込）

TOMOO HALL TOUR 2025-2026 特設サイト：https://tomoo-hall25-26.ponycanyon.co.jp/

TOMOO HP：https://www.tomoo.jp/
TOMOO X（旧Twitter）：https://x.com/Tomoo_628
TOMOO Instagram：https://www.instagram.com/tomoo_ssw/
TOMOO YouTube：https://www.youtube.com/@tomoo_628
TOMOO TikTok：https://www.tiktok.com/@tomoo628

黒田隆憲

ライター、エディター、カメラマン。90年代後半にロックバンドCOKEBERRYでメジャー・デビュー。2013年には、世界で唯一の「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン公認カメラマン」として世界各地で撮影をおこなった。主な共著に『シューゲイザー・ディスクガイド』、著著に『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』など。

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