2025.05.02 12:00

Haruto Douzen、全編英詞の新曲「BODEGA」で伝える人生の奥深さ　東京舞台にした石黒洋平出演MVにも注目

　「BODEGA」は全編英語詞で展開される。ここでは実際に歌われる英語詞と日本語訳を並べながら、「BODEGA」の詞世界を掘り下げたい。

　「BODEGA」の主人公は大人の男性だろうか。常に“君”を甘く、だけど芯のある言葉で誘うように語りかける。

〈I got you for a second/少しの間だけ、君を捕まえた〉
〈Can we just talk,and talk and talk til we're blue/ただ話して、話して、話し続けようよ、青くなるまで〉

　そしてこの主人公は嘘をつく“彼ら”あるいは悪い獣のような“奴ら”から“君”を守ろうとする。

〈don’t fall for the lies they tell/彼らの嘘に惑わされるな〉
〈They like big bad wolves/奴らはまるで悪いオオカミみたい〉
〈And I’m gon be your hero/でも俺は君のヒーローになる〉

　そして主人公は“君”を守るべく、自身のテリトリーである“BODEGA”に“君”を誘う。

〈Go just round the block, come to my bodega/ブロックをひと回りして、俺のBODEGAに来いよ〉
〈My bodega’s on your street/俺のBODEGAは君の街のすぐそばにある〉

　「BODEGA」の主人公は一見すると軽佻浮薄な空気を纏っているが、そこには“君”を守ろうという愛を感じる。アダルティな大人の恋愛でありつつもそこにいやらしさは感じさせない。君の街もすぐそばにある、というフレーズにはニューヨークにおけるスラングとしての“bodega”、つまり気軽に立ち寄れる店という意味合いを感じさせる。

〈I think I knew all along that/ずっと前から分かってたよ〉
〈we’d get it on/俺達は上手くやれるって〉
〈whole life going strong/これからもずっと強く生きる〉
〈Come and I’ll say the truth/さぁ、本当のことを話そう〉

　主人公と“君”の関係はずっと前から続いているものであると示唆される。まるでワイン倉庫で熟成され続けてきたワインのように、長い時間をかけてゆっくりと強くなったふたりの関係性が垣間見える。その一方で、コンビニのように身近な距離感の相手だからこそ忘れがちな、その存在の大切さを改めて聴き手に教えてくれているようでもある。タイトルの「BODEGA」とは、人と人の関係、ひいては人そのものも成熟することで生まれる味わいがあること、そして自分にとって大切な人は意外と身近にいることを示しているのではないだろうか。

　「BODEGA」はミュージックビデオも作成されている。俳優の石黒洋平が主演するこのビデオは、モノクロとカラーを行き交う東京の街並みの中で様々な表情を見せる石黒が印象的だ。映し出される表参道や南青山といった街並みは「BODEGA」における大人なムードとも合致するが、グローバルに東京の風景をアピールしたいという作り手の意思も込められているという。

　石黒のフォーマルとカジュアルを行き交うファッションは、スーツ姿で情熱的な赤ワインを、フード姿でクールな白ワインを表現しているという。さらに撮影中の緊張感のある表情から撮影の合間のリラックスした表情まで、映像を構成する様々な要素において対照性が強く打ち出されており、楽曲のキャッチコピーである「人生、赤でも白でも、味わい尽くせ」ともリンクした構造となっている。あなたも「BODEGA」を聴いて、Harutoが作り出す甘美な夜へ出かけよう。