FRUITS ZIPPER、乃木坂46、超ときめき♡宣伝部、AKB48……最もストリーミングに強いアイドルグループは？

　AKB48の次に活動歴の長いももいろクローバーZも、引き続きアイドルシーンに大きな影響力を持っている。2014年に国立競技場で開催されたライブでは2日間で約11万人を動員し、国民的アイドルとしての地位を確立。「サラバ、愛しき悲しみたちよ」や「行くぜっ！ 怪盗少女」といったヒット曲が今日までの安定した人気につながっている。ももいろクローバーZが所属するSTAR PLANETからは、近年、超ときめき♡宣伝部の楽曲「すきっ！」や「最上級にかわいいの！」がTikTokでバズったことにより、グループの知名度も上昇。昨年はピザーラのTVCMに出演、菅田愛貴が『ラヴィット！』（TBS系）のシーズンレギュラーを2クール連続（10〜12月／2025年1〜3月）で務めるなど、お茶の間にも確実に彼女たちの名前が浸透している。

　指原莉乃がプロデュースしているアイドルグループのなかで、唯一トップ10にランクインを果たしているのが＝LOVE。指原のセンスが活かされた楽曲とブランディングでファン層を広げている。2024年には17thシングル表題曲「絶対アイドル辞めないで」がTikTokで注目を集め、一気にブレイクを果たし、9月には神奈川県・Kアリーナ横浜にて『＝LOVE 7th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT』を開催し、過去最大規模のライブを成功させた。＝LOVEはもともと女性ファンの支持が厚いグループではあったが、TikTokでのブレイクでより広い層にまでリーチした感がある。2月26日にリリースされる18thシングル『とくべチュ、して／恋人以上、好き未満』、そしてアリーナツアーでその真価が発揮されることだろう。

　歌い手・Adoプロデュースのアイドルグループ・ファントムシータは、2024年にデビューし、11月には『ファントムシータ 1st LIVE 2024「ハイネ」』を日本武道館にて開催するなど、デビュー年とは思えない躍進の1年を迎えた。2025年1月からはワールドツアー『Phantom Siita 1st WORLD TOUR “Moth to a flame”』もスタートしており、今後はグローバルな展開も視野に入っている。「キミと✕✕✕✕したいだけ」にも表れている日本のホラー要素とパフォーマンスをかけ合わせた独自のスタイルは、国内のみならず海外でも支持されることは容易に想像できるが、ひとまずこのワールドツアーの成功が、今後のチャートに影響を与えることだろう。

　KAWAII LAB.の台頭は容易に想像できたが、健闘を続けているAKB48と新興勢力のファントムシータは今後の動向次第ではさらに注目を集める可能性がある。特にAKB48は、長年のファン層を保持しつつ新しい世代を取り込みながら存続している点が強みだ。一方でファントムシータは、Adoという確固たるブランドを背景に持ちつつ、独自の世界観とホラーテイストを前面に押し出すことで、従来のアイドル像とは異なる方向性を確立している。

　また、近年のアイドルシーンのトレンドとして、TikTokを起点としたバイラルヒットの重要性がますます高まっていることが挙げられる。KAWAII LAB.をはじめ、＝LOVE、超ときめき♡宣伝部といったグループは、TikTokを積極的に活用することで、新たなファン層を獲得し続けている。特に10代、20代の若年層がコンテンツ消費の中心となる現在において、アイドルの楽曲が単なるCDセールスではなく、SNSを介してどれだけ拡散されるかが成否を分ける要因になっている。一方で、TikTokのバズによって一時的に話題を集めることはできても、長期的なファンダムの形成には至らないケースも多い。この点で、乃木坂46や櫻坂46のように、強固なファンダムを持ち続けることができるグループは、ライブやメディア出演を通じた継続的な関係構築が功を奏していると考えられる。乃木坂46は5期生、6期生を中心とした新世代の育成に注力し、櫻坂46は海外進出を本格化させることで、アイドルグループとしての価値を高めている。

　現在のアイドルシーンはTikTokを活用したバズとライブやイベントによる継続的なファン獲得で成り立っている。今後、アイドルグループがどの戦略を取るのか、また新たな形のアイドル像が登場するのか、2025年以降の動向が注目される。