SixTONESのラジオは自身を解放できる場所 “担任不在の学級会”の8週間~田中樹復帰回を振り返って
こんなに大暴れなラジオは久しぶりだ。12月7日放送の『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)第243回は、特別な時間となった。それは、番組が始まって以来、メインパーソナリティを務めてきた田中樹が8週間のお休みを経て、復帰した回だったからだ。
同番組は、田中が番組を回し、週替りでメンバーが1人参戦する形が固定されていた。それが、ここにきていきなり田中が2カ月ほど席を空け、代わりに10月の放送はジェシーが、そして11月の放送は松村北斗が代わりを務めてきたのだ。この2カ月、メンバーとしては慣れない放送でふわふわした気持ちだったことだろう。それは、聴いていたリスナーも同じだった。いつもボケをかましてかき乱す側であるはずのジェシーがMCを務める違和感。そのマイペースっぷりに翻弄されるメンバーたち。森本慎太郎に至っては、ジェシーのボケに「ありがとう」と返す奇妙な技まで編み出してしまう始末。
11月に入ると、もともとラジオ大好きな松村にそのバトンが渡って安堵したのもつかの間、その初回に再びジェシーが降臨する。MC役から解放され、のびのびとするジェシーに松村はタジタジ。その鬱憤を吹き飛ばすように翌週の髙地優吾を迎えた回ではブチギレモードを発動し、強敵と思われたグループ一の天然キャラ・京本大我にも「俺の一本刀」と言い切る「大きな声」を武器に大立ち回りを繰り広げた。担任不在の学級会。コーチ不在の合宿。親のいないお泊り会……そんな言葉が思い浮かぶような自由と混沌の時間が続いた8週間。どれだけ田中のMCがこの番組の秩序を保っていたのかと実感させられた。だが、そんな安定感を誇る田中だからこそ、おとなしく戻って来るわけがない。