日向坂46 13thシングルフォーメーション分析 “小坂菜緒のセンター”というジョーカーを切る意味

 小坂を支えるフロントメンバーには、前作でセンターを務めた正源司と藤嶌。前作を踏襲したフォーメーションは、ダブルセンターという大役をまっとうし、大きく成長した2人への期待の表れだろう。同じく『EX大衆』2024年12月号の中で、小坂は「2人が支え合いながら前に進んでいる様子を見て、『大丈夫そうだな』と安心しました」と前作の活動期間を振り返っていた。センターに立つ小坂の姿を間近で見られる機会は、ライブやイベントなどを除けばそう多くはない。この期間は2人にとっても、貴重な経験となるはずだ。

 2列目は佐々木久美、金村美玖、河田陽菜、松田好花、佐々木美玲と前作の2列目と3列目のメンバーが並んだフォーメーション。前作から大きく変わった印象はないものの、「月と星が踊るMidnight」以来となる裏センターの河田が今回もいいアクセントを加えてくれそうだ。

 3列目には、宮地すみれ、平尾帆夏、上村、森本茉莉、山口陽世、山下葉留花が選ばれた。宮地、平尾、山下は「君はハニーデュー」以来の選抜復帰となり、森本と山口は初の選抜入りとなった。今回選抜に選ばれたか否かは抜きにして、四期生全員がこの1年でそれぞれが個性を確立し、グループに欠かせない存在へと成長してきた。『12th Single ひなた坂46 LIVE』で初の座長を務めた宮地は、『BUBKA』2025年1月号(白夜書房)で、11thシングルでひなた坂46のセンターを務めた髙橋未来虹へのリスペクトとともに、「私がさらに更新しなきゃいけない」とも語っていた。バラエティ番組などで見せる姿は一歩引いている感じを受けたが、『12th Single ひなた坂46 LIVE』での堂々たる佇まいはアイドルとしての覚悟、いやそれ以上のものを感じた。

 そして、特筆すべきは森本と山口の初選抜入りだろう。昨年上演された舞台『幕が上がる』ではダブル主演を務めるなど、三期生という括り以上に何かと一緒になることが多い2人。『ひなあい』では個性的なキャラクターでメキメキとバラエティ適性の高さを発揮している森本、得意な野球を活かしてグループの新たな魅力の中心にもなりつつある山口。このシングル期間では思い切り個性を爆発させてほしい。

 三期生と四期生の多くが選抜入りを果たした一方で、富田鈴花、髙橋未来虹、小西夏菜実ら、前作の選抜メンバーがアンダー入りとなった。すでに加藤史帆、東村芽依、丹生明里、濱岸ひよりが卒業を発表しており、大きな入れ替わりがあるとは想定していたが、とりわけ、副キャプテンに就任したばかりの髙橋が選抜から外れるとは思っていなかっただけに、ファンにとっては驚きの結果だっただろう。だが、ここから分かるのは、髙橋にはひなた坂46をまとめる役割も求められているということなのだと思う。誰がセンターを担うのか、というところも含めて今作は気になるポイントが目白押しだ。

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