Travis Japan 宮近海斗が真ん中に立つと生まれるまとまり “センター兼リーダー”としての求心力

 『R4SD』では他クルーのリーダーの活躍もめざましかった。DXTEENの最年長でリーダーの谷口は、デビュー当時からグループのダンスリーダーとして広く知られる実力の持ち主。Round4の「アイテムショーケースバトル」では冒頭のサビ作りに番組内で初めて挑戦し、ミニマムな動きでブルーノ・マーズのグルーヴ感を表現したのだが、これが「最初のフリめっちゃいいと思ったら(作ったのが)太一くんで、『すげえ!』って」(SEGA SAMMY LUX・TAKI/古嶋滝)、「難しい」「予想の2個上くらいが来た」(avex ROYALBRATS・JUMPEI)と、振付経験豊富なDリーガーたちからも大好評だった。

 ダンサー時代にはダンサーネーム「らんきち」として、数々の大会で勝利を収めてきたMAZZELのRANが、ダンサーとしてバキバキのPOPPING(体の筋肉を弾くようにして踊るストリートダンスの一種)を久しぶりに踊る姿を見られたことに、感極まった視聴者も多かっただろう。ひとたびステージに立てば数十年のキャリアを持つ歴戦のダンサーたちにも負けないスキルと貫禄でその場を制する――そんなRep.としての彼を両側から支えたのは、ダンサー時代からともに戦ってきた盟友である、CyberAgent LegitのTAKUMIとdip BATTLESのKENSEIだった。Round6で「空回った」と話すRANは、収録終わりに「Rep.としてもっと頑張ります」とメンバーにメッセージを送っていたが、Round7のショーケースバトルに向けたTAKUMI、KENSEIとのミーティングでは、「皆の力は借りたいなと改めて思ったし、皆で作りたい」と仲間を頼る素直さを見せていた。「“Rep.とメンバー”という風に見えてしまう」(TAKUMI)という課題を抱えつつも、自分一人だけで引っ張るのではなく、周りの力も借りてともに進んでいく、そのまっすぐな人懐っこさが自ずと周囲の人々を惹きつけ、「この人と一緒に頑張りたい」と思わせるのではないだろうか。

 最後にこのRep.に言及しないことには始まらない。GENERATIONSの中務は、本来であればDA PUMP・KENZOやSAYA YAMAMARU、s**t kingzらとともに審査員席にいてもおかしくはないキャリアを持つ人物だ。彼が率いる中務クルーが特にオーディエンスの心を掴んだのは、Round4の「アイテムショーケースバトル」。紅一点のdip BATTLES・MARINを5人の男性メンバーが取り合うという、思わずその物語に没頭してしまうショーの最後にも、筋骨隆々の中務から「きゅん」と効果音がつきそうなポーズや表情が繰り出され、茶目っ気を忘れないエンターテインメント性には舌を巻かざるを得なかった。LDHのライブイベントにおけるパフォーマーショーケースでも、トップレベルのダンスレベルを誇るEXLE、FANTASTICSを連ねている中務だが、サイファーやルーティンバトルではそのパフォーマンスレベルの高さを堪能できるムーブが炸裂。Round5の「2on2ルーティンバトル」の3/4ムーブ目で繰り出した、片手で全体重を支え、体を浮かせた状態を保ったまま全身でヒットを放つ技も軽々と見せる身体能力の高さは言わずもがな、すべての表現において遊び心を忘れない。

 審査を務めたSAYA YAMAMARUの言葉通り、普段はアーティストとして個別のグループに属する彼らやDリーガーたちがダンスバトルする光景はなかなか見られるものではない。11月18日からはシーズン2が開幕するとの嬉しい知らせもあった。24-25シーズンが始まったばかりの『D.LEAGUE』でのDリーガーたちの活躍もあわせてチェックしながら、誰が2代目Rep.となるのか、想像を膨らませて続報を待とう。

※1:https://more.hpplus.jp/entame/people/59280/1/

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