FELIP×ONE N' ONLY特別対談 音楽と自分、そして夢について――シーンの最先端を歩む意味を語り合う
グループとソロ、両立するための精神と自分らしくいること
――ライブ以外で、フィリピンでFELIPさんとしたいことってありますか?
TETTA:一緒にごはんを食べに行きたいですね。僕らはフィリピンに行ったことがないんですけど、フィリピン料理のなかでFELIPさんが好きな食べ物はなんですか?
FELIP:シニガンがいちばん好きです。豚のシチューなんですけど、ちょっと酸っぱいんですよ。本当においしいから、フィリピンでぜひ一緒に食べましょう。
EIKU:楽しみ! 好きな日本料理はありますか?
FELIP:おにぎりですね。(EIKUのスマホカバーにスパムのステッカーがついているのを見て、目をキラキラさせながら)わあ、スパム! スパムおにぎりがいちばん好きなんですよ! 日本に来た初日は、コンビニでおにぎりを5つ買い込みました。(日本語で)ごはんだいすき~!
全員:あはははは!
HAYATO:So cute!
――KENSHINくんは、ワンエンとして挑戦した海外でのライブを振り返ってみていかがですか?
KENSHIN:僕らがライブで訪れたのは南米だけなんですけど、日本でやるライブとは雰囲気が全然違っていて。今振り返ってみると、ファンの皆さんの熱気に負けないように必死だったなあ、とも思います。でも、以前からSNSにコメントをしてくれたり、地球の裏側から応援してくれている方の存在を感じていたので。会えないあいだに募った気持ちと、皆さんへの感謝を込めて、全力でパフォーマンスさせてもらいました。FELIPさんは僕らよりもいろいろな国に行っていると思いますが、海外で活動する際に心がけていることはありますか?
FELIP:僕が心がけているのは、自分自身を見失わないことですね。アメリカツアーなどもやらせていただいたんですが、自国にいる時と違って、海外で活動しているとヘイトを向けられることもあるんです。でも、そういう人たちにどう思われるかは、実はどうでもよくて。自分のことを愛してくれる方をリスペクトすることや、そういった方々のリスペクトを得られる行動をすることが何よりも大事だと思っています。
REI:特にリスペクトしているアーティストはいらっしゃったりするんですか?
FELIP:ポスト・マローンです。彼ほどファンを愛してるアーティストはいないんじゃないかなと僕は思っていて。もちろん、それと同時に彼以外にも、自分のアートを最優先できるアーティストを僕はリスペクトしていて。たとえそれが大規模なファンベースではなくても、自分のアートを愛して、情熱を持って取り組んでいるアーティストの姿には感銘を受けますね。
――とはいえ、グループとソロの両方に、常に全力を注ぐのはなかなか大変そうです。グループと個人活動を両立するうえで、大事にしていることはなんでしょうか。
FELIP:SB19は5人それぞれがソロとしても活動しているんですけど、メンバー同士がすごく仲良しで、「ソロがグループ活動の妨げにならなければいいんじゃない?」というスタンスなんです。グループの一員として先にデビューしたこともあり、僕自身の気持ちの切り替えに関しては、SB19の活動のなかでバランス感覚が養われたなと思っていて。それが今、ソロ活動をするうえで自分を助けてくれています。
REI:ソロではHIPHOP色を前面に出していると思うんですけど、SB19として活動を始めた当初はK-POP的なアプローチの強い楽曲をやることに対して、抵抗のようなものはありましたか?
FELIP:抵抗というか、正直、僕はグループ活動にそこまでこだわっていなかったんです。SB19はオーディションで集められたグループですが、落ちたら落ちたでそれは実力不足ですし……。とはいえ、最終的にメンバーとしてグループでデビューしたので、グループのために頑張ろうと思っていましたね。
――ワンエンのメンバーは歌手としてのソロデビューではないですが、ドラマや映画、スポーツ番組など、さまざまな分野で個性を発揮しています。TETTAくんは映画『100秒の拳王 -ケンカバトルロワイアル-』で主演を務めていますが、グループ活動との違いは実感していますか?
TETTA:実感していますね。グループにいる時はメンバーがいるので頼れるところは頼ってるんですけど、俳優業は基本ひとりなので、自分でなんとかしないといけないっていう緊張感が常にあります。俳優としての僕は、雰囲気も違うと思いますよ。ワンエンの時は素の自分ですけど、俳優業での撮影現場ではうるさくないですし。
REI:いつもうるさいもんな(笑)。
TETTA:(笑)。演技をする時は休憩中から役を作り上げないといけなくて、役に入りっぱなしで現場にいるので、グループ活動の時とはまるで感覚が違いますね。
EIKU:アーティストとしても、ソロデビューしたいとか思う?
TETTA:思う! もちろん、ワンエンをやりながらですけど、ソロで曲を歌う夢はいつか叶えたいですね。
――FELIPさん、ソロデビューを夢見るTETTAくんにアドバイスをいただけますか?
FELIP:本当にやりたいことがあるんだったら、いつかソロアーティストとしてデビューしたいと願うのであれば、僕は自分の夢を追い求めたほうがいいと思います。ただ、僕自身が経験したから言えることなんだけど、ソロ活動は楽な道ではないから覚悟したほうがいい。そのうえで僕からアドバイスするとしたら、続けることと強くあることが大事かな。そして、素直な自分をちゃんと見せること。これはグループ活動にも通じることだけれど、アーティストにとっていちばん大事なことは、やっぱり“自分らしくいること”だと思います。僕は、ソロ活動でもひとりで背負い込み過ぎずに、まわりにほどよく頼ることができたらいいんじゃないかと思っているんです。人間としても、アーティストとしても、できることとできないことは必ずあるから。自分には何ができて、何ができないのか。ほかのメンバーや周りの人は何ができて、何ができないのか――それを知ることが大事だな、って。だから、TETTAさんは自分のできないことを認めてメンバーに素直に頼れるから素敵だなと思いますし、今の話を聞いて、逆に僕のほうが見習わなきゃいけないなと気づかされました。
TETTA:いやいやいや……!
REI:He is 先生!
FELIP:先生! そうそう、毎日勉強しないとね(笑)。
――でもね、FELIPさん、TETTAくんが特に輝くのはバラエティ番組なんですよ。
全員:あはははははは!
KENSHIN:He is ムードメーカー!
REI:No! He is Japanese comedian!
TETTA:バカ野郎(笑)!
FELIP:うわあ! 「バカ野郎」って初めて生で聞けた! アニメの世界のなかでしか使わない言葉だと思ってたから、今生で聞くことができて感激です!
HAYATO:そこで感激してもらえるとは(笑)。
FELIP:今回の来日でいちばん思い出深いエピソードになりそうです(笑)。
――あとワンエンの個人活動で異彩を放っているのは、10月放送の『究極の男は誰だ!?最強スポーツ男子頂上決戦2024秋』(TBS系)に出演予定のEIKUくんですね。
KENSHIN:彼はフィジカルモンスターなんですよ。
FELIP:EIKUくんは、どんなスポーツが得意なんですか?
EIKU:特定のスポーツがズバ抜けて得意というよりも、僕はいろんなスポーツを平均的にやれるタイプですね。
FELIP:僕と一緒だ! 全部を平均的にできる人ってあまりいないから、僕らは天才ですね(笑)。
EIKU:あはははは! FELIPさんは、どんなスポーツを経験してきたんですか?
FELIP:ハイスクールの1年目は卓球、2年目はバレーボール、3年目はサッカーをやっていて、すべて代表チームに所属してました。あと、スポーツ全般が好きだから、ほかにもいろいろな競技をやっていたんだけど、それと同時にジャーナリズムの大会にも出たりもして(笑)。学生の頃は、フィリピンのいろんな大会に出てましたね。
全員:すごい!!
HAYATO:FELIPさんが育った環境にも興味があります!
――「育った環境」といえば、以前リアルサウンドで取材した際、FELIPさんは「自分のルーツを誇りに思っていて、いつも音楽に取り入れている」とご家族の話をされていましたが、ワンエンが所属するEBiDANには、兄弟で音楽をやっているメンバーがいまして。HAYATOくんは弟のFUMIYAさんがBUDDiiSというグループに、あと今日はいないNAOYAくんは兄のタクヤさんが超特急というグループに所属しています。こういった家族で繋がっている音楽活動は、FELIPさんにどう映るのでしょうか。
FELIP:兄弟それぞれ同じフィールドで活動しているんですか!?
HAYATO:FELIPさんは兄弟はいるんですか?
FELIP:お姉ちゃんがいて、僕は末っ子です。だから、これはあくまでも想像なんですが、もし僕に弟がいて、僕に憧れて彼が音楽を始めたとしたら、その意見を尊重しつつも、迷走しないようにアドバイスするだろうなと思います。この業界に入ったら、有名になるか、達成できずに終わるか、ふたつの道が待っているわけだけど、有名になったとしても性格が変わってしまう場合もあるから。大切な弟が道を踏み外さないように見守るのが、きっと僕の役目じゃないかなって。実際のところ、HAYATOさんは、お兄ちゃんの立場から弟さんの活動をどう思っているんですか?
HAYATO:僕は弟と5歳離れているんですけど、お互いにダンスとラップをやっていて、感じ方や捉え方がすごく似ているんです。そんな弟と昔から一緒に音楽をやってきて、今もEBiDANで一緒に活動しているので、日々面白いですね。
FELIP:それをご両親も応援しているなんて、素晴らしいことですよね。僕はそういう経験がないし、日本のアーティストならではの活動スタイルだと思うので、新鮮に感じました。