LUNA SEA“終幕”、WANDS“解体”、でんぱ組.inc “エンディング”……解散表現に表れるアーティストの美学

 またこれらの個性的な解散を行ったグループの中には、活動再開を果たした者もいる。

  LUNA SEAは2000年をもって“終幕”という形でその活動を終了した。5人が個性をぶつけ合いながら圧倒的なステージングを作り上げてきた彼らが、長きにわたったショーを終えるという意味で“終幕”という言葉を選んだことには合点がいく。そしてバンド自体を解散と形容しなかったからこそ、再度バンドとして“REBOOT”することができたのだろう。

LUNA SEA REBOOT 100825

 TM NETWORKは1994年、TMNという名義での活動期間に“プロジェクト終了”という形で10年におよぶ活動を終えた。解散の経緯を説明した当時のラジオで「すべては10年前からの計画に基づいてのプロジェクトだった」とメンバーが言い切ったそう(※2)。自分たちの見せ方を綿密にデザインしてきたTM NETWORKらしい完結だと言える。彼らも1999年に再結成し、時代を超越しながら活動している。

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 WANDSは2000年に“解体”している。元々メンバーの入れ替わりも頻回なバンドであり、当時はオリジナルメンバーが1人もいない構成でもあった。バンドそのものを中心に据え、そこにメンバーが寄り集まるイメージを“解体”はうまく言い表している。WANDSは2019年から活動を再開。常に生まれ変わりながら、そのスタイルを追求している。

WANDS - 世界が終るまでは… / THE FIRST TAKE

 個性的な解散の言い回しは、その去り際までも自分たちのやり方を突き通すために必要だったものが多い。自分たちの手で責任を持って活動を終わらせる、そんな覚悟がそれぞれに滲む。そう考えれば、悲しく思える“解散”も違う見え方ができるだろう。こうしたラストを提供することもまた、アーティストの理想的な姿と言える。ただ終わりを悲しむだけではない、達成という喜びのニュアンスを感じ取れるはずだ。

※1:https://dempagumi.tokyo/2024/04/20/dempa_0420_news/
※2:https://otonanoweb.jp/s/magazine/diary/detail/9618

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