こっちのけんと「はいよろこんで」が話題に モールス信号、逆再生音声……ネットで加速する考察合戦

Viral Chart Focus

 Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの6月26日付のTOP10は以下の通り(※1)。

1位:テレビ大陸音頭「俺に真実を教えてくれ!!」 
2位:JO1「Love seeker」 
3位:こっちのけんと「はいよろこんで」
4位:Worldname「qr」 
5位:Travis Japan「Sweetest Tune」 
6位:KOMOREBI「Giri Giri」 
7位:Johya「MARIA」 
8位:THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「24karats GOLD GENESIS」 
9位:MAZZEL「Counterattack」 
10位:Suiet「Fall in Love」

 6月も最終週に差し掛かった今週のSpotifyバイラルチャート。先週からのチャート推移を見ると、1位と2位の順位に変動がない。テレビ大陸音頭の「俺に真実を教えてくれ!!」とJO1の「Love seeker」は依然としてトップ2をキープしている。直近でもいとうせいこうがX(旧Twitter)で「興奮した」とポストするなど、各所でさらに話題を呼んでいる札幌の高校生バンド・テレビ大陸音頭「俺に真実を教えてくれ!!」 がトレンドに敏感な音楽好きを中心にまだまだリスナーを増やし続けているようだ。また、巨大なファンダムをもつJO1の8枚目となるシングル『HITCHHIKER』からのリード曲「Love seeker」も負けじと2位にランクイン。ファンキーでソウルな仕上がりになったこの楽曲は、YouTubeの公式チャンネルで公開されたMVがすでに1,700万再生を突破する(7月1日現在)などSpotifyだけでなく、さまざまなプラットフォームで存在感を高めている。引き続きテレビ大陸音頭の「俺に真実を教えてくれ!!」とJO1の「Love seeker」がチャートの台風の目となるなか、3位以下の順位には大きな変動が起こっている。特に注目すべきは、こっちのけんとの「はいよろこんで」が新たに3位にランクインしたことである。この楽曲は先週のトップ10には見られなかったが、一気に上位に食い込んできた。他にも、Worldnameの「qr」やTravis Japanの「Sweetest Tune」が新たにトップ10にランクインしている。

 では、今週のチャートで特に注目すべき3位の楽曲、こっちのけんとの「はいよろこんで」について詳しく見ていこう。こっちのけんとは、TikTokで人気に火がつきサブスク総再生回数が約3,000万回を超えるバイラルヒット曲「死ぬな!」で広く知られるようになったマルチアーティスト。俳優の菅田将暉の実の弟であることでも知られている彼は、これまで音楽キャリアの素地となる磨き込まれたアカペラの技術を武器にした高い歌唱力と、オーソドックスな音楽の枠組みを飛び越える自由なクリエイティビティで着実にファンを増やしてきた。今週バイラルチャート3位にランクインした「はいよろこんで」は、そんなこっちのけんとのクリエイティビティが爆発した楽曲。一聴しただけでは気づくことのできない仕掛けに満ちた楽曲なのだ。やはり、こっちのけんとは一筋縄ではいかない。

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