Stray Kids、コラボ楽曲の魅力　グループの強みを活かしながら次々と起こす化学反応

　例えば、2023年9月にはアニメ『鬼滅の刃』（TOKYO MXほか）などの話題作の主題歌を多数手がける日本のソロシンガーのLiSAとコラボレーションし、「Social Path (feat. LiSA)」をリリース。ロックなサウンドの中に響くStray Kidsのメンバーのパワフルな歌声とラップ、そしてLiSAのクリアな歌声が印象的な楽曲で、Stray KidsとLiSAの持ち味が存分に活かされた一曲となった。

　また、同年6月2日にリリースした3rdフルアルバム『★★★★★ (5-STAR)』では、「TOPLINE (Feat. Tiger JK)」で、韓国のHIPHOPシーンを切り拓いた“レジェンドアーティスト”のタイガーJKとコラボレーション。タイトルのとおりトップアーティストを目指す野心的な気持ちを描いたリリックと、重く響くビート、ダークなサウンドが印象的なHIPHOPチューンで、タイガーJKのラップを堪能しながら、“レジェンド”に引けをとらないHIPHOPにおけるStray Kidsのスキルの高さに目を見張る楽曲である。

　3年ほど前には、スウェーデン出身のプロデューサー アレッソとコラボレーションしたことも。2021年3月に、モバイルゲームのテーマ曲として「Going Dumb」のレコーディングに参加。世界的なヒットプロデューサーによるEDM楽曲で、Stray Kidsのメンバーがリズムとビートを的確にとらえたクリアな歌声を響かせ、世界中のリスナーを魅了した。

　このように、世界各国の様々なアーティストとコラボレーションを果たしているStray Kids。コラボレーション楽曲を聴く中で感じるのは、やはり彼らの楽曲プロデュース力の高さと、歌やラップなどのパフォーマンス力の高さである。

　特に、Bang Chan（バンチャン）、Changbin（チャンビン）、HAN（ハン）の3人で構成されるグループ内のプロデュースチーム「3RACHA」が作詞作曲やプロデュースに携わった今作の「Lose My Breath (Feat. Charlie Puth)」をはじめ、「Social Path (feat. LiSA)」や「TOPLINE (Feat. Tiger JK)」では、各アーティストの魅力を引き出す最適解のサウンドが作り込まれており、彼らの嗅覚の鋭さに驚かされる。

　また、「Lose My Breath (Feat. Charlie Puth)」はメンバーの歌唱力の高さを際立って感じられる一曲になっているように思う。クリアな歌声が気持ちよく響くだけでなく、愛する相手を思うと息が苦しくなってくるような感覚を、震えるような切なげな歌声で、時にファルセットも使いこなしながら歌い上げるメンバーの歌唱力は圧巻。さすがのパフォーマンス力である。さらに、「Social Path (feat. LiSA)」や「TOPLINE (Feat. Tiger JK)」では、Stray KidsのHIPHOPにおけるスキルの高さと表現力も実感できる。Stray Kidsの“ビートに乗る”スキルは、一流のHIPHOPアーティストと比べても遜色ないレベル。時に切り刻むような鋭さを携え、時に畳みかけるように挑発的に、ビートを的確にとらえながらラップや歌唱、ダンスを披露するStray Kidsの“HIPHOP力”は、コラボレーションにおける楽曲の幅を広げ、彼らの魅力を多くの層へ届けるきっかけになっていると言えよう。

　最新のコラボレーション楽曲「Lose My Breath (Feat. Charlie Puth)」は、5月10日にリリースされたばかり。この楽曲がこれからどのような広がりを見せるのか、その動向に注目必至である。