髙田健太が赤裸々に過去を語る理由は? 『プデュ2』出演から借金生活まで……K-POP界への挑戦のリアル

K-POPアイドルを目指す若者に伝えたいこと

――健太さんは講演会などでK-POPアイドルを目指す若者と会う機会も多いと思います。後進に言ってあげたいことは?

髙田:さっきの発言と矛盾するかもしれないんだけれど、当人に言いたいのは、「ためらうよりも、やった方がいい」ということ。自分の感情が消費されるという覚悟や、知名度が上がることに対するリスクも知る必要はありますけれどね。

 あとは、リアルなコミュニケーションを大事にしてほしい。オーディションって、リアルでの表現やコミュニケーションが大事になるんです。今のコミュニケーションって、SNSがクッションになっているじゃないですか。リアルはストレスも大きいし、挫折もする。でもリアルなコミュニケーションを取っていこうとする意欲は持っていてほしいし、必要だと思います。

――ちょっと傷ついてもいいじゃないか……と。

髙田:そう。傷ついて気づくことって多いでしょ? みんなと同じじゃダメ。傷がその人の良さとして輝くと僕は思います。もちろん、自分を傷つけろということじゃなく、まずは行動して、そこで学んでほしいんです。

 若い子たちと接すると「自分らしさが何かわかりません」という子が多くて、それがパフォーマンスにも表れている。SNSで人からどう見られるかを気にするだけでなく、読書をするなど自分と対話することも大事です。自分ともまわりとも、リアルなコミュニケーションを取っていってほしいですね。

――健太さんは昔、V LIVEで「ケンタ学校」という企画もしていましたが、人に教えることに意欲があるんですね。

髙田:届けたい、伝えたいというのが、僕の中でどんどん大きくなっています。僕の経験が正解か不正解かということは置いておいて、僕の経験から「こうでしたよ」と伝えることは僕にしかできないじゃないですか。そこにすごく価値を感じるし、だからこそ僕の存在意義があると思っています。

――最近のK-POPグループには日本人メンバーがいることも多いのですが、韓国で活動しながら、日本のボーイズグループとも共演経験がある健太さんには、今の日本のボーイズグループはどのように見えているのでしょう。

髙田:日本の良さは、ジャンルが多様なところだと思うんです。ロック、ヴィジュアル系、HIPHOP、王子様系、K-POPっぽいグループもある。それぞれにビジネスが成り立つ市場があるのは、すごいことですよね。チョイスするものがたくさんあるって、いいじゃないですか。韓国だとアイドルはひとくくりというか。僕の肌実感では、K-POPも未来のことを考えてか、ジャンル分けの作業に入ってきていると思うんです。今後は、日本のようになっていくんじゃないかな? 日本から見ると「K-POPすごい!」というムードがあると思うのですが、逆に僕は日本のアイドル市場がすごいと思っています。

――日本には、「K-POPすごい!」「目標は世界!」というムードがありますね。

髙田:僕は、出て行かなくてもいいと思う。向こうから日本に来るようにすればいい。経験者的にいえば、出ていくばかりだと、忙しくて心も身体もバラバラになってしまうんです。だから僕は、日本としての土台を作った上で海外に行かないと、いい未来は見られないと思います。

今後は新しいコンセプトで新しい作品を作れれば

――様々な経験を重ねてきた健太さんの今後の活動は?

髙田:韓国に渡って10年目、デビューして7年。来年には30歳になります。デビュー7年はK-POPアイドルにとっての節目(※事務所との契約更新時期)だし、30代になるのも人生の節目。今年は、アイドル、創作アーティスト、そして後進に何かを届けるという、3つの髙田健太をベースにしていきたいですね。でも、いつも言っていますけれど、一番大事なのは健康です(笑)。

――欲張りつつ頑張りたい……と。

髙田:そうです。いい意味で欲張りに。去年までは自分の中に整理がつかない部分があったけれど、今年に入っていい意味でスッキリしました。だからこそ、今年は欲張ってもいいのかな、もっと貪欲に行こうかなと思っています。

――この先、決まっているスケジュールは?

髙田:具体的にはないのですが、希望としては、今年中にコンサートを開きたいし、新曲も出したいです。

――2020年にインタビューをした時には、「大人の音楽にシフトしていきたい」と言っていましたが。

髙田:曲のことも、サンギュンとよく話しているんです。自分たちができること、求められること、そして自分たちに合っているものとのバランスが大事だって。『JASMIN』の時は背伸びをしたい時期だったけれど、今はバランスの模索中。正解なんてすぐに見つからないから、1個ずつ挑戦していきたいですね。30代になるので、可愛いコンセプトはもう皆さんを不快にさせちゃいそうなので、目の保養になるステージをお届けできるようにしたいと思っています(笑)。 創作アーティストとしては、次の展示会の準備をしていて。新たにお伝えしたいことができたので、新しいコンセプトで新しい作品を作っています。

――やる気満々ですね。

髙田:そうなんです。昔よりもさらに、エネルギーに満ちているかも。欲張っていきますので、期待していてください!

■書籍情報
髙田健太『日本人が韓国に渡ってK-POPアイドルになった話。』(KADOKAWA)

NiziU、JO1、INI、Stray Kids、TXT、THE RAMPAGEら『ASEA 2024』レッドカーペットに登場

Kアリーナ横浜で第1回『ASIA STAR ENTERTAINER AWARDS 2024 in JAPAN Presented…

The Birthday、野田洋次郎、imase、J-HOPE、Aimer、INI……注目新譜6作をレビュー

毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく「New Releases In Focus」。今回はThe Birthda…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる