日向坂46 正源司陽子が初の表題曲センターに 選抜制の導入でグループはどう変わる?

 日向坂46が4月10日にリリースする11thシングルの選抜メンバーが、2月25日深夜放送の『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系/以下、ひなあい)にて発表された。2月23日には日向坂46の公式YouTubeチャンネルにて同シングルのティザー映像が公開。これまでのMVを振り返る映像に合わせて、「どこまで行けるかなんて、誰にもわからない。それでも、わたしたちは。いつだって、わたしたちは。太陽に向かって、走り出すんだ」という決意に満ち溢れたテロップが映し出されており、おひさま(日向坂46ファンの呼称)の間では期待感が高まっていた。

 シングルのリリースは上村ひなのがセンターを務めた10thシングル『Am I ready?』以来。この間には2ndアルバム『脈打つ感情』のリリースや全国ツアー『Happy Train Tour 2023』の開催などもあり、約8カ月のスパンを空けてのリリースとなった。シングルリリース前には4月6日〜7日にかけて『5回目のひな誕祭』が開催されることや、グループを結成初期から支えてきた齊藤京子の卒業コンサートも『5回目のひな誕祭』の前日に控えていることから、今作は6年目に向けて新たな体制で心機一転駆け抜けていくという意味合いもあるだろう。

 そんな区切りのタイミングでリリースされる今作は、日向坂46として初めて選抜制度が取り入れられた。これまで日向坂46では、フォーメーションの変化はあるにせよ、一期生から三期生全員が表題曲を歌唱するという“全員選抜”の体制を取ってきた(四期生は前シングル曲「Am I ready?」には参加していないため厳密には“全員”ではない)。それが乃木坂46や櫻坂46とは異なる、日向坂46らしいハッピーオーラを体現する軸となっていたわけで、改名から5年のタイミングでの選抜制度導入はグループの根幹を揺るがしかねないというファンの懸念があるのはうなずける。実際におひさまの間では賛否両論が巻き起こっており、選抜制導入へのとまどいを見せるメンバーへの心配の声も多い。

 しかし、アイドルグループの存続という観点に立ってみると、選抜制度はグループ内の競争を促すという意味で理にかなっている。実際、潮紗理菜や齊藤京子というグループの核となるメンバーが卒業し、四期生が成長してきたタイミングであり、運営の判断は十分に理解できる。だが、おひさまが心配しているのは、選抜という競争が生まれることによるグループの秩序の崩壊だろう。崩壊と書くととても大げさなことのように思えるが、要するに選抜制は良い面だけではなく悪い面ももちあわせている諸刃の剣だということ。だが、これまで日向坂46をファンの目線で見てきた筆者からすると、過度に心配する必要はないのではないかと思う。日向坂46が相手を思いやるメンバーばかりであるということを、きっとおひさまも分かっているはず。この大きな舵取りが、彼女たちを東京ドームへと再び立たせてくれることに期待したい。

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