Haze、東京初期衝動、ちゃくら、つきみ……独自の感性と言葉が共感を呼ぶ“ギャルバンド”の台頭

 ファッションのトレンドは20年周期で繰り返されると言われている。今から20年前の2000年前後と言えば、女性ファッションシーンとしては”ギャル”の最盛期。ギャル文化の発信で人気を博したファッション雑誌『egg』の創刊もこの時期で、2000年代前半はファッションだけでなくカルチャーとしても”ギャル”が大きくムーブメントとなっていた。

 あれから20年近くが経過した近年、Z世代の間で2000年前後のテイストを取り込んだファッションが「Y2K」と呼ばれ、いまやファッショントレンドの主流となっている。そして「ギャルピース」の流行やファッションなど、Y2Kからの派生としてギャルカルチャーにも再流行の兆しが現れている。そんな中、ファッションだけでなく、音楽シーンでもY2K、そしてギャル文化が再燃しつつある。2000年代前後の楽曲のリバイバルヒットだけでなく、今年ブレイクした韓国のガールズグループ・NewJeansもY2K的なファッションで注目を博した。国内ではシンガーソングライターの吉澤嘉代子がリリースした新作EPにはギャルをテーマにした楽曲が収録されており、現行音楽シーンでも”ギャル”の存在感は増しているのだ。

 とりわけ、一層ギャルの存在感が強くなりつつあるのがバンドシーンだ。近年、女性主体のバンドにおいて”ギャル”をキーワードとしたバンドが頭角を現しつつある。

Haze/ギャルガル/Official Music Video

 女性アイドルグループZOCの元メンバーである香椎かてぃが結成した4人組ロックバンド・Hazeは、ギター・ベース・ドラムにキーボードを加えた4ピース編成での生々しいバンドサウンドと気だるげな中にも芯のある歌声が印象的だ。昨年8月にMVが公開された「ギャルガル」はギャルらしい切り口の歌詞が印象的なサマーチューン。バンドメンバー4人全員がボーカルを担当するなど、その楽曲の構成も話題を呼んでいる。

【LIVE】東京初期衝動 - ロックン・ロール (22.5.7) 大気汚染ツアー@高松TOONICE

 4人組バンド・東京初期衝動はその破壊的なライブパフォーマンスも大きな話題を呼んでいる。自身が公言している銀杏BOYZからの影響を感じさせるパンキッシュなサウンドと衝動的な歌詞を軸としながらも、近年はメロディアスで切実な歌詞を内包した楽曲やシンセサウンドを取り入れた楽曲もリリース。徐々に自身の音楽性を拡張しながら各所で注目を集めている。

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