川崎駅隣接エリアの新アリーナ、キャパシティ拡大を報告 最大1.5万人収容可能の大規模会場に
京急川崎駅に隣接するエリアに、エンターテインメントを軸とした新たな複合施設の建設を目指す「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」の計画内容が更新された。
同プロジェクトが現在計画しているのは、スポーツやライブなどのさまざまな興行を開催可能なアリーナと、宿泊施設や飲食店、アート空間、公園など多彩な店舗・空間を兼ね備えた複合施設の建設。2024年までに設計の検討を進め、2025年には着工、2028年10月には開業予定だという。特にアリーナに関しては、京急川崎駅にほど近く、JR川崎駅からも徒歩5~10分、羽田空港からも電車で約10分という好立地になることから、国内に多数あるエンターテインメント施設の中でも利便性の高さが最大の強みとなる見込みだ。
今回、同プロジェクトに関して、11月21日にオンライン記者会見が開催され、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)ならびに京浜急行電鉄株式会社(以下、京急電鉄)の担当者より、プロジェクトの具体的な進捗状況について報告が行われた。
報告内容の中で注目したいポイントとしては、アリーナのキャパシティを拡大予定であることが挙げられる。当初の計画では、アリーナの収容予定人数は最大1万人規模だった。しかし、今回発表された計画では、最大1.5万人を収容可能に。建設予定地での用地取得が進んだことから、計画変更が可能になったという。
1.5万人規模のアリーナが完成すれば、1万人規模のコンサートを開催可能な横浜アリーナやさいたまスーパーアリーナ、国立代々木競技場、武道館などと並ぶ、首都圏を代表するコンサート会場が新たに誕生することとなる。DeNAの担当者は、アリーナの収容規模拡大について「海外アーティストのコンサート会場としても選ばれやすくなる。『世界に開かれたアリーナ』というコンセプトのひとつを実現することにつながる」と、見解をコメント。また、アリーナの計画にあたっては、芸能事務所などコンサートを主催する側の意見などもつぶさにヒアリングを行っていることを明かした。
また、アリーナの設計を手がける設計事務所も発表された。複合施設も含めた基本設計に関しては、東急歌舞伎町タワーや東京有明アリーナなど多数の実績を持つ国内大手設計事務所の久米設計が担当。アリーナの形状デザインや顧客体験のデザインに関しては、米国のOVERLAND PARTNERSが、アリーナの外装デザインについては、フランス・パリに本社を置くモロークスノキ建築設計が担当する。
このほか、複合施設にはSPAやホテル、レストランなども入る予定で、理化学研究所の試算によれば、経済波及効果は年間で約1270億円に達する見込みだという。
2028年の開業に向けては、今年から地域密着型で各種イベントを開催予定。その第一弾として、11月25日11時~20時、26日11時~17時に多摩川見晴公園周辺にて、音楽とバスケ、アートを中心にさまざまなカルチャーをミックスした新感覚のイベント『川BON!祭』が行われる。音楽ジャンルに関しては、すでにセク山、ナツ・サマー、DJ RINAの出演が発表されている。
アリーナの詳細なデザインや複合施設に入居するホテルなど、施設の全体像についてはこれから詳細を決定していくとのこと。今後、半年ごとに計画の進捗を公表していくという。