米津玄師、松任谷由実、藤井 風、Vaundy、XG……「紅白出ない」話題のアーティスト 追加の可能性は?

伊藤蘭×趣里 母娘コラボなど「世代を超える」ステージへの期待も

 一方で、今回のテーマ「ボーダレス」の説明に「世代を超えて」という文言があるのは示唆的と言えるかもしれない。“今”の音楽は共感性の強いものが人気を集める傾向があるぶん、リスナーが性別や年齢などの層で分断されてしまっている印象がある。

 そうしたなかで、今も変わらず幅広い世代に支持されているアーティストの代表と言えば、サザンオールスターズだろう。サザンオールスターズは、今年7月から3カ月連続で新曲を配信リリースし、9月27〜28日、30日、10月1日の4日間にわたって茅ヶ崎公園野球場にて10年ぶりに『茅ヶ崎ライブ』を開催するなど、精力的な活動を行ってきた。特に9月にリリースした「Relay〜杜の詩」は「オリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキング」で1位を記録。今もなお幅広い世代に愛される音楽を生み出し続けている。

サザンオールスターズ - Relay〜杜の詩 [Official Music Video]

 また、昨年デビュー50周年を迎えた松任谷由実の存在も期待したい。昨年10月にリリースされた『ユーミン万歳! 〜松任谷由実50周年記念ベストアルバム〜』が「オリコン週間アルバムランキング」にて初登場1位を記録したことにより、オリコン史上初となる「1970年代、1980年代、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代」の6年代連続でアルバム1位を獲得。この記録が、今年ギネス世界記録に認定されたという(※2)。こうしたレジェンドクラスが追加出場となれば、視聴者層はさらにグッと広がるはずだ。

松任谷由実 - カンナ8号線(松任谷由実 コンサートツアー 深海の街)

 あるいは、伊藤蘭が出場するとなれば、母娘の共演が待ち望まれる。現在放送中のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』の主題歌「ハッピー☆ブギ」は、中納良恵(EGO-WRAPPIN’)、さかいゆう、そして同作主演を務める趣里の3人が歌唱している。趣里は伊藤蘭の娘。趣里がこの曲で出演するとなれば、親子が同じ舞台に立つことになる。これもまさに「世代を超えた」ステージとなるだろう。ちなみに、同曲を作曲したのが服部良一の孫である服部隆之という点も大きい。『ブギウギ』のモデルとなった笠置シヅ子の時代から現代にまで脈々と受け継がれる音楽の歴史が、ひとつの歌に詰め込まれている。

「ハッピー☆ブギ」(中納良恵 さかいゆう 趣里) リリックビデオ

 テーマとの親和性という点では、ガールズグループのXGを推したいところ。J-POPでもK-POPでもない「X-POP」を掲げるXGの理念や姿勢は、「ボーダレス」の概念を完全に体現したものと言える。出場を果たせば音楽シーンをアップデートする新たなアイコンとなるだろう。

XG - NEW DANCE (Official Music Video)

 少し視点を変えて見ると、2023年は野球が盛り上がった年でもあった。『ワールド・ベースボール・クラシック』における日本の優勝は、お年寄りから子どもまで熱狂したに違いない。これにより国内の野球人気が再燃。プロ野球では、阪神タイガースが1985年以来となる38年ぶり2度目の日本一に輝いた。そこで球団歌「六甲おろし」の大合唱はどうだろうか。かねてより阪神ファンを公言しているあいみょんや10-FEETのTAKUMAはすでに出場が決まっているとして、水樹奈々や岡崎体育といった実際に甲子園で歌ったことのある面々がNHKホールに集結したら盛り上がるのでは……などいろいろと妄想は膨らむ。

 いずれにせよ年に一度の夢の舞台。出場者たちが作り上げる特別な一夜を楽しみに待ちたい。

※1:https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/130247/
※2:https://www.oricon.co.jp/news/2294840/full/

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