サザンオールスターズ、新曲三部作で貫く攻めの姿勢 世界中の音楽からインスパイアされて歌う“故郷への想い”

 サザンオールスターズの新曲「Relay〜杜の詩」が配信リリースされた。

 デビュー45周年を迎え、「サザン2023新曲三部作」として3カ月連続で新曲を配信リリースしてきたサザンオールスターズ。第一弾楽曲「盆ギリ恋歌」、第二弾楽曲「歌えニッポンの空」に続き、「Relay〜杜の詩」で3曲が揃ったことになる。聴いて改めて実感したのは、国民的バンドとしてこれだけの長いキャリアを重ねてきた彼らが、過去の栄光に頼らず、今なお、果敢に“攻めている”ということだ。

 もちろん、サザンはこれまで数えきれないほどの名曲を世に送り出してきた。その偉大さや功績は言うまでもない。ただ、それでも今語るべきは新曲の面白さ、意義深さだと思う。音楽的な側面においても、テーマやメッセージ性の側面においても、今の時代に向き合いつつ、刺激的な挑戦を見せている。そこが何よりのポイントだ。そういう意味で、日本のポップミュージックのシーンにおける現役トップランナーであると改めて感じる。

 そして、「サザン2023新曲三部作」の3曲が揃ったことで、バンドが持つ多面的な魅力と今のモード、そして共通するトーンが見えてきた感もある。

 そういう観点から、3曲それぞれの聴きどころを紐解いていきたい。

 まずは「盆ギリ恋歌」。

サザンオールスターズ - 盆ギリ恋歌 [Official Music Video]

 サザンらしい奇想天外でユーモラスで妖艶なダンスナンバーのこの曲。「盆ギリ」というフレーズは「五木の子守唄」が由来だろう。〈盆ギリ盆ギリ/夏は盆ギリ〉から始まる歌詞のフレーズには、〈シッポリシッポリ〉〈ほんにゃら ほんにゃら〉〈ぼんぼりぼんぼり〉と、各所に発語の快楽に満ちた言葉の響きが散りばめられている。セクシャルでエロティックなイメージもありつつ、〈今は亡き人と/素敵なLovely Night〉などお盆の季節らしい死者との交歓や情愛というモチーフを持つ歌でもある。

 レトロだけど不思議な新しさを持つサウンドセンスも特徴だ。盆踊りとファンクと60年代のエレキインストが同居し、独特の猥雑さを響かせている。サウンドセンスを感じさせる1曲だ。ラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』(TOKYO FM/JFN)で桑田佳祐が語っていたことによると、インドネシア歌謡に着想を得たのがこの曲を作ったきっかけだったとか。世界中の音楽と歌謡曲をミックスするのが桑田佳祐のソングライティングの大きな特徴であるのだが、インドネシアにもアンテナを張っているという感度の高さには恐れ入る。

 〈サザンビーチでナンパするなら/ヨシオんとこ(夏倶楽部)でshow!!〉という歌詞も注目。〈ヨシオ〉というのはサザンビーチちがさきで海の家「夏倶楽部」を営む桑田佳祐の幼馴染み、大久保義雄さんのこと。今回の「サザン2023新曲三部作」は3曲ともどこか“故郷(ふるさと)”を想う気持ちがテーマにもなっていて、それゆえこの曲にも桑田佳祐の出身地、茅ヶ崎にまつわるフレーズが歌われているということなのである。

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