2023.09.02 18:00

ちゃんみな「命日」はなぜ聴く者の心情に寄り添う名曲となったのか？　自分と他者の“命の行方”を歌い、手にした新たな境地

文＝小松香里

　2018年から続けてきたワンマンライブ『THE PRINCESS PROJECT』を2021年の武道館で終結させたちゃんみな。次は“KING”か“QUEEN”に移行するのかと思いきや、今年3月に開催された初の単独アリーナ公演のタイトルは『AREA OF DIAMOND』だった。ちゃんみなはこのタイトルについて「もっと広い意味を持たせたかった」と説明している。また、幼い頃から自分のことを理解されないことに対して過敏に反応してきたというちゃんみなの特性は、オーディエンスに対しての疑念や警戒心にも繋がっていた。しかし、昔から自分を支持してくれているファンに対し深い愛を感じたことによって、強い信頼感が生まれ、すべてをさらけ出した『Naked』というアルバムが誕生した。

　『Naked』は日本語のみならず、ルーツである韓国語や英語が織り交ぜられ、海外のトレンドともリンクするサウンドも含め、非常にグローバルなアルバムだ。自ら設立したレーベル NO LABEL MUSICからリリースされる作品に相応しく、ラベリングやカテゴリーは不要。韓国人でも日本人でもなく、ポップでもヒップホップでもロックでもないちゃんみなを受け入れてくれた音楽への思いを体現した、開かれた作品であった。「命日」の懐かしくもフレンドリーな旋律、開かれたリリックは明らかに“『Naked』以降”を感じさせる。

ちゃんみな - I'm Not OK ( AREA OF DIAMOND @ 横浜アリーナ ) -

CHANMINA - Mirror (Official Music Video) -

　『Naked』にはロック調の楽曲「I'm Not OK」や「Mirror」が収められているが、この新しいサウンドデザインを持った楽曲の歌唱に対してちゃんみなは「音の変化に伴い、歌もラップも変わっていった。歌唱力が付いていったことで、昔だったら歌えなかったであろうロック調の曲をやってみた」（※1）と明かしていた。「命日」の新たな歌唱アプローチも、これまでの積み重ねの賜物だ。

　「命日」の振り切り方を踏まえると、ちゃんみなはさらに何にも縛られずに、自由に音楽と向き合っているのだろう。今後のさらなる飛躍に期待が高まる。

※1：https://numero.jp/interview380/p5

■配信情報
Digital Single『命日』
配信中

配信URL：https://chanmina.lnk.to/meinichi

■リリース情報
4thフルアルバム『Naked』（読み方：ねいきっど）
発売中

・初回生産限定盤：WPCL-13457／税込7,150円（税抜6,500円）
・通常盤：WPCL-13456／税込2,750円（税抜2,500円）

＜収録内容＞※初回生産限定盤と通常盤共通
01. Good
02. RED
03. 444
04. Wake up call
05. Don’t go feat. ASH ISLAND
06. サンフラワー
07. You Just Walked In My Life
08. naked now
09. Mirror
10. FUCK LOVE
11. Miso soup
12. B級
13. クズになったらしいじゃん
14. 美人 (Remix) feat. Awich
15. TOKYO 4AM
16. Love Face
17. I'm Not OK