Vaundyは『RSR』で藤井風「何なんw」を披露 King Gnu 井口理&aikoら、カバーを通じたアーティスト同士の交流
アーティストが他のアーティストの楽曲をカバーする姿に気持ちが昂る音楽ファンは多い。カバーを通してアーティストの音楽的なルーツを感じたり、普段は聴くことのできない楽曲を歌う姿に痺れたり。音楽を愛していれば誰しもそんな経験があるのではないだろうか。
先日開催された『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2023 in EZO』でVaundyが披露した藤井風「何なんw」のカバーが話題を呼んでいる。
Vaundyは昨年開催の同フェスへの出演を予定していたが、新型コロナウイルス感染により出演がキャンセルに。その代打として出演したのが藤井風。YouTubeでの緊急生配信も行われる中、藤井はピアノ弾き語りで夜の石狩に心地よい歌声を響かせた。藤井はサプライズとして、同フェスに出演予定だったものの叶わなかったミュージシャンたちの楽曲をカバー。King Gnu「Vinyl」やカネコアヤノ「祝日」、BiSH「オーケストラ」などバラエティ豊かな楽曲をさらりとカバーしてみせる藤井の堂々とした姿に、会場に集まった観客はもちろん、YouTubeを介して全国の音楽ファンが釘付けになった。さらに、Vaundyの代打としての出演だった藤井は「踊り子」「恋風邪にのせて」といったVaundyの楽曲4曲もカバー。出演がキャンセルとなり悔しい思いをしているであろうVaundyに対して、以前より親交の深かった藤井からのエールがこめられたカバーであると共に、Vaundyファンを楽しませたいという藤井の心意気を感じるステージであった。
あれから1年が経ち、今年の『RSR』のメインステージには昨年のリベンジとばかりにVaundyがオンステージ。そして後日、藤井風の「何なんw」をプレイした映像がVaundyの告知用X(旧Twitter)アカウントに公開された。昨年からのストーリーを知っている観客、そして昨年のピンチを救ってくれた藤井に対するVaundyからの恩返しのようなカバー映像が、多くの音楽ファンの心を掴んだ。
音楽シーンを盛り上げたカバーといえば、少し遡るがKing Gnu・井口理によるaiko「カブトムシ」のカバーもそうだろう。J-POPをルーツに持つ井口にとって、aikoの音楽も自身の源流のひとつであった。一方でaikoもブレイク前のKing Gnuの楽曲を自身出演のラジオ番組でレコメンドするなど、浅からぬ縁があった両者。
その後井口は自身がパーソナリティを担当していた『King Gnu 井口理のオールナイトニッポン0(ZERO)』にてaikoの「KissHug」をカバー。CD音源に乗せた簡単な歌唱ではあったものの、aikoへの想いが溢れる歌であった。そんな井口の想いが叶い、『ANN 0』に二度のゲスト出演を果たしたaiko。2020年2月にゲスト出演した際にはふたりで「カブトムシ」をデュエットし、その息の合った姿とハモりが大きな話題を呼んだ。今年2月には特番『aikoと井口理のオールナイトニッポン』が放送。3年ぶりの「カブトムシ」のデュエットで番組は大いに盛り上がった。「KissHug」の歌唱がきっかけとなり、ふたりの名前が冠された番組まで生まれる。カバーを通じたアーティスト同士の交流としては最高の例と言えるだろう。