そして、2000年になると日本を代表する音楽フェス『SUMMER SONIC』がスタートする。現在では、大自然型フェスの『FUJI ROCK FESTIVAL』、都市型フェスの『SUMMER SONIC』（以下、サマソニ）というイメージが強いが、初回のサマソニは、富士急ハイランド・コニファーフォレストの野外会場で開催されていた（大阪はWTCオープンエアスタジアム）。コニファーフォレストは、先ほど挙げたGLAYやLUNA SEAなど多くの野外ライブが開催された東京湾のベイエリアと並び立つ、野外ライブのメッカであり、Mr.ChildrenやTHE YELLOW MONKEY、氣志團から、最近では、SEKAI NO OWARI、DISH//や坂道グループなどがライブを開催している会場だ。今年7月には、大型野外ライブ初挑戦のSUPER BEAVERが『都会のラクダSP～真夏のフジQ、ラクダにっぽんいち～』と題した2Daysのライブで計4万人を動員するなど、新たな野外ライブの歴史が刻まれている。

　スタジアムツアーに組み込まれることの多い日産スタジアムも、野外ライブのメッカと言えるだろう。奇しくも前述の『GLAY EXPO '99 SURVIVAL』やLUNA SEAの10周年記念ライブと同じ1999年、日産スタジアム（当時は横浜国際総合競技場）で史上初めてライブを開催したのがB'zだった。コニファーフォレスト同様、安定した高い動員力を誇るアーティストのライブ会場として選ばれることが多く、B'z以外にMr.Childrenやサザンオールスターズ、SMAP、矢沢永吉なども複数回ライブを開催している日産スタジアムだが、2023年にはKing GnuとUVERworldが初めてそのステージに立った。特に『UVERworld KING’S PARADE 男祭りREBORN at NISSAN STADIUM 6 VS 72000』と銘打ったUVERworldの2日目のライブでは、自身が持っている男性限定ライブ動員数の日本記録を更新している。

　このように振り返ると、伝説的なエピソードの尽きない野外ライブ。この夏から秋にかけては、『B'z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS-』や、茅ヶ崎公園野球場で開催されるサザンオールスターズの『茅ヶ崎ライブ2023』なども予定されており、コロナ禍でシュリンクした野外ライブがフルスペックで楽しめる環境が戻りつつある2023年以降、新たな伝説が生まれるに違いない。