KREVA、“新たなループ”を象徴する『NO REASON』ツアーファイナル 怒涛の熱量で高まった武道館ライブへの期待

「危うくみんなの声援がないライブに慣れそうになっていた。でもやっぱりこうやって(有歓声でライブが)できると、これが本当の姿だって思うんだよね」

 KREVAがそう語ると、満員の会場からは大きな歓声と拍手が起こった。この瞬間、3年間張りつめていたコロナ禍の緊張の糸がやっと解けたような思いがした。コロナ禍以前は当然だと思っていたこの空間を、皆それぞれが置かれた環境のなかで我慢しながら、苦悩しながら待ち望んでいたのだ。

 7月9日、KREVAのコロナ禍以降初となる有歓声ライブツアー『KREVA CONCERT TOUR 2023「NO REASON」』がファイナル公演を迎えた。自身の誕生日、6月18日の宮城・SENDAI GIGSを皮切りに大阪・Zepp Osaka Baysideを経由し、神奈川・KT Zepp Yokohamaまで3都市のライブハウスをまわったこのツアー。ツアー開催を発表するに際して出された「一つ一つの段階を経て、遂に『有歓声』ライブの開催を発表することが出来ました。躊躇う理由も断る理由も無いです。楽しみましょう!」(※1)といったKREVAのコメントの通り、これまで制限されてきたコールアンドレスポンスやシンガロングが溢れるインタラクティブなライブになった。すでに発表されている9月15日の武道館公演に向けて最高の流れを作ったこの3公演。ライブハウスの熱狂をそのままに迎える武道館公演への期待が膨らむ。

 コールアンドレスポンスや掛け声によって、オーディエンスと渾然一体になって相乗効果的に盛り上がりを生み出すKREVAのパフォーマンススタイルを考えると、無観客公演や歓声の制限が強いられたこれまでの期間は、思うようなライブができず臍を噛むような思いだったことが容易に想像できる。片方向的なライブの可能性を探り続けたこの3年間、セットリストを組むにあたってもコールアンドレスポンスが肝になるような楽曲は、なかなか披露することが難しかったとKREVAもMCで振り返っている。

 それでもコロナ禍でのライブのあり方を試行錯誤し続けてきたKREVA。セットリストの構成だけでなく、ビルボードライブのような小規模公演の開催や、ライブのオンライン配信など、その時々にできる最善のライブの楽しみ方を提案してきた。3年という年月は思ったより長いもので、コロナ対策に対応した新しいライブの楽しみ方がすでに浸透してきてしまっている感覚さえある昨今、以前のライブの楽しみ方を忘れつつあるオーディエンスも多いかもしれない。そんななか「一緒に作るライブだったわ、と思い出してほしい」というMCでの言葉が、このライブツアーに通底するKREVAからのメッセージであるように感じる。

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