ハロプロ研修生、グループ加入の可能性は？　過去の実力診断テスト結果を踏まえて検証

デビュー先は既存のハロプログループか、それとも……？

　昨年2022年の実診では、票数が2人だけ抜きん出ているということで、松原ユリヤと小野田華凜がBPを同時受賞という特別措置が取られた。そして同年6月にこの2人を含む5人組ユニット「ハロプロ研修生ユニット'22」が編成された（今年「ハロプロ研修生ユニット'23」に改名）。これは前述の石栗の流れに似ており、ファンの間ではこのユニットもこれからのデビューが予想されている。

　今年2023年の実診は、これまでの「歌唱賞」などのサブ的な賞は廃され、単純に観客投票数の1位と2位それぞれに「ベストパフォーマンス賞」「準ベストパフォーマンス賞」が、川嶋美楓と後藤花に贈られた。

　現15歳の川嶋は2021年8月に吉田姫杷と2人で研修生へ加入、実診への参加は今回が2回目。課題曲のごまっとう「SHALL WE LOVE?」、自由曲の℃-ute「悲しきヘブン」を完成度の高いパフォーマンスで披露した。特に「悲しきヘブン」は、オリジナルでは鈴木愛理と岡井千聖のツインボーカルで複雑なハモりが特徴の楽曲だが、そこを1人での歌唱に挑戦して見事に歌い上げるという離れ業を見せてくれた。

　現14歳の後藤は2022年2月に研修生へ加入、実診への参加は川嶋と同じく2回目だ。課題曲の「あなたなしでは生きてゆけない」はBerryz工房のデビュー曲でクールな曲調だが、物怖じせずにきっちりとパフォーマンス。自由曲はモーニング娘。の2012年のバラードナンバー「Be Alive」。普段は天然でコミカルなキャラクターの彼女の真っ直ぐな歌唱が観客全員の心を射抜く、そんな印象を受けた。

　さて、前例に沿えば今年BPを受賞したこの2人も、近い将来に何らかの形でハロプロ正規メンバーとしてデビューすることが予想される。ではそれはどのような形なのだろうか。

　ひとつ考えられるのは、現ハロプログループの補強という意味合いだ。アンジュルムは約1カ月後に迫った6月21日の横浜アリーナ公演をもって竹内朱莉が卒業、モーニング娘。'23は今秋のツアーをもって譜久村聖が卒業、つばきファクトリーは山岸理子と岸本ゆめのがやはり今秋のツアーをもって卒業という予定になっている。つまりそれぞれの卒業後に空いた穴を埋めるようなタイミングでいずれかのグループに加入するのでは……という予測が成り立つ。

　後藤花は、ハロプロ研修生での活動の他に、バラエティ番組『おはスタ』（テレビ東京系）内のアシスタントである「シン・おはガール」としてレギュラー出演中。まだ研修生の段階でハロプロ外の仕事があるのは珍しく、しかも番組内ユニット、シン・おはガールとしての配信シングル「イッテラシャキット!!!」で今年1月に歌手デビューもすでに果たしている。言ってみれば彼女は、研修生とはまた別の場で、アイドル／芸能人としてのスキルを毎日早朝に磨いている最中にあるということ。

　ちなみに、番組内での後藤花のニックネームは「ごっちん」なのだが、これはハロプロ古参ファンにとっては、後藤真希のかつてのニックネームと同一であることをどうしても想起してしまう。さらに言えば、実診の今年と去年の自由曲で後藤花が自分で選んだハロプロ楽曲は、「Be Alive」「ここにいるぜぇ！」と、どちらもモーニング娘。の楽曲である。これらの既成事実を総合すると、後藤花はハロプロの看板グループであるモーニング娘。に加入するのでは……という仮説が俄然真実味を帯びてくる。実際、ファンの間では『おはスタ』出演決定時からそのような声がよく出ている。

　他にファンの間で話題となっている予測としては、ハロプロ新グループの結成メンバーに選ばれるのでは、というもの。前述したOCHA NORMAは、ハロプロ研修生ユニットとしてインディーズ活動していた4人に、他の研修生メンバー4人を加え、さらに『ハロー！プロジェクト 新メンバーオーディション2021』から選ばれた2人を加えた総勢10人で結成されたグループである。要するに、前述のハロプロ研修生ユニット'23の5人がメジャーデビューする際に、何らかの追加メンバーがあるということも十分有り得る話だろう。それは、現在開催中の『モーニング娘。25周年記念 オーディション』で見出された人材かもしれないし、今年のBPを獲った2人のうちのどちらか、あるいは両方かもしれない。

　とはいえ、いつだってファンの予想外の方向へ進行するのがハロプロのメンバー人事。今回もどういった顛末を迎えるのか、注視して待ちたい。