TWICE、米ビルボード主催授賞式で部門賞を受賞　現地メディアの記事から探るグループの評価

　また、TWICEのパフォーマンスについても、その表現力の豊かさや歌唱力が評価されている。例えば、アメリカのWEBメディア『MTV NEWS』では、2019年の『TWICE WORLD TOUR 2019』のレポートで「TWICEの真の実力はバラードステージで発揮された。（中略）バラードステージは厄介なもので、せっかくのライブの勢いをそいでしまうことがある。しかし、白い衣装に身を包んだTWICEは、オープニングから高まってきたエネルギーとピュアな感情を見事にマッチさせ、ダイナミックで共感できるパフォーマーであることを証明した」と、そのパフォーマンス力に言及（※4）。

　さらに、TWICEがポップな楽曲からバラード、セクシーな雰囲気を持つ楽曲まで幅広くパフォーマンスを披露できる点についても、「今日のガールズグループが持つ芸術性と多面性は、1つのコンセプトでは収まりきらない。TWICEはその典型的な例だ」と表現力の豊かさを評価している（※4）。

　彼女たちのパフォーマンスについては、米国内で4位の発行部数を誇り、老舗メディアとしても知られる『Los Angeles Times』WEB版でも言及されている。ファンへのインタビューを中心に、TWICEが巻き起こした熱狂を描き出そうとした記事の中では、ファンの言葉とともにこのように記されていた。

“They have so much energy and they don’t lip-sync, which is rare in K-pop,” Oberman said. “They really care about their live performances.”（※5）

　意訳すると、「『TWICEはとてつもないエネルギーを持っていて、K-POPグループの中でも特に歌を大切にしているんです』 Oberman氏は語る。『彼女たちは本当にライブパフォーマンスを大切にしています』」という形でTWICEの魅力が語られている。

　高いパフォーマンスレベルを求められることの多い欧米の音楽シーンで、彼女たちの完成されたパフォーマンスはひとつのアーティストグループとして、以前から評価されてきた。特に彼女たちの歌唱力や表現力は、アメリカのエンターテインメント専門メディアの記者をもうならせるほどの実力だからこそ、質の高いエンタメ作品にあふれる欧米で着実にファンの心をつかんでいるのかもしれない。このような評価が積み重なってきた結果が、『Billboard Women In Music 2023』の受賞に繋がったと言えるのではないだろうか。

　最後に、今回の受賞に関して米ビルボードの記事を見てみると、彼女たちのチーム力とファンとの関係性、発展性に言及がある。「K-POPグループが7年以上続くことは珍しく、TWICEのように結束が固いグループはなおさらだ。TWICEは今もなお進化を続けており、ファンとよりオープンになるための新しい方法を見出している」（※6）

　2023年1月20日にリリースした英語シングル『MOONLIGHT SUNRISE』が米ビルボードメインチャートで84位に入り、『The Feels』以来2度目のチャートインに成功するなど、アメリカの音楽市場でも存在感が高まりつつあるTWICE。世界で躍進を続ける背景には、印象的で耳に残りやすい楽曲と、歌も含めた高いパフォーマンス力がいちアーティストとして評価されている姿が見えてくるのである。

※1：https://time.com/5671342/twice-k-pop-everything-to-know/
※2：https://www.cosmopolitan.com/entertainment/music/a40477145/twice-k-pop-what-to-know/
※3：https://www.billboard.com/lists/best-kpop-songs-2022/kara-when-i-move/
※4：https://www.mtv.com/news/uw2fzl/twice-twicelights-tour-newark-review
※5：https://www.latimes.com/entertainment-arts/music/story/2023-03-06/k-pop-act-twice-draws-swarms-of-fans-during-pop-up-appearance-on-melrose
※6：https://www.billboard.com/music/features/twice-billboard-women-in-music-breakthrough-interview-1235258462/
（上記全て著者訳）