et-アンド- 初ドラマタイアップでの挑戦と2023年にかける想い 野島樺乃「撮影現場はまさにカオスだった」

「“もうだめかもしれない……!”って思うくらい高かった」(野島)

野島樺乃

――どうやら、今作のレコーディングではそれぞれに試練があったようですね。ここまでのお話も聞き所に繋がりそうですが、ほかにもあればぜひ教えてください。

栗本:サビに2回「エイエイオー」というコーラスが入っていて、メンバー全員で歌っているんですけど、(ディレクターに)「自分の中で出せる一番変な声を出してみて」と言われたんです。なので、私はカエルみたいな声で歌っています(笑)。サビ頭に入っているので、ぜひ聴いてみてほしいですね。よくよく聴いたらめっちゃ変な声じゃん! ってなるので(笑)。

野島:バックサウンド系で行くと、同じくサビの〈どこまでもカオス 気がつけばKO〉のところも聞き所ですね。原キー自体も高いんですけど、私はこの上ハモやっていて。自分が出したことないような高い声を出しているんですよ。「これ、本当にあってる?」「もうだめかもしれない……!」って思うくらい高かったです(笑)。もちろん裏声を使ってはいますけど、あまりにも高くて自分で笑いそうになっちゃったところなので、耳を澄まして聴いてみてほしいですね。

モラレス:それ、覚えとるかも。私とのんはブースの外にいたんですけど、「高くない?」「私らも歌うんかな?」って言っていました。

――そのあとで歌うから。

山崎:そうです(笑)。

モラレス:そうしたら樺乃だけだったので、ホッとしましたけど!

野島:(笑)。あと、これも個人的なことになっちゃうんですけど、サビの〈Uh Uh Uh〉は、可愛い印象なんですけどただ可愛くやるんじゃなくて。「しめしめ」みたいな、不敵な笑みを浮かべるようなニュアンスを入れています。

――意図的に。

野島:はい。というのも、ちょっとキャラクターっぽいなと思ったんです。今回タイアップしているドラマは、ネズミの一家がウェディングプランナーの人間に乗り移って結婚式をどう盛り上げていくかがテーマなので、「ネズミだったら、キャラクターっぽい口調になるのかな」と。単体で〈Uh〉をただ発音するだけじゃなくて、ドラマに登場するネズミっぽい感情も入れながら歌ったポイントではあります。

――ちなみに、MVは個別のシーンがメインだったようですが、最後には4人集まっての撮影もあったと。当日の裏話も聞きたかったのですが、いかがでしょうか?

野島 実はその日、予定通りに進まなくて。ソロの撮影が終わって、全体の撮影が始まる頃にはだいぶ押していたんです。だからっていうのもあれですけど……4人ともハイテンションになっていて(笑)。楽屋でくだらないことで笑ったり、スタジオに置かれていたマネキンに喋りかけて一人で笑ったりしていました。

栗本・モラレス・山崎:やばいやばい(笑)。

野島:まさにカオスな現場でした(笑)。でも、4人全員での撮影で最後だったので、私もリーダー気取って「行くよみんな! 頑張ろう!」とか声をかけていましたね。

モラレス:あと私、現場にバッグを置いて帰っちゃいました。差し入れで頂いたものとか、お弁当はしっかり手に持っていたんですけど。

――貴重品が入っているはずのバッグを現場に置き去りに。

モラレス:しかもマネージャーさんにかかってきた電話でようやく気付いたんですよ。2021年の年末にも1回忘れているので、1年に1回くらいのペースで忘れちゃうみたいですね。すごいですよね。やばいですよね(笑)。

「ラップに挑戦して歌の幅が広がった」(山崎)

山崎カノン

――せっかくこのタイミングでお話を聞くので、2022年の振り返りもしていただきたいなと思っています。どんな1年でしたか?

栗本:すごく濃くて、成長できた1年でした。前半は、3月に東名阪ツアー(『Bloom tour 2022』)があって、勢いづいてきたなと思っていたんですけど、夏に体調を崩してしまい……正直なところ、悩む期間が多かったように思います。メンバーとコミュニケーションをとる機会も少なくなってしまって悔しかったんですけど、後半に入るとまたいろんな地方にも行けるようになって、各地のお客さんに出会って。「et-アンド-のことを新たに知ってもらえているな」と感じる機会がすごく増えました。年明けのお仕事も決まったりして、頑張ったことが結果につながったというか。結果的に嬉しい年になりましたね。

山崎:盛りだくさんで、あっという間の1年でした。特に後半はほぼ毎日って言ってもいいぐらいet-アンド-のみんなと一緒に居て、カレンダーにスケジュールがたくさん埋まっているのが嬉しかったですし、ホームページのライブ情報やメディア情報がこうどんどん更新されるのを見ると「充実してるな」と感じました。あとはやっぱり、ツアーですね。3月と9月に2回もやることができて、パフォーマンスの機会が増えたぶん、周りの方々やファンの方々に成長したねと言っていただけることも増えました。2023年は、こういう機会がさらに増えて、もっと多くの人にet-アンド-を知ってもらいたいです。

モラレス:3月と9月にツアーで東名阪を回って、10月の半ばぐらいからもう毎週イベントがあったので、土日にファンの方に会わない日がほぼないぐらいだったんです。本当に怒涛で忙しかったんですけど、私はみんなといる時間が増えて楽しかったです。私たちは基本車移動なんですけど、車移動って大変そうだなって思うじゃないですか? これが本当に楽しいんですよ! みんなでサービスエリアに行って、「何食べる?」って相談したり、「これ買ってくださいよ」ってマネージャーさんにねだったり(笑)。そうやってわちゃわちゃできているのが楽しい。この1年で、ますます仲が深まって、みんなで成長できたなと思います。

野島:イベントに出ると「〇〇きっかけで知りました」「ファンになりました」と、言ってもらえる機会が増えるんです。秋以降はそれを実感する場面もあって、「グループとして成長できているかも」と感じました。それに、YouTubeで公開しているMVは少しずつ再生回数も伸びてきていて、それだけ観てもらえているんだなと思うと嬉しいし、自信にも繋がりました。ただ一方で、「ツアーは全公演ソールドアウトしよう」という目標を立てていたんですけど、達成できなかったんです。その悔しさは4人の中にしっかりあって、自分たちを奮いたたせていると思うので。ドラマタイアップのチャンスもちゃんとモノにして、ここから先も成長していきたいです。

――ちなみに、1年ほど前に取材させてもらった時には、「MC力をつけたい」というお話をしていましたが、成長できた実感はありますか?

野島:めちゃくちゃありますよ。……自分たちでこんなふうに言い切っていいのかわからないけど(笑)。

モラレス:ライブで実際にMCをこなしているのももちろんなんですけど、今年から始まった「et-アンド-のskill up TIME」というSpotifyのMusic+Talkで実施しているポッドキャスト番組も大きいです。番組の冒頭で、「トーク力がまだ足りないと言われているet-アンド-が〜」と挨拶しているくらいなんですけど、この番組をやることでフリートークの力がついてきたと思うんです。

――毎回、ダメ出しをされたりアドバイスをもらったりしながら、収録していると聞きました。

モラレス:そうなんです。それもあって最近は、「トーク力が足りない“かもなあ”と言われているet-アンド-が〜」と、文章がゆるくなりました。ほめてもらうことも増えたし、1年前よりは上達していると思います。

野島:1年前より個々のキャラも立ってきたから、MCしていてやりやすいなと感じるようにもなりましたね。例えばのんは妄想キャラなので、恋愛トークになったときにはとりあえず話を振れば間違いないんです。で、現実チームがツッコミを入れればまとまるし(笑)。ほかにも、「こういうときは、天然の優音に振ればよさそうだ」とか「きあらなら、テンションを上げてくれそうだ」とか考えられるようになったのは大きいです。

――では、2023年にさらに変わっていくために、強化したいポイントはありますか?

山崎:私はやっぱり歌ですね。「恋のせい、」でラップに挑戦できたことで、幅がちょっとだけ増えたんです。今まではウィスパーボイス担当でしたけど、それ以外のものもできたのが自分の中で結構大きなこと。今後もいろんな楽曲で「こんな歌い方もできるんだ!」と思ってもらえるように、幅を広げて行きたいなと思います。

モラレス:et-アンド-はボーカルグループと名乗っているので、歌のスキルはもっともっと上げていかないといけないなと思います。そこだけは絶対に怠ってはいけないところなので、1年後には「また上手くなったね」と言われるようにみんなで努力していきたいですね。

栗本:そう、私も歌はもちろんなんですけどそれ以外でいうとSNSももっと伸ばしたいです。今はとくにドラマをきっかけに知ってくださる方が多いと思うので、ドラマを盛りあげつつ広めていけたらいいなと。

――近年はSNSがブームの起点になっていますからね。

栗本:バズるまでがすごく長くて、今は正直何をすればバズるのか全く掴めていないんですけど、だったらとにかくいろんなものに挑戦して、きっかけを作っていくしかないと思うんです。私たちは、一人ひとり力を入れているSNSが違うので、今以上に強化したいですね。1回バズッたらそこからは早いと思うので、ひとまずそれまでは試行錯誤しながらやっていきたいです。

野島:SNS周りでいうと、et-アンド-公式YouTubeチャンネルでアップしている「歌ってみた」とは別に、私個人でも弾き語りとかを投稿していきたいなと思っています。洋楽にもちょっと挑戦してみたいなという思いがあるので。ちょっとずつ撮り溜めていくつもりです。

――とすると、割と具体的な構想がありそうですね。

野島:はい。et-アンド-に属している以上グループのイメージを崩したくないし、あげるならカッコつけた動画にしたいなあという思いが自分の中であるので、少しずつですけどね。こだわりながら進めるつもりです。2023年は、1、2個は上げたいです。

関連記事