プロダンスリーグ『D.LEAGUE 22-23』ROUND.5　avex ROYALBRATSが首位奪取＆“個の魅力”が際立つゲームに

　そして第5ゲームのFULLCAST RAISERZ（青）とdip BATTLES（赤）の対戦では、FULLCASTの20-21シーズン・ROUND.3で魅せた作品の続編となるナイトメアな世界観が炸裂。鏡ネタでも、三面鏡を表現した場面もあり、圧巻の構成力だった。dipは、ひとり不思議な衣装のAITOを中心にジャズハウスで見せていくが、一歩及ばず。

　5－1（オーディエンス：青／Koji：青／HideboH：青／SHINICHI：青／KAORI：青／川本：赤）でFULLCASTが競り切った。

　FULLCASTのBABY TWIGGZは「SWEEPしたかったですが、簡単にいかないのが勝負。『RAISERZは力技だけ』と言われることもあるので、そこが詰め切れなかったかなと反省です。とはいえ年明けも勢いに乗って、CHAMPIONSHIPに向けて駆け上っていきたいです」とすでに次戦を見つめた発言。

　いよいよ年内最後の試合、Benefit one MONOLIZ（青）vs avex ROYALBRATS（赤）。Benefit oneはテーマである「カンフー」を持ち味のしなやかな動きで表現する。衣装、音楽も世界観と総合演出的に抜け目なし。これを覆しにかかるavexは、ゲストコレオグラファーにZoo-Zooを迎え、「ストレズ」と題したショウケースで挑む。コンテンポラリー＆シュール、それでいて細かい振りとステージを広く使った構成で会場を沸かせた。

　どうなるかと思われた本試合の結果は、0－6（オーディエンス：赤／Koji：赤／HideboH：赤／SHINICHI：赤／KAORI：赤／川本：赤）でavexが前回に引き続きの2連続SWEEP勝利。年の瀬に貴重な勝ち点4を得る。

　これを受けて、アメリカから参戦していたShiggyが「僕が加わったROUND.4も5もSWEEP勝利となり、応援ありがとうございました。僕は一旦アメリカに戻ることになりますが、avexの応援をよろしくお願い致します。ここまで来れたのは皆様のおかげです」とメッセージを送った。

　ROUND.5を経た順位は以下の通り（カッコ内：チャンピオンシップポイント）。avex ROYALBRATS（15）、SEGA SAMMY LUX（13）、CyberAgent Legit（13）、LIFULL ALT-RHYTHM（12）、FULLCAST RAISERZ（12）、KADOKAWA DREAMS（7）、KOSÉ 8ROCKS（7）、Benefit one MONOLIZ（7）、dip BATTLES（7）、USEN-NEXT I’moon（1）、SEPTENI RAPTURES（0）、Valuence INFINITIES（0）。最も印象に残ったダンサー・MVD（Most Valuable Dancer）には、KADOKAWAのHINATA.Mが選ばれた。

　終了後、TAKAHIROはROUND.5を「会場でメンバーの名前を叫んでいる人が増えた。個人がスターとして際立ってくる。チームだけでなく個の魅力にも気づいてほしいですね。会場を盛り上げたチームがジャッジにもプラスに影響する。作品で魅せて、会場を包み込むチームが勝っていくんじゃないかなと」と総括。

　彼がスペシャルセレクトとして挙げたのは、FULLCAST RAISERZ。その理由を「すべてのジャンルの項目がハイレベル。しっかりテクニックで鏡を見せて、分かりやすいストーリー、ダンス以外でも見せる構成力、髪の色を反転させて染めているところもハートに響きました」と説明した。

　ついにCyberAgentの牙城をavexが覆し、1位に踊り出た。だが、まだまだどう転がるかわからない順位となっている。そしてシーズン折り返しとなる次戦はソロ、デュオ（2人）、トリオ（3人）で行われるCYPHER ROUND。個人スキルや即興など、これまでとは違った戦略が要求されるが、どうなるかは検討もつかない。『第一生命 D.LEAGUE 22-23』ROUND.6は1月11日。まだ見ぬ新たな戦いに注目しよう。