小野大輔、鈴村健一、森久保祥太郎、寺島拓篤……『おれパラ』15周年で見えるそれぞれを尊敬し合う姿

 4人のホストのそれぞれの楽曲を聴いてみても、一つとして似た音楽がなく、世界観を確立している。例えば小野の楽曲からは、独自の温度が感じられる。さまざまなストーリーを読み取ることができ、演じるように世界を編み上げる彼ならではの独自性がある。鈴村の音楽には、強いメッセージ性やテーマ・哲学があり、その巧みな言葉の表現によって聴く側が力を得られるという唯一無二の魅力がある。森久保は作詞作曲を自ら手掛けている。重厚で骨太なロックサウンドで、魂を揺さぶるような強さがあり、その姿勢は一アーティストとして一貫している。寺島は作詞家としても稀有な才能を見せており、楽曲の奥にある物語を感じさせ、声のスペシャリストらしく音の心地よさも追求していることが窺える。

 こうして見てもその特徴や表現方法や音色、ジャンルは様々。活動歴もバラバラだ。そんな4人に共通しているのは、自らの生き方やポリシー、声優としての在り方といった強い信念を音楽に色濃く反映させていることにあると言える。

 加えて、彼らにはライブでの爆発力がある。音源とは違う魅力を発揮し、音楽で観客を一つにする力がある。また、何よりエンタメ精神に満ち溢れた4人である。楽しさやサプライズを惜しみなく打ち出し、観客を飽きさせることなく惹きつける。さらに、違った感性を持つゲストが加わり、一つとして同じ公演がない。生バンドでの大迫力の演奏もこのライブならでは。『おれパラ』でしか得られない幸福感があるのだ。

 15年目を迎え、4人のホストの絆もより固く、深いものになっていることが窺える。それぞれの音楽や才能を尊重しあう関係性も魅力的だ。

『born to be a paradise』Original Entertainment Paradise -おれパラ- 新テーマソング Music Video

 前述の事前番組でMVが解禁された新曲を聴くと、それが顕著に感じられる。4人がマイクを囲んで歌う姿は、思わずこちらも笑顔になってしまうほど楽しそうで、喜びに満ちている。4人でパートを分けて作詞を行ったという歌詞を見ても、これまでの公演名やテーマ、大切な曲のタイトルを織り混ぜつつ、それぞれの言葉選びに個性が表れている。だが、一曲を通して聴けば、一つのライブを創り上げる仲間としてのまとまりも感じさせ、強い絆が見て取れる。声優として活動する彼らだからこその声の良さや特徴、歌唱力・表現力、そしてチームワークによって生み出される明るいファンクナンバーは、ファンにとって大切な一曲となりライブで間違いなく盛り上がるだろう。

 番組内では、新曲のタイトルを「born to be a paradise」と決定した。”原点回帰“という言葉も出てきたとおり、15年目であってもその根幹はブレることなく進化しつづけることを示した形だ。今年の『おれパラ』も、最高なエンタメになることが約束されていると言えるだろう。

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