「こんなバラードをファンの皆さんも待っていたのかなと」（心之介）

ーーでは、もう一方の新曲「Like a Wolf」についても教えてください。

佐藤：イントロは明るい感じなのですが、サビは切なくて、感情のジェットコースターだなと思いました。サビはキーが上がっていって、裏声のロングトーンまで行く。個人的なイメージは狼の遠吠えですね。

心之介：映画のエンドロールみたいに壮大な曲調ですよね。こんなバラードをファンの皆さんも待っていたのかなと思いました。力強さのなかに儚さがあって、衰弱してから立ち上がった狼みたい。

福澤：「KAMINARI FLAVOR」からの流れで聴くとバランス的にいいですよね。僕がラップではなく、歌っている珍しい曲でもあります。

心之介：侑くんはいつもそう言っている気がする（笑）。結局は何をやっても上手ですからね。あとすごいのはspiくんのボス感。

spi：ZIPANG OPERAって東西南北にそれぞれが立っていると思うんです。北に流司、東西に侑くんと心（之介）、僕が南。それから麻雀みたいにクルクル方角が変わるのですが、この曲は完全に自分の方角の楽曲だなと。歌がバチっとハマったので悔いはありません。

福澤：正直、spiくんのソロでもいいと思います（笑）。彼にしかできない聴かせる表現になっていて。

佐藤：すごすぎて笑っちゃうくらいでした（笑）。　

ーー皆さんは自分が「飢えた狼」だと思う部分はどこでしょうか。

佐藤：俳優として活躍している方々、同じレーベルで活躍している方々に対して、悔しい想いを抱いてしまうところですかね。自分より目立つ人を「越えていきたい」と考えがちなので。

spi：大人数よりもふたりが好きとか、ウソやハッタリが苦手という部分は狼かもしれません。ひとりの方が楽だけど、寂しがり屋というか。僕のエンタテインメントにおける最大のテーマは「代弁」と「共感」なのですが、だからこそ最後も〈飢えた狼のように走れ〉と自分に言い聞かせるように、また聴いている人自身が言っているように歌えたのかも。

心之介：僕はもともとオーディションでZIPANG OPERAに加入したのですが、その時は組んでいたバンドを解散して、どう音楽に向き合っていくかというターニングポイントでした。自分と向き合うなかで「音楽をやめよう」と決断することは簡単でしたが、それでも辞めなかったのは、まだ叶えていない夢を追いかける貪欲な自分がいたからな気がします。

福澤：だからメンバーそれぞれが狼なんじゃないですかね。全員がひとりでも戦える人たちなので。それをもって、ZIPANG OPERAとしてステージに立つことにパワーがある。ひとりで生きてきた者たちが力を結集している姿を人々は観たいはずです。

ーー皆さんがZIPANG OPERAとして今後、挑戦したいことは？

心之介：この話題で真っ先に出るのがMVの撮影ですよね。

佐藤：そうだね。まだMVがひとつもないから。

ーー「KAMINARI FLAVOR」だったら、どんなMVにしますか。

心之介：この曲こそCGじゃないですかね。spiくん、流司くんは小ボケを入れたくなると思うので、誰かが雷に打たれたりするかも。風神雷神みたいな新衣装も着てみたいです。

ーーでは「Like a Wolf」は？

心之介：映写機風のレトロなアニメーションとか面白そう。弱った狼が逞しく成長していくストーリーで。

spi：僕なら、高校生男子を田舎に連れて行って、どしゃぶりのなかでマラソンさせるかな（笑）。あとは月、山、狼の遠吠え、僕たちの寄りの画、家事をしている主婦。あとは人生のなかでの諦めそうな瞬間を切り取った映像を並べたいです。

共通点は「全員が感覚派で、いい意味で“変”なところ」（佐藤）

ーーところでメンバーの仲が良いように見えるのですが、そこに対して皆さんとしては何か感じることはありますか。

心之介：年が離れていますが、尊敬できるお兄さん達だなと感じています。僕より年下の人もいなくて、やりやすい環境ですね。メンバーだけでなく、チーム全体の雰囲気が良いんです。笑顔もアイデアも沸き上がってくるので、刺激をもらえるんですよ。

spi：ある程度みんなと過ごしてきて、ようやく「ZIPANG OPERAのspi」という役作りができてきています。メンバーやチームのおかげで自分の枠が見つかってきたのは、自分のなかで大きな発見でした。

佐藤：誰かが誰かの上位互換、という関係じゃないところがいいですよね。あと全員が感覚派で、いい意味で「変」なところ。品行方正で清廉潔白みたいな人達だったら俺とは合わないかな。

福澤：ただ、全員漫画に疎いところだけは許せません（笑）。

ーー（笑）。新曲発表と同時に『ZIPANG OPERA ACT ZERO 〜暁の海〜』の映像がサブスクリプションサービスで配信されますが、そちらについてはいかがでしょう？

心之介：Blu-ray/DVDを買わなくてもライブが観られる機会なので、ぜひ観ていただきたいです。

福澤：まだまだ知らない方が多いので楽しみです。

spi：あの時に到達できる100点の内容でした。総合演出的にあまり観たことのない画になっていると思うので、新しいアートの提案として多くの人の目に触れてほしいですね。

佐藤：それよりもZIPANG OPERAは「乗り遅れそうだけど大丈夫？」「まだ見てないの？」という高飛車な感じで行きたいです。くれぐれもよろしくお願いします（笑）。

ーーまだまだレコーディングの予定があるということですが、次作やライブなど今後の展開にも期待できそうですか？

佐藤：制作は続けているので、また新しいものが出せたらとは思っています。

心之介：楽しみにしていていただければ。

福澤：スタッフさんがなかなか合わない僕らのスケジュールを調整しながら、会場を探したりと頑張ってくださっているので、待っている方々に届けたいです。最低でも1年に1回はライブしたいですね。

佐藤：ライブ中に声が出せるようになれば、オーディエンスの参加の仕方も変わってくるはずですし、現場のグルーヴの変化も楽しみです。

■リリース情報
デジタルシングル
『KAMINARI FLAVOR / Like a Wolf』
11月3日（木）配信
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