BiSHプロデューサー 渡辺淳之介、ボーイズグループ分野になぜ参入? 「僕らが目指してるのは“パンピーの頂点”」

目指すところは“陰キャの文化系なりのカッコつけ”

ーー芸能界の変化や、音楽的なトレンドの変化を考慮して、メンズグループはどのぐらい勝算があると思いますか?

渡辺:(即答で)ないですね。

ーーあはは! なんでですか(笑)。

渡辺:僕は、本当にかっこ良かったのかどうかは別として、「かっこつけたい」と思ってやってきたんで、WACK BOYZもどうしてもかっこつけたいと思っちゃうんですけど、それが本当にOKなのかはわからない。ただ、セーラー服とか王子様風衣装とかは着せたくないな、みたいな。そういうところとかも含めて、やっぱり勝算はないですね。

ーーLDHは意識しませんか?

渡辺:僕は陰キャの文化系なんで、強そうな人たちにはなれないなと。そことは一線を画すものができるといいなと思ってます。僕はヒップホップも好きなんですけど、本当のワルにはなれないじゃないですか。だから陰キャの文化系なりのカッコつけをしたいなと。

ーーメンズグループを作るにあたって意識してるのがその辺りだという(笑)。

渡辺:カッコつかないんだけど、虚勢を張った文系たちがかっこつけることがいいんじゃないかなと。BAD HOPが歌うからいいんですけど、高校生が「ミリオンダラー」って歌っても生き方として説得力がないじゃないですか。トレンドを意識しつつ、ちゃんと身の丈に合った努力の仕方がWACKらしいと思うんですよね。そういう意味では、僕らが目指してるのは、パンピーの頂点。

ーーパンピーの頂点であり、文系?

渡辺:そこだと思うんですよね。

ーーWACK BOYZの目指す位置に、今誰かいますか?

渡辺:いないんですよね。なかなか目標を設定するのが難しいなと思ってます。

ーー今現在、7人のメンバーの実力はどう評価していますか?

渡辺:最初の3人は準備期間として半年ぐらいあったんですよ。「毎日練習しろ」って、当たり前ですが「半年じゃそんなに圧倒的なものにはならないんだな」と。XG(2021年デビューのガールズグループ)なんて育成期間が5年ですからね。だから、本当は年内にデビューさせようと思ったんですけど、まだ足りないかもと思ってる感じですね。

ーーいなたさや親しみやすさでファンが集まってくるのは、渡辺さん的には違うと?

渡辺:今の時代、ファンはずっと見守ってくれないかもしれないというのがあります。ジャニーズは僕らにとっては全員がバク転できるみたいなイメージがあるじゃないですか。LDHはダンスもできるし、そう考えるとハードルは高いですし、ある程度スキルをちゃんと持たせてからデビューさせたいなと思いますよね。

ーーたとえばBE:FIRSTとも戦っていきたいでしょうか?

渡辺:いやー、戦っていきたいですけど、どうなんですかね? まだ戦えないなぁ。

ーーなかなかハードルが高いなか、WACK BOYZはどこを目指していくんでしょうか?

渡辺:僕もハードルが上がっちゃったんですけど、せっかくなら『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)や武道館、東京ドームを目指せるグループにしたいなともちろん思ってます。でも勝算はないです。

ーーあはは、ここまで話してまだ勝算がないんですか。業界的には、BiSHを『紅白』に出したWACKがメンズに乗りこんできたと見られてると思うんですよ。

渡辺:そうですね、でもそんなにうまくいかないと思うんですよ。そのうまくいかないところから始まって、どうしていくのかが大事なところだと思うんです。BiSHがいるので下駄を履かせてもらってるんで、僕自身も試行錯誤しながら、BiSHがやってきたように、たぶん100人もいないキャパから着実にやらないと意味ないんだろうなって。うん、大変ですよ。どんどん下がっていっちゃうんじゃなくて、上がっていくことを意識しないと難しいなとすごく思ってますね。

ーー渡辺さんは「勝算がない」と言いつつも、そういう着実に上がっていくところを見てもらおうという作戦なのかなと思いますが?

渡辺:どうなんですかね。やっぱりやってみないとわかんないんで。“おちんちん”だけ心配ですね。

ーー最初に言っていたようなリスクヘッジも関西のほうがしやすいですもんね。

渡辺:そうですね。でもまぁ、僕は大阪まで行って撮られてるんですけど(笑)。

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