WurtS、SFを通して現代社会に投げかけるメッセージ 巧みに張り巡らされた伏線から新曲「コズミック」を紐解く

 同公演は、画質の粗いモノクロ映像から始まって途中で鮮明なカラー映像となり、過去と現在と未来を行き来するような演出の構成となっていた。途中には、謎のウサギのキャラクターが「俺は2052年からやってきた、今から言うことをよく聞いてくれ」と警告を発する数秒間をはさみ、司会者が「失礼、電波が乱れたようです、気を取り直して次の曲いってみよう」と告げてから「Talking Box」を披露する、という展開もあった。

 つまり、「コズミック」に描かれる“2052年”は、すでにこの時点で伏線として匂わせられていたのである。

【特別映像】WurtS - “僕の個人主義” “SIREN” (WurtS ONLINE LIVE 2021 supported by ZONe)

  「コズミック」は、疾走感あふれるビートに小気味よいピアノのフレーズが絡み合い、フックが強いメロディを歌う一曲。ダンスミュージックのテイストを主軸にオルタナティブロックやヒップホップの要素を絡めた曲作りを得意とするWurtSらしいサウンドメイキングがなされている。映像のほうに英語のキーワードが次々と表示されていくこともあって、日本語の歌詞はすぐには意味が聞き取れないようになっているのだが、よく読むと〈他方、計画は途方に滅入る/死刑ガス戦争、路頭に来ている〉や〈対峙してる偏見差別はマルバツ?最悪〉など、不穏な言葉が並んでいる。

 WurtSは楽曲のリリースに際して、こんなコメントを発表している(※1)。

「コズミック」はポストモダンの讃美歌として作りました。
機械が蔓延る社会で人間のありのままは変化しているのではないか。
そんな“今”をもう一度見つめ直すような楽曲です。
また、人間的で有機的なテックを目指すNothingとのコラボということで、WurtSが進めているシリーズ企画の第二弾の位置付けでMVを制作しました。
生命と機械を相反するものとして描くのではなく、共存しながら「光差す方に」すゝんでいく作品です。

 「コズミック」のラストは〈「さあ良いかい?」/手にしてる集合才知を/すゝめ、巻き込め〉というフレーズで終わる。この曲は、そしてWurtSが進めているシリーズ企画は、どうやらSF的な世界観を通して今の社会におけるコミュニケーションや人間のあり方を描き出すような表現になっているようだ。とても興味深い。

※1:https://realsound.jp/2022/08/post-1106508.html

WurtS「コズミック」

■リリース情報
WurtS「コズミック」
2022年8月17日(水)配信
ダウンロード/ストリーミングはこちら

■ライブ情報
『WurtS LIVE 2022』
11月18日(金)名古屋DIAMOND HALL
OPEN 18:00 / START 19:00
11月22日(火)なんばHatch
OPEN 18:00 / START 19:00
11月29日(火)Zepp DiverCity Tokyo
OPEN 18:00 / START 19:00
[チケット先行] 受付期間:8月10日(水)12:00〜8月22日(月)23:59まで
受付:https://w.pia.jp/t/wurts2022/

■WurtS 関連リンク
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