Ado、『ONE PIECE FILM RED』主題歌&劇中歌がバイラル好調 個性的な楽曲を歌いこなす、底知れないボーカル表現

 一方、Vaundyが楽曲提供した「逆光」は、主題歌の「新時代」と打って変わってファンキーなギターから始まるロックナンバー。Adoらしい太い低音から刺々しい高音まで、さまざまな声色に七変化するドラマチックで毒々しいボーカルを堪能することができるこの楽曲は、ダンサブルでありながら哀愁もはらんだ雰囲気をまとっており、全編通して緊張感を途切れさせない。そして〈あんたらわかっちゃないだろ/本当に傷む孤独を/今だけ箍外してきて〉〈もう怒りよまた/悪党ぶっ飛ばしてきて/そりゃ愛ある罰だ〉といった歌詞からも感情の爆発を感じ取ることができる。

【Ado】逆光(ウタ from ONE PIECE FILM RED)

 『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』の楽曲群を通して聴いてみると、なにかに取り憑かれているような真に迫る瞬間に幾度となく遭遇し、Adoという表現者の底知れなさにゾッとさせられた。7曲それぞれ提供アーティストが異なるわけだから、当然楽曲ごとに強い個性を見て取ることができるのだが、その個性の振れ幅のなかで、どの楽曲も自分のものにして演じ切っているAdoのスキルに驚愕しないわけにはいかない。思わず「これはすごいことになっているぞ」と心の声がもれてしまう。

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