ENVii GABRIELLAが熱弁するタイBLの魅力 最新デジタルシングルにも反映された“胸キュンシチュエーション”の数々とは?
それぞれの“BL”を当てはめて聴いてもらいたい
――わかります。そんなみなさんの想いがそのまま反映されたかのような新曲「BL」は最高でした。本当に共感できたのですが、いつ頃作られた曲なのでしょうか。
Takassy:もともと1年くらい前に作った曲なんです。BLについて歌えるユニットって、私たちくらいしかいないんじゃないかって思ったんですよね。リアルでもあるし、非現実的でもあるし……。でも、歌詞を書いていくと、これはBLドラマだけの話ではなくて、どんなドラマでもこういったシーンがたくさんあるなって思ったんです。タイトルは「BL」ではありますが、ダブルミーニングを持たせて作りました。
――歌詞には様々なドラマの名シーンが浮かぶ言葉が並んでいますよね。
Takassy:でも、BLを見ていない人にも伝えなくちゃいけないので、このシーンはこのドラマと明言はするのはやめようと思ったんです。それを言ってしまったら、それだけの歌になってしまうので、私の中のイメージを歌詞にしたと思ってもらえたら嬉しいです。
――たしかに、BLというフィルターを外しても、“そうだよね”と共感できるメッセージがたくさん詰め込まれていて、キュンキュンしました。
HIDEKiSM 全部の歌詞が純粋に良くて、ただシンプルに“このシチュエーションやりたい~!”って気持ちが濃縮されて散りばめられているんです。BLが好きなTakassyからいろいろ教えてもらったことも歌詞に盛り込まれていましたし、『2gether』や『HIStory』などの作品名も入っているんです。でも、その先入観なしで聴くと、年齢性別問わず“こういうシチュエーションがあったらときめくよね!”とキュンキュンする歌になっています。いろんな意味合いの“BL”として捉えてもらって、様々な角度から聴いてもらったら、長期間楽しめる曲になっているんじゃないかなと思います。“Best Love”とか、“Beginning of Love”とか、本当にいろんな意味合いで取れるので、それぞれの“BL”を当てはめて聴いてもらいたいですね。
Takassy:“ばあさん 老眼”とかね(笑)。
Kamus:“バイト リーダー”とかね(笑)。
――バイトリーダーとなると〈連絡無精でつまんない〉という歌詞がものすごく色づきますね(笑)。
Kamus:絶対ダメなバイトリーダーね(笑)!
あらためて、Takassyは天才だと思う
――サウンドもすごく凝ったものになっていて中毒性が高いですよね。
Takassy:オールドスクールポップや、ディスコポップを入れ込みたいと思ったんです。曲もパステルカラーの印象にしたかったんですよね。このジャンルで行くと決めて、サウンドを作ってから歌詞を当てはめたんですが、最初に腐女子やオタクのネット用語などを入れたときに、私がしたり顔で“腐女子って”“BLって”って書くのは違うなって思ったんです。BLって、1個の作品でも捉え方が見る人それぞれで違うし、萌えポイントも全員が違うんです。なので、この曲は私が純粋に好きなものを散りばめた曲になりました。
――そこに描かれた歌詞にすごく共感ができました。
Takassy:私たちはこう思っている、こうあるべきというのはなしにして、ただ自分達3人が尊いと思っているところを込めたんです。
Kamus:この曲はTakassyにしか作れないですよね。たくさんのBLを観てきたことを含めて、いろんな人に伝える言葉や、音、伝え方を巧みに選んで作っているんです。BLというタイトルだけで見ると“あるある”に聴こえるけど、本当にいろんな角度で楽しんでもらえる曲になっているんですよ。あらためて、この人、天才だと思います。
Takassy:嬉しい。
――とくにお気に入りのフレーズはありますか?
Kamus:〈つまずいたふりで距離詰めて〉というシチュエーションはたまらないですね。
Takassy:まぁ、一歩間違えたら事故ですからね。
――たしかに、流血しちゃいますね。
Kamus:そうなんですよ~(笑)! でも、今後チャンスがあったら積極的にやっていきたいです!
Takassy:この3人のバランスって、私が強火、Kamusが一般、HIDEKiSMが弱火のBLオタクなんです。だからこそ、広がりがあるんですよ。実はこの曲はHIDEKiSMのラップのパートがなかったんです。でも、3人でBLについて話していると、HIDEKiSMが“これはプライベートで落とし込みたい”とか“これは悲しい”って引っ掛かるシーンやワードが出てくるんですよね。そんなHIDEKiSMが歌うラップがあるからこそ、響き方が違ってくるフレーズもあるんです。言ってしまえば、3人で女子会をしているような曲なんですよ。
――たしかに、恋をする人すべてに当てはまりますよね。とくに〈カップリングは固定がいい〉ってフレーズもピッタリ。
Takassy:BLファンが歌うと、そのカップルに対しての想いになるけど、ここをHIDEKiSMが歌うことによって、ドラマのカップリングのことではなくて、“私はあなたが好きだから他の人を好きにならないで”という現実の恋愛のカップリングの固定になるんです。
HIDEKiSM:BLにハマっていない方も、現実味を帯びている目線があるので……というか、BLにどっぷりハマれないのは、ただただ嫉妬なんですよねぇ~!
一同:(爆笑)
HIDEKiSM:羨ましいの! これまでは、日本のドラマを見ていて、純粋に“素敵だな”って思っていたんですが、それって私にとってはリアルじゃなかったからなんですよ。でも、いざBLとなった時に、突然自分に当てはめちゃって、嫉妬になっちゃったの! それで辛くなっちゃって……。
Takassy:わかる! 私はそれがあるから日本のBLに抵抗があったの。よりリアルにみえちゃって。逆に女性のBLファンが多いのは、そこがリアルじゃないからっていうところもあるんだと思うよ。
HIDEKiSM:あと、個人的に嬉しいのが、BLっていわゆる同性愛を描いているからこそ、LGBTQがちゃんと認知されているということ。性的マイノリティと言われている我々も当事者ではありますが、腐女子も少数派ですよね。さらにそういった方達だけでなく、“推し活”や“尊い”という言葉も市民権を得て、一般的に受け入れられているのは本当にすごいことだと思うんです。だって、最近はどの現場に行ったって、必ずBL好きがいますからね。それを見ていると、LGBTQが普及しているような感覚で、腐女子も普及していることが嬉しいなって思いますね。それを踏まえて、いまこの「BL」をリリースするすごくいいタイミングなんだと思います。
Takassy:とはいえ、この曲は先ほども言いましたが、BLファンはもちろん、そのフィルターを外してもキュンキュンが楽しめる曲になっているので、この夏を盛り上げる1曲として聴いてもらえたら嬉しいです!
■リリース情報
ENVii GABRIELLA デジタルシングル「BL」
https://lnk.to/engab-bl
ENVii GABRIELLA - BL (Official Lyric Video)
https://youtu.be/pWrhMv5gBIg