Nornis、ROF-MAO、▽▲TRiNITY▲▽、ChroNoiR……音楽や配信活動に新展開も、にじさんじユニットの現在
▽▲TRiNITY▲▽
にじさんじの“ポンコツキャラ”として愛される鷹宮リオン、葉加瀬冬雪、フレン・E・ルスタリオによる「▽▲TRiNITY▲▽」は、2021年にアルバム『PRiSM』でメジャーデビュー。同作は、オリコンデイリーアルバムランキング3位、週間ランキングでは7位を獲得。TeddyLoid、toku(GARNiDELiA)、Q-MHz、sasakure.UKといったクリエイターたちが参加し、1曲目「Night Spider」の強靭なEDMサウンドから、5曲目の「curious visitor」のようなミステリアスな楽曲の中で、3人とも儚さと力強さを兼ね備えた歌声を披露。鷹宮の少女と大人を行き来するような美しい声、葉加瀬のどこか切なさを感じさせる質感、フレンの突き抜けるような爽快感と感情表現が、▽▲TRiNITY▲▽という名を象徴するかのように三位一体のハーモニーを聴かせている。2022年5月11日には、堀江晶太や烏屋茶房、てにをはなどを制作陣に迎えたミニアルバム『インプリンティング EP』をリリース。TVアニメ『魔法使い黎明期』EDテーマである「インプリンティング」は、魔法少女アニメらしい躍動感のある楽曲と、高音の限界に挑戦しているような歌声に圧倒される。ROF-MAOとは対照的に、良い意味で普段のキャラとのギャップを楽しめる、クールな楽曲を提供し続けている。
ChroNoiR
「ChroNoiR」は、葛葉と叶によるユニット。葛葉は<ユニバーサルミュージック(Virgin Music)>から、叶は<Lantis>からソロでメジャーデビューを果たしている、にじさんじ所属の最強デュオ。葛葉は、男性VTuberとして初めてチャンネル登録者数が100万人を突破した頂点に立つ存在で、2021年9月28日にリリースした初のオリジナル曲「コントレイル」は、Billboard Japan Download Songsで総合1位を獲得し、国内の音楽サイトで12冠を達成。メジャーデビューミニアルバム『Sweet Bite』は、“ニートのゲーマー吸血鬼”キャラらしくゴシック調を感じさせる妖艶な歌声を聴かせている。同じくチャンネル登録者100万人超えを誇る叶は、癒し系ボイスを武器にしたゲーム実況や歌唱動画の人気が高い。和賀裕希(fhána)をサウンドプロデューサーに迎えたデビューミニアルバム『flores』のリード曲「ブロードキャストパレード」は、ピアノの旋律に乗せて叶の癒しの歌声が重なり、聴き手に幸福感を与えるポップソングとなった。公私共に仲の良い2人はゲーム実況などでコラボ配信することが多く、2020年2月11日にChroNoiR初のオリジナル曲「ヘテロスタシス」を公開。メンズアイドルユニットらしい装いで、葛葉のクールな歌声に叶の癒し声が絶妙に重なり、気持ちの良いユニゾンを響かせる。以降も、オリジナルやカバー曲を次々と公開し、2022年2月27日に初の単独ライブ『ChroNoiR Winter Live -旅の終着点-』を開催。2人の掛け合いが実にエモーショナルで、ChroNoiRらしい魅惑の世界に引きずり込むライブとなった。3月14日からはChroNoiR公式YouTubeチャンネルで二人の番組「くろのわーるがなんかやる」を毎週更新しているが、音楽とバラエティの両軸で今後もにじさんじを牽引していくだろう。
数多くのライバーが切磋琢磨しながらレベルを高め、それぞれ個性を活かした活動を展開するにじさんじ。音楽面においても同じく、ソロやユニットで明確なカラーを持っているのが魅力の一つと言える。これまでは自発的なユニットが多かったが、Nornisのようなユニットが誕生したことは、本格的に音楽シーンに参入する意思を感じさせる。今後も意欲的なユニットが誕生し、音楽面の規模も拡大していくことに期待したい。