ホロライブ 天音かなた×常闇トワ新ユニット“ORIO”結成インタビュー 両者が語る、互いへの信頼や音楽活動への強い気持ち

 ホロライブプロダクション所属、YouTubeチャンネル登録者数が100万人を超える人気VTuber 天音かなたと常闇トワが、新ユニット「ORIO」を結成。5月2日に1stシングル「Over Time」をリリースした。

 hololive IDOL PROJECTでアイドル活動を行う天音と常闇は、コラボ企画やカバー動画のほか、オリジナル曲「マドロミ」をリリースするなど、以前から“かなトワ”としてファンの間でも親しまれている存在。ソロとしての音楽活動も積極的に行っている二人だが、変幻自在な歌声を持つ天音と記名性のある低音ボイスがクールな常闇によるデュエットは、それぞれのコンセプトとなる“天使”と“小悪魔”の化学反応を楽しむことができる。

 そんな二人の1stシングル「Over Time」は、疾走感のあるメロディと前向きな歌詞が胸を熱くする壮大なロックナンバーに。ラジオリスナーからのメッセージをもとに制作された歌詞を、それぞれの個性を活かした掛け合いやユニゾンで表現。〈天使と悪魔がついてるから〉というフレーズも二人らしい、ORIOのデビュー曲として相応しいものとなった。

 リアルサウンドでは、天音かなたと常闇トワへインタビュー。それぞれのキャリアや音楽活動への思いをはじめ、お互いの歌声やキャラクターについて、ORIOとしての今後の展望などを聞いた(編集部)。

天音かなた インタビュー「(常闇トワは)僕とは正反対の可愛い女の子」

天音かなた

ーーVTuberとして活動をはじめた経緯、「ホロライブ」のオーディションを受けた理由を教えてください。

天音かなた(以下、天音):小さい頃の夢がアイドルで、ずっと前から歌って踊るアイドルに憧れていました。ちょっと重い話に聞こえたら申し訳ないのですが、デビューから2年ほど前に耳の病気を患って、人生のすべてだった音楽や歌が嫌いになってしまった時期があって。でも、ここで諦めるのか? ここで終わっていいのか? って思った時に、Twitterで4期生オーディションの募集を見掛けたんです。VTuberは知っていたし好きだったのですが完全にリスナー側だったので、今までオーディションを受けたこととかはなくて。吸い込まれるようにオーディションのサイトを見て、賭けるような気持ちで応募しました。自分に自信がなかったので「落ちても受かるまで応募し続ける!」とは思っていなくて、「もしここでチャンスを貰えるなら、まだ頑張りたい」という気持ちでした。

ーー天音さんはチャンネル登録者数119万人を誇る人気VTuber/アイドルですが、日々活動を行う上で大事にしていることはありますか?

天音:「ホロライブ」という事務所に所属しているからこそ沢山の方に注目していただけていると思うので、タレント・リスナー・スタッフ・事務所すべて含めて、いつもみんなに恩返しをしたいと思っています。見てくれるみんなが楽しい時間を過ごせるということを大切にしようと心掛けています!

ーーhololive IDOL PROJECTの一員として活動されています。以前からハロー!プロジェクトなどへの憧れやアイドルオタクであることを明かしていますが、なぜ“アイドル”に惹かれたのでしょうか?

天音:まずビジュアルが良い。可愛い。彼女にしたいというよりはお人形を愛でている感覚で、昔からイケメンより美少女の画像や動画を眺めるのが好きでした。僕が知った時にはもう芸能界を引退されていたのですが、中学生の時に大好きになった亀井絵里さんが全てのキッカケです。

ーーどんな音楽が好きですか? 普段聴いている音楽や好きなアーティストを理由とともに教えてください。

天音:小さい頃からニコニコ動画が大好きだったので、ボーカロイドの曲をよく聴いています。その関係で米津玄師さんの曲を聴くことが多いです。また、アニソンや流行の曲はなるべく聴くように心掛けています。

ーーハロプロなどのアイドルを推してきた天音さんから見て、「バーチャルアイドル」ならではの魅力はどんなところにあると思いますか?

天音:バーチャルアイドルは「二次元」と「三次元」の狭間の存在だなとよく思います。バーチャルアイドルならではの表現方法が沢山あって、自分のLIVEで申し訳ないんですが、2022年4月22日にYouTubeで行った無料LIVE『バーチャルアイドルが踊ってみた!』でやった、二人のかなたでのパフォーマンスはバーチャルならではだと思います。

ーー多様な活動を行われる中で、天音さんにとって音楽活動はどんな意味を持っていますか?

天音:VTuberのオーディションを受けた理由が音楽への諦めだったので、諦めない心の体現だと思っています。ハンデがある分上手くないことも多いけれど、それでも頑張る姿を見て、誰かが元気になってくれたら頑張る意味があると思っています。

ーー歌やダンスが上手くなるために心がけていることはありますか?

天音:実力は近めで、でも自分より評価されている人を常に目標にすることを心掛けています。

ーー天音さんのボーカルの魅力は、曲によって印象がガラッと変わる豊かな表現力や柔軟な声質があると思います。歌う上で大事にしていることはありますか?

天音:最近は、上手く歌うよりも声が野太くなりすぎないように気を付けています(笑)。また、一辺倒にならないように、曲によって違った表情で歌えるよう心掛けています。歌詞の意味を深く考えたり、作曲者さんのインタビューを読んで歌詞の理解を深めるのが好きなので、感情表現も注目してほしいです……!

[Original] 特者生存ワンダラダー!! - 天音かなた

ーーここだけは甘く見てほしい、といった弱点や苦手なことはありますか?

天音:半年ほど前からMIXを始めたのですがまだちょっと手探りです。エディットだけは高校生の頃からやっているのですが……むずかしいです。色々挑戦したいなと思っています。

ーー歌やパフォーマンスにおいて憧れているアイドルやアーティストなどがいれば教えてください。

天音:歌手のやなぎなぎさんと、DUSTCELLのボーカルのEMAさんです。上手いだけじゃない唯一無二の個性が素敵だと思います。声の透明感があるのに歌に力があって、ずっと聴いていられる。

ーー常闇トワさんとは以前からコラボしたり、ユニット的な活動もしていますが、改めて二人でORIOとして活動することが決まった時の心境を教えてください。

天音:トワは同期でお仕事もよく二人でやったりするので、トワと組めると聞いて安心しました。“かなトワ”として歌っていた今までとどう変わるかまだ少し想像がつかないけど、良いものにできるよう頑張りたいです。

ーー天音さんから見て、常闇さんはどんな人ですか? 初対面の時の印象や魅力、好きなところなどを教えてください。

天音:自分の意見をハッキリ伝えることができる、自分を認めることができる……僕とは正反対の可愛い女の子だなと思います。例えば、僕はレストランで店員さんを呼ぶのも苦手なぐらい人に気を遣いすぎるんですが、トワはそんな時「何?呼べないの?スイマセーン!」って動いてくれるような子なんです(笑)。いつでも頼りになります。

ーー常闇さんの「ここが小悪魔(もしくは悪魔)的だな」と感じる部分はありますか?

天音:さっきの話のように頼もしいと思いきや、感情が揺れやすかったり不安がってしまったりする女の子らしい一面もあるんですよね。そういうギャップが小悪魔だなと思います。

「困ったり悩んだりしたらちゃんとぶつかり合える二人」(天音)

【MV】マドロミ / 天音かなた・常闇トワ【ディープインサニティ アサイラム ゲーム主題歌】

ーーデビュー曲「Over Time」のデモを聴いた時の印象を教えてください。

天音:アップテンポだけどリスナーに寄り添っているような、ユニットの1曲目にふさわしい素敵な曲だと思いました!

ーー歌詞についてはどのような印象を持ちましたか?

天音:ラジオのおたよりが歌詞の元になると聞いていたので、どういった形になるのかな? と思っていたのですが……とっても綺麗に纏まっていたので驚きました。〈散るまでずっとサバイバー〉というフレーズが印象的で大好きなので、「Over Time」と曲名が決まる前は、「散るまでずっとサバイバー」と呼んでいました(笑)。

ーーレコーディング時の印象深いエピソードや、歌う上で意識したポイントなどを教えてください。

天音:曲を聴いて下さった人に手を差し伸べるような温かさがありつつ、サビでは力強さを意識して歌いました。

ーー常闇さんの歌声にはどんな印象を持っていますか?

天音:トワの歌はとても力強く、また音域が広いので説得力があると感じます。ロックがとても合いますよね!

ーー完成verを聴いて思ったこと、好きなポイントや聴きどころを教えてください。

天音:サビで二人の声が重なった時、すごく素敵だなと思いました。一人で練習やレコーディングしているときは二人の声が重なった音源を聴くことができないので、完成した! という感じがしますね。

ーーORIOのユニットとしての強みはどんなところでしょうか?

天音:困ったり悩んだりしたらちゃんとぶつかり合える二人なので、必ず良い方向に向かっていけるユニットだと思っています。お互いを尊重しているし、音楽や活動に真摯なので、応援してくれる人に必ず恩返しできると思います。

ーーORIOとして今後歌ってみたい曲のイメージなどはありますか?

天音:バンドサウンドのロックとか、歌い上げる系のバラードとか、歌ってみたいです!

ーーアイドル・天音かなたの推しポイントはどこですか?

天音:努力し続けること、諦めないこと、ファンを裏切らないことです! 決して完璧と言えるような実力もキャリアもないけれど、それを埋められるのは行動力かなと考えています。去年より今年、今年より来年、必ず成長します!

ーー音楽活動において、まだまだ苦手だな、今後伸ばしていきたい部分をあげるとすれば?

天音:アイドル·天音かなたとして歌をうたう……というのがすごく難しくて。色んな声や表情を試していきたいと思います。

ーーホロライブメンバーの中でいちファンとして推しているメンバーはいますか?

天音:湊あくあ先輩を推しています! ゲームが上手くて声が可愛くて、とても好きです!

ーーオリジナル曲リリースやライブなどの音楽活動を行う中で、どんなところに楽しさや喜びを感じますか?

天音:リスナーさんに発表して、みんなが喜んでくれるところを見ると底知れぬ喜びを感じます。この人たちのためなら頑張れる、って思えます。

ーー天音さんにとってファンの方々はどんな存在ですか?

天音:家族です。今までの人生を振り返っても、ファンのみんなほど大きな存在は家族以外ないです。とはいえ、言葉にすると陳腐だし軽く感じる……(笑)。でも、みんなには配信や行動で伝えているつもりなので、ちゃんと伝わってると良いなと思います。

ーーファンが増えることは喜ばしいことだと思いますが、規模が大きくなることに対してプレッシャーなどを感じる瞬間はありますか?

天音:プレッシャーはあんまり感じない方です。規模が大きくなるとできることの幅は広がるけれど、やることや意識の向け方はデビュー当初と全く変わらない気がします。

ーーアイドル活動を通して、ファンやリスナーの方々にどんなことを伝えていきたいですか?

天音:世の中の全ての人たちに人生があって、みんなそれぞれ楽しいだけじゃない、辛いことやしんどいことを抱えたり、諦めたくなる時があると思います。そんな時に少しでも楽しい気持ちをあげたいし、支えたいと思っています。それがアイドル活動をする一番の理由です。

ーーVTuberやバーチャルアーティストの数も増えて、ここ数年でシーンとしてもすごく盛り上がっている印象があります。活動を始めた当初と現在で、環境やVTuberに対する周りの反応などに変化を感じますか?

天音:変化、感じます! 例えばスマホの予測変換で「VTuber」が一発で出たり。病院で「声の活動していて……」と言うと、「YouTuberとかVTuberとか?」ってお医者さんに言われたりして、盛り上がりをひしひし感じました(笑)。

ーーソロ活動/ORIOとしての今後の目標をそれぞれ教えてください。

天音:音楽活動としては、アルバムを出すこと、そしてライブをすることが目標です! 自分で志願したり計画すれば手が届くかもしれない目標ですが、もっと実力をつけてからアルバムを出したり、ライブをしたいなって思っていて……その日までに自分磨きを精一杯します!

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