Awesome City Club、『Get Set』携えたツアーでまだ見ぬ世界へ 表現者としての気概感じたZepp DiverCity公演

 シンプルな編成になると、ボーカリストとしてのatagiとPORIN、ギタリストとしてのモリシーの姿がより浮き彫りになる。その歌自体からリズム&グルーヴに満ちていて、ブラックミュージックがルーツにあることが歌のみから読み取れるatagiと、浮遊感のある声色と繊細な表現で場の雰囲気を一気に塗り替えられるPORIN。優れたボーカリスト2名が生む、実は複雑な軌道を描いているこだわりのハーモニー。atagiとPORINの間にモリシーが立つ“3人ともフロントマン”的な配置は見慣れてきたが、モリシーはギターヒーローといった感じのブルージーなプレイで躍り出るだけではなく、時にはバンマス的な立場にまわりながら全体をまとめるバランサーでもある。

 そんな3人の個性があらゆる色を持った曲の中で開花していく様を堪能できた今回のツアー。特に、ビートを強調したアレンジでの「Sing out loud, Bring it on down」からAwesome City Club流EDM「STREAM」へ繋げたあと、スタジアムロックのような力強さと華やかさで以って鳴らされた「On Your Mark」で迎えた本編ラストの感触は今までにないものであり、新たな可能性を感じた。

 そんなツアーだったからこそ、PORINから出た「まだまだ不安定な日々が続きますが、私たちAwesome City Clubは変わらず音楽を鳴らし続けますので、どうかみなさん、私たちに期待してついてきてください」という頼もしい発言もしっくりくる。この日最後に届けられたのは〈脈打つ鼓動がまだ見ぬ世界の扉を叩く〉と歌う「またたき」で、冒頭で鼓動のSEが鳴っていた意味が回収された形だ。新曲披露を通じて『Get Set』以降のモードをいち早く見せてくれたように、Awesome City Clubの次のアルバムに向けた、まだ見ぬ世界に向けた旅はもう始まっているのだろう。

■セットリスト
『Awesome Talks - One Man Show 2022 -』
プレイリスト:https://ACC.lnk.to/AwesomeTalks2022

1. Life still goes on
2. 今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる
3. 夏の午後はコバルト
4. color
5. Heart of Gold
6. Fractal
7. 楽園
8. 最後の口づけの続きの口づけを
9. 雪どけ
10. ランブル
11. ブルージー
12. 僕らはこの街と生きていく
13. 勿忘
14. 息させて
15. Sing out loud, Bring it on down
16. STREAM
17. On Your Mark

EN1. Good Morning
EN2. you
EN3. またたき

■アーカイブ情報
配信内容:『Awesome Talks - One Man Show 2022 -』Zepp Fukuoka公演(5月1日開催)
見逃し配信:5月2日(月)9:00〜5月15日(日)23:59
販売期間:4月15日(金)12:00~5月15日(日)21:00
チケット料金:3,000円(税込)
https://news.hulu.jp/awesome-talks-one-man-show-2022/

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