和楽器バンド、新年恒例ライブ『大新年会』で告げた8周年の幕開け 苦難の時代に宣言した希望の誓い

 今年デビュー8周年を迎える和楽器バンドが、1月9日に『和楽器バンド 大新年会2022 日本武道館 ~八奏見聞録~』を日本武道館で開催。『大新年会』は、彼らが2014年から毎年年頭に行われる恒例のベストヒット・エンターテイメントライブで、今年で9回目。和楽器バンドとして武道館でライブを行うのは3回目を数える。

和楽器バンド

 客電が落ちると、ステージ上方に設置された大型ビジョンにオープニング映像が流れる。その後、障子をモチーフにしたセットに8人のシルエットが浮かび上がると、この瞬間を待ちわびていた客席の高揚感が会場を包み込んでいく。障子が開き、姿を現したメンバーは、バンドカラーの紫と黒で統一したシックな出立ち。観客が灯すペンライトも、もちろん紫色だ。そして、黒流(和太鼓)の「和楽器バンド大新年会、武道館、いくぞー!」という雄叫びとともに、「戦-ikusa-」でいよいよライブがスタート。

 序盤からアクセル全開モードで、鈴華ゆう子(Vo)は「今年1年の祈願をしながら、最高のライブを一緒に作っていきましょう!」と呼びかけ、神永大輔(尺八)は、時に拳を振り上げて客席を煽る。すると、場内の体感温度は一気に上昇。いぶくろ聖志(箏)が奏でる音色の艶やかさ、山葵(Dr)のアタックの強いビートや、亜沙(Ba)の力強い重低音、そしてそれらが重なり合うアンサンブルは圧巻で、瞬く間にその世界観に引き込まれる。

 また、三本締めのリズムで会場が一体になった「起死回生」では、町屋(Gt/Vo)と蜷川べに(津軽三味線)が息の合った軽快なステップを披露する場面もあり、和やかな雰囲気を誘う。一方、「オキノタユウ」では、リフト式のステージに乗って上昇していく鈴華の歌唱姿が、海底から空へと続くビジョンの映像とシンクロし、まるで海を泳いでいくような光景を体感。幻想的なムードを漂わせる。

 中盤に入り、鈴華と町屋のツインボーカルによる「シンクロニシティ」では、ジャジーな演奏で洋楽的アプローチを展開。また、エレクトロの要素を取り入れた「Starlight」は、いぶくろの優美な箏と蜷川の鮮やかな津軽三味線、神永の高らかな尺八といった“和”を織り込みつつ、ライブならではのバンドとしてのダイナミズムも体現。振り幅のある和楽器バンドの真髄を見せつける。

 そして、雪が舞い散る演出の中で鈴華が朗々と歌い上げる「細雪」など、和のテイストを堪能した後は、各メンバーのパートをフィーチャーしたライブでしか見ることのできないセッションコーナーへ。いぶくろ、神永、黒流による「Nine Gates」は、和楽器の情緒的な美しさを改めて感じさせ、「嶺上開花」では、山葵の力強いドラミングに合わせて鈴華が華麗な舞を披露するという斬新なコラボも。また町屋と蜷川は、エレクトリック・シタールと津軽三味線で掛け合う「河底撈魚」で観客を楽しませた。

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