Uniolla、大人のガレージバンドが見せた“瑞々しさと余裕” ピースフルな空間を作り上げたデビューライブ

 「アルバムに入っている11曲だけ演奏しておしまいでは、いくらなんでも少ないだろうと思って新曲を書いてきました」と深沼が言い、演奏された続く4曲「Leap」「It's Just the Time」「容赦なく美しい朝」「嘘はないはず」は、この日のために彼が17曲ほど書いた中から選んだ新曲だという。「相変わらず打率が低くて……」と自虐気味に笑いを取っていたが、どの曲も秀逸だ。とりわけ「Leap」と「容赦なく美しい朝」は白眉。モジュレーション系のエフェクトをかけた、ポストパンク~ニューウェーブ的なベースサウンドが冴え渡る前者では、フロアのあちこちから手拍子が打ち鳴らされ、KUMIがスタンドマイクで歌うミドルバラードの後者では、静と動を行き来するダイナミックなアンサンブルが会場いっぱいに響き渡った。

 アルバムから先行配信された「絶対」で後半戦がスタート。Uniollaというバンドは、LOVE PSYCHEDELICOの時とはまた一味違うKUMIの魅力を、深沼のソングライティングが存分に引き出しているところも聴きどころの一つ。しかもライブでは彼女の声に内包されたふくよかな倍音成分や、細かなアーティキュレーションを生で聴くことができる。ドリーミーで高揚感溢れる「絶対」はもちろん、軽快なモータウンビートに乗せて透き通るようなファルセットを聴かせる「Trapeze」など、改めて彼女の持つ唯一無二のボーカルを堪能した。

 さらに、USオルタナ系のロックチューン「どうしても」を経て、「あしたの風」で本編は終了。アンコールでは、KUMIのピアノ弾き語りから始まる名曲「果てには」と、最後にもう一度「A perfect day」を披露し、この日のライブを締めくくった。

 「今日、観に来てくださった皆さんがいつか『Uniollaの最初のライブ、実は観に行ったんだよね』と自慢できるバンドになれるよう、これからも頑張ります」と最後に挨拶した深沼。新人バンドならではの初々しさや荒々しさがありながら、一方でそれすら楽しむ「余裕」をも感じさせたUniollaの1stライブ。「新人バンド」とも「ベテランバンド」とも全く違う不思議なテンションながら、バンドとオーディエンスが音楽を通して一体感に包まれた、この上なくピースフルなひとときだった。

※1:https://realsound.jp/2021/09/post-869507.html

【Link】
Uniolla オフィシャルサイト:https://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A027032.html
Uniolla YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC0XlaUoiO4VLCT7tH0OxhRA

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